東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

国家的不正経理としてのアメリカ国債購入

2009-10-26 07:04:50 | 社会・経済

日本政府がアメリカ国債を買う取引とは何なのか。金塊で支払う場合以外はすべてバーチャルというかフィクティシアスな取引だろう。国家ならお札をいくらでもタダで刷れる。

それほどナイーブでなくても何らかの証書を刷って渡す。あるいは電子メール一本の電子取引かもしれない。

あるところで財務省の役人がいっていたが、アメリカ国債を買うというのはお札を刷って渡すだけだがら全然コストがかからないと「だましていた」が、そんなことで国民がだませると思っているのか。

アメリカ政府が日本政府からもらった金で何かを買う、あるいはアメリカ国民にばらまいて、それをアメリカ人が使えば、まわりまわって日本に請求がくるわけだ。

いわば国債を100兆円も印刷するのと同じだよ。いま44兆までは来年は発行しようと藤井財務相がいっているらしいが。それと同じで国債発行は当面全然金がかからない。しかし、将来大きな影響が出てくる。

日本国債を発行するのと、アメリカ国債を買うのと違いはほとんどない。日本国債は将来償還しなければならないし、アメリカ国債は将来償還してもらわなければならないくらいの違いだ。そして償還出来っこないから永久に貸し替えをしてやらなければならないだろう。

これが実質的にどれだけ違うと言うのか。

実質ゼロ金利の(双方とも)利子を貰うか払うかの違いだけだ。

とにかくアメリカ国債の購入という取引は各種の不正経理を惹起するものと思われる。政府は素人である国民にすべてを透明にして説明する義務がある。

& アメリカ国債を持つということは日本の膨大な外貨準備の大部分を流動性のない不良資産で抱え込むということだ。日本の国民、産業が一生懸命努力して儲けた金が、本当に帰ってくるかどうか分からない相手に貸し付けられているということである。

あなたの亭主が一生懸命に働いて儲けた金がすべてやくざへの強制的貸金になって(返してもらえるあてもなく)、借金をしなければ子供の洋服一枚も買えないような状態になったら、どうするね。

日航の再生案には政府保証がつくようだ。アメリカ国債には保証は一切ない。それとも「超世界銀行」が債務保証をつけてくれるのかね。世界銀行そのものが各国の出資で成り立っていて、とても保証する立場にはない。

日本が流動性の高い、優良資産で外貨準備を持っていれば母子手当にしても何にしても、今度民主党がやろうとしている政策は外貨準備のほんの一部を売れば簡単に実現する。赤字国債など発行する必要はない。

また、海外援助にしても、いまは赤字国債を発行しなければ援助も出来ない。馬鹿げたおかしい話だ。優良資産で外貨準備を持っていれば、いくらでも海外援助ができる。

そのアメリカが盗人猛々しく、沖縄をはじめ色々なことで口を出してくるのを許してはならない。


また日本が損な役回り、アメリカ国債はめ込み

2009-10-25 10:19:20 | 社会・経済

ちょっと古いが、アメリカ財務省の発表によると6月末で、チャイナの米国債保有額は251億ドル減少した。そのかわり日本の保有額が346億ドル増えた。

証券会社のカモな客がクズ株をはめ込まれたようだ。3兆円かね。日本もアメリカが沖縄でガタガタいうなら10兆円ほど米国債を売ったらどうだ。

一度にそれだけ売れるマーケットを探すのは大変だろうが、そこはそれ、今は飛ぶ鳥を落とす勢いの藤井財務債務相だ。なんとか才覚せい。

藤井君も内弁慶では困るぜよ。

チャイナはアメリカ債保有一位というが、日本との差はない。2,3兆円くらいかな。それでアメリカはチャイナが怖くて何も言えない。日本に対して勝手なことを言わしておいていいのか。

無為に過ごすと近々日本がアメリカ国債保有額世界第一になるよ。不良資産の典型である米国債は可及的速やかに処分しなければならない。

このジャンク債にはまともな市場性もないわけで、藤井君、実力を示してみよ。前原君のように、タスクフォースでも作ったらどうだ。


福沢諭吉にタダ切符

2009-10-23 08:22:22 | 社会・経済

前々号でジェファーソンや福沢諭吉がタダ切符で太平洋を渡っている可能性を語った。

なにもJALじゃなくてもいいだろうに、というでしょう。商事会社でもいい、ANAでもいい。現代ではソニーやトヨタでも大規模な国際間の資金移動をしている。

しかし、行きがかりからも、そとに秘密が漏れにくいという点からもJALになる。第一、まともな経営者がそんな危ない話を引き受けるはずもない。

数年前、JALが燃料の先物取引で数千億円の損失をだした。高値で先物取引をする、というまるで損をしたいみたいな取引だ。この時も経営危機に陥り政府資金の援助を受けている。

