北朝鮮がミサイルを発射する。日本に向けて発射するようだ。それも、4月4日以降のことである。日韓米は大騒ぎである。迎撃態勢を日本はアメリカのご指導ご鞭撻で、アメリカから買った パトリオットなどを構えている。
ミサイル発射を北朝鮮が予告するのもおかしい。北朝鮮は、人工衛星の発射試験だと言っている。彼らの主張が正しければ、これを迎撃するのはおかしくはないか。北朝鮮の主張が、まともでないことは誰でも知っている。しかし、本当に人工衛星なら問題である。
北朝鮮の目的は、周辺国家が騒いでくれることである。北朝鮮という不法国家に、大量破壊兵器を持たせないことが、安全であることはどの国もが、思っていることである。きちがいに刃物ではなく、不法国家に大量破壊兵器は危険である。
世界各国のそうした思惑を見透かすように、北朝鮮は6者協議を約束を交わしながらも、次々とそれらを反古にしてきた経緯がある。6者協議の始まった頃には、核もミサイルもなかった。日本の拉致問題も認めていなかった。
6者協議の進行中でも、あるいはそれを巧みに取り入れて、核そしてミサイルとエスカレートしてきた。その間にも、もうしませんからと謝るふりをして、各国から重油や食糧をせしめている。巧みな外交である。
そして今回の騒ぎである。北朝鮮は、さらに新たなカードを手に入れることになる。失敗の公算が高いと私は見るが、それでもこれだけ騒いでくれると、北朝鮮の目的は達成されたとおなじである。
その一方で、こんな危険な国家があるからと、軍事力の整備向上を日韓米は、国民を納得させる材料にすることができるのである。北朝鮮の子供じみた行動は、格好の材料である。安全保障と国防、更には愛国心を煽ってくれる北朝鮮の行動はありがたい。そのためにはマスコミに、ちょっとしたことでも、大きく報道すしてもらわなければならないのである。
日本は、本来持っている平和憲法の理念が機能しているならば、こうした不法国家の煽動には乗らずに、外交でこれらの対応をやるべきなのである。予告して飛んでくるかもしれない、世界最貧国のミサイルに標準を合わせ、迎撃できるかどうかショウを論ずるのは愚かなことなのである。