絵解き謎解き2:彼らを税金泥棒という。
冷戦時代には故佐藤栄作首相の非核三原則は論理性があった。倫理性があったかどうかは議論がある。そして往々倫理性に疑わしいものがノーベル平和賞を受賞するのはよくあることである。
冷戦下で日本は米国の傘に入るのは必然であり、それ以外のオプションは論理的に有りえなかった。冷戦でしのぎを削っていたアメリカは、アメリカの出城である日本のために(つまりアメリカのために)、躊躇無く相手に核攻撃を加えたであろう。相手もそれを理解していたから核がギリギリの抑止力になっていた。日本は非核三原則などと格好のよいことを云っていられた。
冷戦が終わっても、アメリカが日本のために躊躇無く核を使い、相手を殲滅し、地上軍を投入しておびただしいアメリカ人青年の生命を賭けた消耗戦を日本のために行うかどうか。日本の安全保障の検討は一応希望的憶断を持たずに行うことが必要だ。
もし、安全保障の実務者すなわち防衛庁、国民の生命と財産を守る責任を有する政府や立法府が核保有の問題についてあらゆる角度から検討を加えないなら、彼らは税金泥棒と言われてもしょうがない。
彼等の職務怠慢は1億人の日本人の生命と財産を危うくする。冷戦が終わり、核保有国が自分達だけの思惑で勝手に相手を選ぶ。ならず者国家は新しく核を保有して威嚇する。そういう時代に核という言葉すら口に出さないのは少女の感傷趣味を満足させるためには結構である。