中国は無貞節な経済原則による発展で多いに浮かれている。鼠を捕るために、手段を選ばない企業が続出している。富めるものはうんと富んで、富めないものはさらに貧しくなってゆく。
それでいて、国家的一大プロジェクトのオリンピックまでは、何とか持たせようと躍起である。大気汚染についても、大会開催前からかなり車の規制をやるらしい。マラソンができるようにであるが、この国の問題解決には程遠い。
現在問題になっている、民族問題も世界各国のジャーナリストがうるさい現在、なんとか穏健な対応をやっているようであるが、オリンピック以後もこんな穏健な対応を続けるとはとても思えない。
売れればいいとつくられる食品についても、対外的に監視される体制下では改善されることもあるだろうが、オリンピック以後の保障はないだろう。ただ輸出する製品に関しては、監視下に置 かれるために、一定の改良はあるかもしれないが、制度として監視体制にない国家に何ができるか疑問である。
この国が、社会主義を標榜する限り、何の変化も起きない。自己改革、自ら検証する思想もなければ、国民に提案するシステムもない。さらに悪いことに、社会で起きているとことが、全く社会主義的でない。
格差社会は、日本の比ではない。年収10万円の貧困層から、数億円の富裕層を抱える国家 をどうして社会主義と呼べるのであろうか。
この国は、北朝鮮のように国家としての崩壊は起きる要素は持ってはいない。多くの矛盾を抱えながらも、突き進むことになると思うが、何らかの改革、たとえば情報の大幅な開示や、富裕層への課税などの強化などが、オリンピック以降に起きるかもしれない。
10年前の「民主化」のような波を起こすような気力はないだろう。一人っ子政策の結果、若者が極端に少なくなった社会になるからである。インドやヴェトナムのように若者が極端に少ない、超大国中国の出現が間近かに迫っている。
中国はオリンピック以降、極端に疲弊の坂道を下る予兆が起きると思われる。