そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

グローバル資本は金融資本の温床

2009-03-17 | アメリカ

本来の資本主義とは売れるものを生産し、それを消費者が購入する。つまり、製造者がその利益を受けることになり、大量に生産したり新たなものを製造したりするというのである。1、2次産業が社会を支えていた。それを流通させ販売させることで、市場は機能していた。

流通が激しくなると、巨大化したものがより大きな利潤を手にするようになる。資本は巨大化するために、外部資本を受け入れるようになる。そうして、金融が世界を支配するようになる。見込みや思惑に押されて、金融はより大きくなる。レバレッジと呼ばれる僅かな資本で大きな金融作用をもたらす、ペテンのような形態が現れる。

レバレッジとは、てこ(lever)によるような作用をする(levergage)、と言う意味である。最近では、全く経済学すら知らない、工学系の人物が体系化して「金融工学」とまで呼ばれるような形態まで出現していた。それが金融市場を飛躍的に拡大し、世界経済を刺激し活性化させていた。

こうした日本の巨大化は、安価な賃金の途上国にとって恩恵をもたらした。中国は世界の工場となっていった。グローバル資本は、金融資本を増大させる一方、で自国の労働者の賃金を抑制することになった。結果的に国内の消費が抑制されることになるが、国家の生産量は増大することになる。経済の発展は、格差社会を産み国民を豊かにさせることはなくなった。

こうした発展の根本には、資本の暴力性がある。資本は、人の幸福感や平和や福祉それに環境問題とは、全く無関係に肥大化するのである。人にも環境にも決して従うことのない、資本の暴力性は国家を越え、規制緩和を唱えるのである。

アメリカはキューバの、数十倍のGDPを誇りながらも健康j保険制度がない。国民皆保険は、未だに目標でしかない。適切な医療を受けられるのは、限られた人たちでしかない。キューバは、医療が無料である。

一攫千金を成し遂げる極々一部の事例に踊らされて、ほとんどが敗者になる社会システムは、新自由主義が生んだモンスターである。1985年の日本は、貧困率12.5%で圧倒的に少なかったが、2005年には26.9%までになった。日本は世界有数の貧困国家になったのである。この間、日本は戦後最高の経済成長を成し遂げたと、経済は解説する。

グローバル資本主義にとって、京都議定書や国家間の規制は阻害因子でしかないのである。新自由主義は、市場経済が機能するためには規制があってはならないと、解説する。市場に出たものは、価格以外の評価は存在しない。

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