
~あらすじ~
ジョン・ウー監督による三国志の映画化「レッドクリフ」の後編。
孔明、周瑜の活躍で、80万の曹操軍をわずか5万で撃退することに成功した劉備・孫権連合軍。しかし、依然として圧倒的な勢力を誇る曹操は、2000隻の戦艦を率いて赤壁へと進軍する。そんな中、曹操軍には疫病が蔓延してしまうが、非情な曹操は死体を船に積み、連合軍のいる対岸へと流す。これにより連合軍にも疫病がひろがり、ついに劉備は自軍の兵と民のため撤退を決断する。孔明はただひとり戦地に残り、周瑜とともに戦う道を選ぶのだったが…。
~感想~
前作ではタイトルに偽りあって赤壁の戦いまでいたらなかったが、今回はきっちりと最後まで描ききり、満足のいくものとなっている。
前作では首をかしげたくなるような、端的に言って「いらなくね?」と思うものばかりだったオリジナル展開が、今作では要所要所でぴたりとはまっていき、三国志マニアにも納得のいく展開で、ようやく製作者サイドの三国志愛が感じられるようになった。
まあ、裏に思惑があるとはいえ、義を否定し参戦を拒絶し孔明を置き去りにする劉備とか、苦肉の計を一瞬で却下される黄蓋とか、奇襲作戦のはずが最終的には力攻めで城落としてね? とかおかしい描写は多々あるものの、ハリウッドの手にかかっても変に毒されることなく、赤壁の戦いを独自のアレンジで描いたことは、認めるべきだろう。
まったくの余談だが、ハリウッドのお偉いさんは撮影中に「キャラが多すぎるから何人か一人にまとめちゃえよ。劉備と関羽と曹操は同一人物にするとか」などと恐ろしすぎる三身悪魔合体を提案してきたとか。そんなの絶対合体事故起こして外道スライムしか生まれないよ……。
評価:★★★ 6