最近では為替の先物取引をやはり高値掴みをして数千億円の損失を出した。これも政府資金の援助でしのいだ。しかし、いずれも巨額の政府資金は経営改善につながらなかった。

燃料、為替の先物取引をみていると、まるで誰かに儲けさせるための八百長のにおいが強い。だから日航は当然のような顔をして政府援助を要求する。そしてそれは損失を補てんする(前から約束が出来ていたのだろう)だけだから、経営改善などしない。

政府も嫌味一つも言わずに数千億の金を出す。やみで往復ビンタ(このことば、若い諸君に分かるかな)で儲けているエスタブリッシュメントがいる。

すなわち、先物で儲けさしてもらったとき、つぎに政府資金が投入されたときに上前をはねた時である。

海外援助にしても、母子手当にしても、子供手当にしても、介護保険にしても、公共工事発注にしても政府資金が出て行く時には当然だが、仲介者、フィクサー、立法者そして行政窓口の裁量権者にさまざまな名目、形態で口利きの口銭(つまりリベート)が渡る。

これが私の小さな政府を主張する理由なのだが。

以上小説の構想を述べたわけである。


前原国交相への圧力はどこからかかるか

2009-10-22 08:29:15 | 社会・経済

前号では日航再生問題での問題意識、段取りと着地点の間に存在する決定的な矛盾を指摘したが、そのほかでも彼にかかっている圧力でこの問題が不得要領な終末を招来しかねない問題点を指摘する。

日本航空問題で彼にかかる圧力は次のような方面から来ている。

1・与野党の運輸族から。すでに亀井静香は変化球でピーンボールを投げている。

2・地方空港見直しに反対する与野党の地方選出議員および首長から、

前原氏はハブ空港と言う球を投げ返したが、これは日航問題に対しては中立的だ。大阪、千葉は反対だが、東京、埼玉、神奈川の知事は大賛成だろう。ただ日航にある程度の免責を与える効果がある(錯覚で、世論は錯覚のオンパレードだからね)。前原氏が最近このことを言い出したのは、前広に、すでに言い訳をばらまきだした前兆の可能性がある。

3.与野党の防衛族(官民)から。前原氏は防衛問題ではRW(ライトウイング)だから、お仲間ともいえる議員防衛族、アメリカの政産官管複合体からの口銭稼ぎをオマンマの種とする、いわゆる防衛問題専門家からの情をからめた圧力に免疫力はないと思われる。こういう連中は安全保障問題の論客としてときどき産経新聞などに寄稿している。

4・映画「沈まぬ太陽」の主要テーマである日航御用組合と上部政治団体である民主党内旧民社党グループ、御用組合とただならぬ関係にある連合方面からの圧力

& リストラとか、経営陣の40代への大幅な若返りとか、企業年金のカットなどに反対してあの手この手で策を弄してくるだろう。

前に述べたが、ボーイングは軍需産業の雄でもある。日航、ボーイング、自民党の悪のトライアングルはしっかりと日本に根をおろしている。彼らはしっかりとした巧妙なシステムを構築している。まちがっても現ナマを段ボールや手提げ紙袋につめて田中角栄の秘書に届けるようなことはしない。現ナマには手を出さないのである。そういうときにこそ日航が海を越えての不浄金移転のデバイスとなるのである。ジェファーソン、ワシントン、福沢諭吉を渡洋運送するのである。

これは分かりやすく言ったもので、もちろん現代では電子チャネルによるのであるが。金融も自由化したことであるし。旅客機や各種兵器の売買の隠れ蓑のもとに偽装されて行われる。

VIVA 日米安全保障条約 !

