千葉県知事選挙で、森田健作が圧倒的な勝利を収めた。選挙期間内にゴタゴタしていた、民主 党の小沢党首の辞める辞めない問題が大きく響いたと、巷間言われている。確かに時期が悪かっとは言える。
小沢一郎の党首居残りは、世論調査では余り評判は芳しくない。どの調査でも、辞めるべきとするのが60%台である。その一方で、検察側の説明責任を問う声が、90%もあるのも異常といえる。世論調査は、70%を越えると一般感覚で、ほぼ全員という感じである。時が経てば、検察側への風当たりも強くなるものと思われる。
森田健作の当選は、民主党の逆風の結果と見るべきではなく、大阪や宮崎のタレント知事のパフォーマンスが大きく影響していると思われる。あるいは、政党離れがより一層進行したと見るべきではないか。投票率が44%と低いことがそれを物語っている。事実、森田氏は前回の得票を、僅かに上回ったに過ぎない。
大衆への迎合をする、タレントへの期待が森田健作の当選に見て取れる。何を主張しているのか解らないが、大声で歯切れがいいだけの田中真紀子の人気が高いのは、こうした大衆迎合性にある。決して政治的評価などではないのだ。
麻生首相も大衆への迎合が発言の中に垣間見ることができる。「私は彼方と同じです。マンガも読んでいるし郵政民営化にも反対だった」などと、徒に目線を下げようとする発言がある。こうしたポピュリズムによって、政治的理念が培われることがない。
森田健作の当選は、民主党の一時的な衰退を見て取れるものの、大局的には日本政治の貧困を象徴する出来事といえる。又日本は不毛な政治へと歩き始めた気がしてならない。