小金沢ライブラリー

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映画感想―『モーテル』

2009年10月16日 | 映画感想

~あらすじ~
車の故障によって、やむなく人里離れたモーテルに泊まることになった離婚寸前のデビッドとエイミー。
テレビの横でほこりを被ったビデオテープをなにげなく再生すると、映し出されたのはまさにいま泊まっているこの部屋で殺人が行われている光景。
二人は今も回り続けるカメラを発見し、そこから逃げなければ自分たちが次の被害者になると知る。


~感想~
↑のあらすじから予想される物語から、一歩たりとも想像の外に出ない、ある意味堅実な映画で、ありがちな主人公がありがちな事件に巻き込まれ、ありがちな逃避行の末にありがちな結末を迎える、予定調和にあふれた作品である。
そのありがちっぷりが実に歯がゆく、当然のごとく主人公の夫婦はそろってバカで、犯人グループはもっとバカなのだが、そのバカっぷりもネタにできるほどのレベルではないため、「普通のホラーでした」という感想以外に書くべきことのない、いたって後腐れのない内容なのだ。
このように作品自体にはなんら驚くべきものはないのだが、ただひとつだけ脚本を仕上げるのに8年かかったという事実だけが異常事態である。
再三くり返すが、こんな平凡な映画に8年もかけるところがあるのだろうか。かけた形跡も見当たらないし、かけるべきところもさっぱりわからない。「なんで?」と首をかしげるしかない。小器用な作家ならたぶん8日で書ける台本だと思うけどな……。
もしかしたら、ほっしゃんがネタにしている「ぼくは芸歴17年ですけど、R-1勝つ前はギュッと圧縮したら4ヶ月くらいになりますよ」と同じことだろうか。


評価:★★☆ 5
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