熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

海外雑記ー5   ニューヨーク   メトロポリタン歌劇場   

2005年05月17日 | 海外生活と旅
   昨秋、ニューヨーク旅行の準備で、真っ先にしたことは、メットのスケヂュール・チェックとチケットの手配である。2004-2005シーズンは、9月下旬に始まっているので、丁度、都合が良い。
   大体、海外旅行の時のスケヂュール設定からホテルの予約、チケットの手配など一切自分でやるので、メットのチケットも、当然、インターネットでホームページを開いて手配をする。
   ネット予約の開始時期が少し後だったので待ったが、予約可能なのは、ドミンゴの「ワルキューレ」、「カルメン」と「蝶々夫人」であったが、一日、ニューヨーク・フィルにでも行こうかと思ったので、ワルキューレとカルメンだけにした。
   ドミンゴがジークムントを歌って最上席のグランド・ティアが190ドル、2万円なので、急がなければと思って焦ったが、何のことはない、当日券も十分取れるほど空席があった。
   
   カルメンは、ロイヤル・オペラで、ドミンゴと「サムソンとデリラ」を歌って圧倒的な人気を博したロシアのオルガ・ボロディーナが歌うので期待していた。
   主席指揮者のレヴァインが、小澤征爾の後のボストンを掛け持ちした為に、ロシアのギルギエフが力を入れるようになるのか、ワルキューレもカルメンも主役をロシアの歌手陣が占めていて雰囲気が大分変わっていた。

   メットに始めて行ったのは、もう30年以上も前のウォートン時代で、フィラデルフィアから、ペン・セントラル鉄道のアムトラックに乗って何度か出かけた。最初は、確か「ラ・ボエーム」だったような気がするが、よく覚えていない。その後、ニューヨークへの出張の時に、付き合いをキャンセルして何度も出かけた。コベントガーデンに続いて良く行った劇場である。
   
   トーランドットで、フランコ・コレルリのカラフを聴いたのも、カール・ベームの「薔薇の騎士」に感激したのもこの劇場だが、別な「薔薇の騎士」の時に、時間に遅れて一幕をミスり、地下の小さなモニターテレビで、パバロッティのイタリア人歌手を聴かざるを得なかったのが残念で仕方がなかった。
   あの頃、まだ、アンナ・モッフォが歌っていて、「パリアッチ」のネッダを聴いた。ケネディ夫人ジャックリーヌとパーティで悶着を起こして「私が美人だから嫉妬したのよ」と言ったとか言わないとか、兎に角、凄い美人で魅力的なソプラノであった。天は二物を与えず、はウソである。

   兎に角、思い出深い劇場で、オペラを本当に好きになったのは、このメットのお陰かも知れない。正面左右の大きなシャガールの美しく幻想的な壁画を見ながら、何時もそう思う。
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