私は日米安全保障条約の熱烈な支持者である。二つの条件のもとで、すなわち、アメリカ兵が日本のために血を流すことを誓うこと、兵器の水増し請求をやめること。これが信じられれば沖縄駐留もやむをえないだろう。


前原大臣は分裂症気味

2009-10-21 21:01:02 | 社会・経済

日航の再建案だが、日替わりでああでもない、こうでもない、と報道されている。迷走気味のようだね。

企業再生機構だとか、ADRだとか。産業再生なんとかとか。そうかと思うと、金融機関に債権放棄をもとめたり、そのあとで政府資金の注入を財務大臣と談合したりと支離滅裂だ。

大体、タスクフォースのメンバーをみると、解体屋とパーツ屋だろ。そんなチームに頼みながら、最初から「日航は存続させる」と断言している。

タスクフォースもやりにくいだろう。最初からお気軽に結論というか、枠を押しはめてどうする。

大体、結論が出ないうちからこういう方式でやるらしいとか、いや別のやり方を考えているとか、決まらない途中でマスコミに報道されるというのはどういうことだね。しかもそれがここ数日日替わりだ。

朝刊の報道が夕刊で変わったりする。安っぽくなったものだ。

前原君の表情が毎日だんだんと途方に暮れたように変わっていくのも気がかりだ。

だんだんと再生案が甘くなっていくのも問題である。日航御用組合、御用組合出身の経営陣から上部団体である連合、民主党旧民社党グループへの工作の結果が出てきたようだ。

& こういう力学こそが山崎豊子の「沈まぬ太陽」の重要なテーマである。


*石原慎太郎くんに与うるの書、追伸

2009-10-14 20:40:16 | 社会・経済

雇ったコンサルタントというのは最終プレゼンテーションだけなのか、全体の招致活動のコンサルタントだったのか。

契約はどうなっているのか。おそらく随意契約なのだろうが、契約内容は報告書に入れるべきだろう。

こんなニュースもあった。イギリス人コンサルタントから日本の最終プレゼンテーションの内容が敵方に渡っていた。そのためにせっかくの最終プレゼンも効果が薄かった。

リークされたくらいで影響が受けるプレゼンテーションではなかったと思うが、こういう正体不明の意図的?ニュースが流されると疑惑は払拭する義務があるだろう。


&石原慎太郎くんに与うるの書三

2009-10-13 09:27:14 | 社会・経済

(最初からおびえるな)

だれも報告を見ないうちから150-200億円を無駄金とは言っていないと思うがな?

それをのっけから「無駄金批判は受けて立つ」というのは何かに脅えているからではないか。フロイト流にいえば「潜在的原罪意識による錯言」ということになる。やましいことがなければ、詳細な報告書を出しますから精査をお願いしますと言えばすむことだ。

こういうのを、下世話では「語るに落ちた」ハナシという。

12日の産経新聞「日本よ」の最後の段落はひどすぎる。倫理的なコンクリートブロックが欠落しているのだろうか。ダムの崩壊は間近いのか。

これが石原くんの本音の部分か。彼はおそらく生涯で初めての挫折だろう。そのショックで本性が現れたか、あるいは老耄による欠損か。

都の危機的な財政を立て直したといばるが、それは都知事の当然の仕事だ。これまでの知事がひどすぎたにしても、あくまでも比較の問題だ。石原くんは前任者よりはよくやったかもしれない。

自分から銅像を建ててくださいと言うものではなかろう。

余剰が出てきたからオリンピック招致に使うのもよかろう。大義名分がたって、活動の内容が納税者に納得がいくものならば何も問題はない。しかし、余剰を作ったのは石原個人だから、それを何に使おうが勝手だとか、どう使ったか報告する必要がないといえばキチガイあるいは犯罪人になる。

君は知事として当然の職務を果たして財政を立て直したとしよう。作られた金は都の金庫に納められるべきものだ。いいかえれば都民に返されるべきものだ。その金をつかうのに、都民の承認が必要なのはあたりまえではないか。

聖書のどこかにあったが、主人から留守中のブドウ園の管理をまかされたものが、儲けた金が主人の金で主人に返すべきであるにもかかわらず勝手に管理人が懐にいれた話がある。

それと同じだ。


+石原慎太郎くんに与うるの書二

2009-10-13 06:54:13 | 社会・経済

日本が豊富に持っているオリンピック招致の経験を学ぶ努力をしないで、従来からの信念をまげて、政治的スタンスに反するような行動をオリンピック招致のためにとる。分裂症的言動といわなければならない。

石原くんは、イスラエルの砂漠に叫ぶ預言者のようなところがあって、大いに善しとしていたのであるが、オリンピック招致の障害になると思うや、チャイナの前に膝を屈した。なんたることか。

