小沢一郎の第一秘書が逮捕されたタイミングは、時効になる案件があったからだったと報道されている。しかしこの逮捕劇はどこから見ても、合点がかないことが多すぎる。
小沢一郎の秘書だった高橋嘉信と言う男がいる。彼は「趣味は小沢一郎」と言って、はばからなかった人物である。「票田トラクター」という、マンガの主人公のモデルだったことも知られている。しかし、何と言ってもこの男が小沢一郎と袂を別って、自民党から小沢一朗の岩手4区に立候補したことで、とつに有名になった。
この高橋嘉信は、1980年から20年間小沢の秘書をやっていたが、その時に作った献金ルートがある。大久保被告は、彼の作ったレールのままの集金をしていた。高橋嘉信時代の献金については、すっかり時効が成立している。いまさら騒がれても、高橋嘉信は痛くもかゆくもない。むしろ、小沢の票が減ることは彼にとっては最大のメリットとなる。
高橋嘉信は、仮に落選しても自民党にこれだけ貢献したのであるから、比例で当選と言うことは請け合いである。大久保の時効ではなく、高橋嘉信の時効が成立しための今回の動きと言える。次回民主党の公認を得るために奔走していた大久保被告は、いい面当てである。
小沢は断トツに多いが、自民党の方が多くの献金を受けている。自民党は敵失ではあるが、大声で非難もできない。国会は、政治と金については封印したままである。唯一共産党の小池氏が追及している。
小池氏の追求内容をお借りしたい。今回問題になった献金期間に、西松建設は公共事業を937億円受けている。この間に献金した人物と団体は13ほどで、献金の合計は4億7800万円にもなっている。(クリックすると大きくなります)
つまり、発注された公共事業が税金である以上、5億円近い金は税金から政治家に、迂回して還元されたものとみるべきである。公共工事の5%が政治家に回る構図である。こうした因果関係こそ問われるべきで、審議されるべきものである。献金が迂回したから良いというようなものではない。
小沢秘書逮捕はきな臭いものが強烈であるが、政治と金の関係が封印された国会の現状こそ異常なのである。こうした民主主義が崩壊する姿を見て久しい。いつまで続くのか。