熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

オオデマリの芳醇さ

2005年05月06日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   オオデマリは、清楚なコデマリと違って芳醇でたっぷりした雰囲気である。
   ミドリを帯びた小型の単色のアジサイが連なった感じであるが、実に優しい花である。
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海外雑記 4   ニューヨーク   メトロポリタン美術館 2

2005年05月06日 | 海外生活と旅
   メットでのもう一つの楽しみは、フェルメールを見ること。
   フェルメールの作品(偽作?も含めて)で残存するのは、36作品のみで、アメリカにある13の内5作品がここにあり最大のコレクションなのである。
   本国のオランダでさえ、アムステルダム国立博物館に4点、ハーグのマウリッツハイス美術館に3点の計7点しかなく、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに2点、ルーブルに2点、といった状態である。

   フェルメールを知らない人が日本には結構居るのだが、オランダのみならず世界中で、レンブラントと同時代の画家としてレンブラントに劣らず人気があり、世界の名だたる美術館で、その作品は至宝になっている。

   私が始めてフェルメールを見たのは、もう30年ほど前で、アムステルダム国立博物館の「牛乳を注ぐ女(キッチン・メイド)」。
   貧しい若い女が、パンを無造作に置いたテーブルの上の土鍋に、水差しの牛乳を注いでいる絵で、写真の様に緻密で正確で、特に、黄色のシャツの色が腕まくりした弛みにかけて微妙に黄緑から青に変わってゆき、その画面が光り輝いている、その繊細な美しさに感動してしまった。

   その後、ハーグに出かけて、昨年上映された「真珠の耳飾の少女」のモデルの原画「青いターバンの少女」やフェルメール最大(と云っても1m×1.2m)の「デルフトの眺望」を見て感激を新たにした。
   そして、フェルメールが一生を過ごしたデルフトの町を何度も歩いた。
   それから、欧米の旅行の徒時、フェルメールがあると聞くと美術館に出かけた。30点近くは実物を見ていると思う。

   フェルメールは、当時流行ったカメラ・オブスクラを使用したと言われており、写真のような精密な遠近法や微妙な光の表現に特色があり、その作品は、優しい光に包まれた静かさと平和な空気に満ちた「静謐な空間」と称されるとか。
   左手から柔らかい光が射す窓辺に佇んだ女性の絵が多いが、ミステリアスでどこか崇高な寓意に満ちた絵もあり、これが、4~50センチ四方の空間に凝縮されている。

   訪れた日は、本館が改装中で、このフェルメール5点と10点近いレンブラント等オランダ絵画は、地下の特別展示室に特別展示されていた。
   私は、何度も行きつ戻りつ、疲れれば中庭に出てベンチに寛ぎ、2時間ほど、フェルメールとレンブラントを楽しませて貰った。

   メトロポリタンにあるのは、一番最初にアメリカに入ったこの絵の「水差しを持つ若い女」と、「眠る女」「窓辺でリュートを弾く女」「少女」と少し解釈の難しい「信仰の寓意」の5点で、総て女性をモデルにした1尺四方か少し大きい程度のの小さな作品である。
   会場には、殆ど訪れる人もなく、素晴らしい時間を過ごせたと思っている。
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