それ以外にしたことといえば、マスコミに何度か取り上げられている豪華な視察旅行くらいのものであろうか。

イギリスのコンサルタントを雇ったらしいが、法外にぼられているのではないか。「日本よ」のなかで投票後イギリス人がプレゼンはよかったのに残念だと石原くんのところに来たとアリバイ的なことを書いているがこれはぼったくられたイギリスのコンサルタントにつながる人物ではないのか。

高い料金を取っていながらお役に立てなくて、と詫びに来ただけだろう。本来なら、石原君や東京都は契約不履行でそのコンサルタントを訴えるところだ。それが欧米的な常識だから、向こうは先手を打っただけだろう。

それを自分の正当化に使うなど笑止千万だ。だから世界でせせら笑われるのだ。

とにかく、それでも上記すべてを足しても150億円になるとは思われない。詳細な活動、会計報告を速やかに、つまり粉飾、晦渋化の余裕を与えずに、出させる必要がある。

& 最終プレゼンテーションに賭けるというか、すがるというか、そういう態度は一発逆転的な発想で、それまでの招致活動が失敗だったことを認識して、かつ国民、都民の批判をそれからかわす思惑があるようだ。

なんだか、第二次大戦で「本土決戦」で一発逆転という発想と酷似する。最後にはカミカゼが吹くと国民を欺くようなものだ。大本営の秘密主義、情報操作を批判するなら、こんどの数年間にわたる招致活動の節目節目(あるいは年次報告)での招致活動の自己評価を最終報告書で正直にしめすべきだろう。


石原慎太郎くんに与うるの書一

2009-10-12 18:37:25 | 社会・経済

(オリンピック招致の失敗について)

石原氏の小説は一冊も読んだことがない。正確にいえば一行も読んだことがない。したがって批評する材料がない。

わたしが彼をよし、とするのは従来の政治的言動である。主としてテレビ、新聞に報道される彼の言辞である。まれに雑誌座談会の記事を見たこともある。

彼の文章はあまり読んだことがないが、政治的パンフレットのようなことを産経新聞に連載していて、前に何かで読もうとしたことがあるが、はっきり言って文章として感心しないし、インパクトもない。ま、それが石原氏の文体なのだろう、政治的パンフレットにおいて。

「日本よ」と題された産経新聞のコラムである。

さて、オリンピック招致失敗について、石原氏が批判に反発しての発言がここのところ報道されている。ひどいものだとは前にここで書いたが、今日の産経の彼の連載欄「日本よ」に招致問題についての文章が出ている。礼儀として今度は一応目を通した。

おかしいね。アルファからオメガまでおかしい。オリンピック招致活動が学芸会のような最終プレゼンで決まるわけがない。「あるべき」論ではなくて現実論である。こんなことは招致活動を主唱するなら当然わきまえていなければならないことだ。

石原氏もどうやらわきまえてはいるらしいのだが、小学生の理想論のように非難ばかりしている。招致活動をしなければそれでもいい。膨大な税金を使って活動するなら当然そういう活動の渦中に入る覚悟と段取りがなければいけない。いまさら女学生のようなことを言われても困る。

産経の文章には、「国連という怪しげな組織」と書きながら女学生の理想論で自己の免責をはかる。自分の値段を下げるようなことはやめたほうがいい。国連が怪しげな組織でわいろで後進国の多数票が動くなら(そういうところがあるのは歴然としているが)、オリンピック組織などもっとひどいと認識するのは常識であろう。

それを招致活動に飛び込みながら、負けたからその非難にいまさら使うなど女々しいかぎりである。

それと文章の冒頭に、かっての東京オリンピックから40年もたって勝手が分からないほど事情が変わったと弁解しているが、これが通用するのか。日本は東京オリンピック以来冬季大会は札幌、長野と二回招致している。

また失敗したが、名古屋、大阪が招致活動をしている。したがって経験は十分に蓄積されていたはず。それを活用できなかっただけだろう。石原くんは謙虚に虚心坦懐にこれらの経験諸都市の関係者やJOCの関係者の意見、経験を聞いたのか。

そういえば、2016年の招致には早くから福岡市が名乗りを上げていた。それを後から強引にひっくり返して東京にしたのは、道義にかける行為だった。上記の地方都市が石原くんに協力してくれたか。頭の高い彼には謙虚に先輩の意見を聞く度量がないのかもしれない。

