ハイド委員長へのリトマス試験紙(9)
このシリーズの前回に紹介したルーズベルト大統領の演説はアメリカ人には有名だ。アメリカの演説ベスト100に入っている。うまいか、下手かは別だ。言葉の選択でおかしなところがあると指摘したのは前回の通りであるが、言葉の選択が極めて意図的で、計算されていることは事実である。
モーゼの十戒の如く82歳のハイド翁を呪縛している。アメリカ人の意識に植えつけた日本観、真珠湾攻撃観、戦争観に決定的な影響を半永久的に与えている。日本の売国無策な政治家諸君、演説は心して行いたまえ。アメリカ人のみでなく、世界の国々に影響を与えている。21世紀になっても、それを100パーセント利用するゆすり国家が複数存在する。
これと反対の影響を与えているのが前世紀末に行われた村山談話である。小泉前首相までがこの古証文を出せば、何とか切り抜けられると思ったらしい。輔弼にあたった側近の罪は大きい。安倍新首相は村山談話を踏襲しないと信じたい。
この頃は政治ニュースは主にテレビの映像を通して国民に届く。テレビを見るのは大人ばかりではない。日本の家庭では幼児も小学生も、中学生も、高校生も、思想未熟な大学生もみな一緒におなじテレビを見る。ヘナチョコ政治家の哀れっぽい謝罪は幼い未熟な視聴者に刷り込まれる。
真珠湾攻撃当時、未成年だったハイド少年は80歳を越えて記憶力が衰えた今も未成年の時に聞いたルーズベルト大統領の演説に縛られている。今度の国会では教育基本法の改正が議論される。教育基本法が改正されるまでにもやれることはある。政治家は未来の政治を担う若者への影響を考えて発言せよ。また教育基本法が改正されても、政治家の発言態度が変らなければ改正の効果はなかなか実現しないだろう。