自民党の福田康夫と民主党の小沢一郎の、党首討論があった。ほんの数ヶ月前に、一日に何度も会談して、大連合を模索した二人である。密室で何を話していたかは、結局は分からずじまいだったが、公衆の面前ではまるで漫才コンビのような討論だった。
温厚を装う福田康夫が、気難しげな小沢一郎に逆ギレしたようである。日銀総裁の人選では、小沢個人から了解をとっていたが、党として裏切られてことが頭にあったようである。
福田康夫が、「民主党の決定はのろいし、誰が判断しているのか分からないし、人事権の乱用だ」と、食ってかかった。決定がのろいのは、日本の政党はどこでも同じだ。人事権は、与党にあることで、野党に文句を言うのはお門違いである。
ところで、民主党は誰が決めるのかよく分からないと言うのは、小沢一郎を民主党が招いて党首にした時から始まっている。今回も、党内の多数の反対を、小沢が押し切って副総裁の不同意を決めた。
福田の逆ギレで、小沢はニタニタ笑いながら受けていた。この二人のやり取りは、漫才コンビのようだった。片方が突っ込むと、受ける方がぼけるといった具合である。もっとも本当漫才コンビは、ボケとツッコミは決まっているが、この二人は肝心の受ける時には、どちらもボケ役になる。
政府は変な人事を提案していないので認めろ。→大蔵官僚の既得権があるのはおかしい。与党は暫定税率の一般財源化を決めたのか。→了解を得ている。このやり取りは、それぞれの党に反対意見がくすぶっている。
テロ特措法も日銀人事もなぜ否決したのか。先の参院選挙の結果の行動だ。政府は理解していない。これは、双方とも子供だましの論議だ。
この二人のやり取りには、どこか裏があるように思えてならない。決定的に突っ込むことがない。受けてもらえるような質問しかやらない。見ようによっては、助け船の出しあいのような討論に思えてならなかった。
結局年金や後期高齢者医療やガソリンが安くなって混乱する現実については、ほとんど交わされる意見はなかった。何のための党首討論か分からない。