凱旋門賞で3着になったディープインパクトの薬物疑惑で大騒ぎだ。半月ほど前だったか、オーナーが突然今年一杯で引退を発表して驚かせた。武豊騎手も池江調教師も「びっくりした」そうだ。その時、なにかあるな、とは直感したがこれだったんだね。
人間用の気管支拡張剤を使ったらしい。のどの病気というのはサラブレットの職業病のようなものだ。心肺能力を不自然なまでに極限まで高めるために、無理な近親交配を繰り返して品種改良をしてきたサラブレットの宿命だ。日本では禁止されていない、同じ効果の出るクスリを常用していたというが、ディープインパクトの場合はその欠陥が顕在化していたわけだ。
いい競走馬というのは、能力を不自然なまでに高めた副作用としての欠陥と運動能力のトレードオフだからね。四季報で調べるとオーナーは金子真人ホールディングだ。すばしこく立ち回って引退前に51億円で種牡馬シンディケートに売ったらしい。
喉の異常か顕在化していたとすると、種牡馬としての価値はどうなんだろう。交配相手には特別に注意する必要があるだろう。ディープインパクトはサンデーサイレンス産駒である。ながらくリーディングの首位を占めていたために、日本にはディープインパクト産駒の牝馬が多いし、これからもますます増えるだろう。ディープの交際相手は狭くなりそうだ。
それにしても、ディープインパクトののどの問題は日本の競馬ジャーナリズムはちっとも報道してこなかったね。それだけ優秀なジャーナリストなんだろう。
四季報を見ていたらディープインパクトの三代母はBUSTEDなんだね。ブランドフォードの4X5のクロスがある。私の好きな穴血統だ。ディープインパクトの種牡馬としての成績がどうなるか、興味がある。安定した成績をのこすか、穴血統になるか。