それを40年ぶりでさっぱり事情が分からなかった、と浦島太郎みたいなことを白々しくいうな。ロビンソン・クルーソーを気取るな。

また、IOCには日本人の委員がいて毎回の招致で開催希望国からアプローチされている。まさに彼らは常住、招致活動の渦中にいる当事者である。彼らの経験を真摯に聞く態度が石原氏にあったのか。

& 百歩譲って浦島太郎状態だったとしよう、一体何年招致活動の余裕があったのだ。前の任期から数年の余裕があったではないか。招致活動の第一歩は情勢分析であり戦略の基礎分析だ。その段階で150億円の百分の1以下の費用で情報収集が出来ただろうに。

150-200億を費消したあとで、数年の時間を浪費した後で、40年前の経験しかなかったと言うのは犯罪者的で許されない。あえて許されるのは心身消耗の障害者が殺人犯罪の刑を免れるケースだけだ。そうなのかね。

次号につづく


日本航空、ボーイングと自民党のただならぬ関係

2009-10-10 18:52:26 | 社会・経済

土曜日のTBS6時台のニュースでボーイングと組んだ日航の不正経理が取り上げられていたが、航空機を使った会計帳簿の粉飾は長年JALの十八番(オハコ)であり、TBSの着眼点は悪くない。

前原大臣のタスクフォースが日航の資産評価を徹底的に行っているそうだが、適切な段取りだろう。おそらくJALの危機は自己申告をはるかに上回る深刻なものだろう。

後発会社の悲しさで、かって全日空がもっと素朴な形で航空会社、米国航空機メーカーそれに自民党の悪のトライアングルを試みた。JALよりもはるかに素朴だった。航空機セールスのキックバックを現ナマで段ボールに詰めて田中角栄に渡すというやりかただ。あまりにも素朴すぎて、すぐにアメリカ発の工作に暴露されてしまった。

このときはANA、ロッキード、田中角栄という悪のトライアングルだった。問題は元ロッキード副社長の発言からだったが、仕掛けたのはボーイングだろう。

日航には代々大蔵省(当時の)理財局あたりから役員の天下りがあったが、彼らも悪のトライアングル業務に必要とされていたのだろう。

さて、保守本流は狡猾だ。日航、ボーイング、自民党保守本流とその影であるフィクサーの旧悪は今度の政権交代で明るみに出るかもしれない。

今では航空業界は自由化されたからANAは自身の経営力だけで経営を乗り切れるようになったわけだ。

(ロッキード=田中角栄)の影が右翼の大物代理人児玉ヨシオであったわけだが、ボーイングの日本側エイジェントは誰だったのか。故S氏ではないかと思われるがマスコミで取材してみたらよかろう。

& そういえば思い出したが妙なことがあった。山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」にも出てくるが例の御巣鷹山の日本航空史上最悪の墜落事故だが、原因は隔壁の修理ミスと言われていた。問題の飛行機が何年か前に大阪伊丹空港で尻もち着陸をして隔壁を破損して修理した。その時にいい加減な修理をした、としてマスコミからたたかれていた。

日本航空(企業としての)と日本航空の運航担当の重役は刑事告発確実とみられてた。ところがボーイングがあれは私が悪うござんしたと発言したのだ。詳しいことは覚えていないが、たしかボーイングの修理マニュアルにも不備がある、とか、大阪事故の修理にもボーイングの技術者が立ち会ったとかいうんじゃなかったかな。

これでがらっと潮目がかわった。もちろん日航が責められ続けてはいるが、かなりドッジボールになっちゃったのだ。裁判にもなっていないのに、のっぴきならない証拠を突きつけられているわけでもないのに、アメリカの企業がすすんでアイアムソーリーということはまず普通では考えられない。

当時は日航が世界で一番たくさんジャンボを買っていたから、大得意に対してはアメリカでもあんなことをするのかな、と解釈した。現在ジャンボの大得意はチャイナだが、チャイナに対するアメリカの態度を見ているとある程度納得できるのだが。

しかし、その当時からボーイングが日航に不正キックバックをしていたなら、日航が刑事被告人になって、会計帳簿を当局に根こそぎ持っていかれるのを絶対に阻止する必要があっただろう。

本来なら、日本航空は得たりやおう、とボーイングを訴えそうなものだがうんともスンともいわなかった。これも、すでにボーイングと相身互い身の世間に公表できない関係にあったなら理解できる。

結局、群馬県警?は刑事告発出来なかった。この裏には上記の理由のほかに、自民党、法務当局からの圧力、見えない指揮権発動があった可能性もある。民主党政権はそこまで追求できるか。