そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

テロとは何か

2009-03-02 | 政治と金

オバマ大統領は「テロとの戦い」という言葉を封印している。テロとの戦いとは”War on terror”の1_241773_1_3日本語訳であるが、これはブッシュの造語である。ブッシュが、我々につくのかテロ側につくの かと、単純図式を世界に示した後、頻繁に使われるようになった言葉である。

オバマ大統領は、就任演説でも施政方針演説でも、「テロとの戦い」という言葉を使わなかった。ところが、日本のメディアはほとんどの紙面が、オバマは「テロとの戦い」を、アフガンに移したなどと報道している。

オバマがどこまで配慮しているのかは不明であるが、このことについては明らかにブッシュと一線を引いている。日本の報道は短絡的すぎないか。オバマは、テロとに対する作戦と表現している。彼 にしてみると、ギリギリの表現だろうと思われる。

ブッシュは、テロとの戦いであるとしながら、これは戦争であるとも表現した。テロリストなら、捕捉者は犯罪者であり、自国の法律などで裁くことも可能である。戦争なら、捕捉者は兵士でありジュネーブ協定など、国際法を無視した扱い許されない。ガンタナモなどに放り込むこともできない。

戦争なら、財政出動は容易である。事実ブッシュは、1兆ドルを超えると言われる財政出動をXinsrc_572080424051137512631やっている。戦いはテロで捕捉者を国内法で裁きながららも、国家は戦争体制で取り組んでいる。都合のよい方を選択してブッシュは、使い分けていた。

オバマが、ガンタナモの捕虜を移した意味はこの辺にある。要するに、ブッシュは9.11を口実に、無原則的な戦争をイラクとアフガニスタンに展開したのである。

外国から武器をもって攻め入ってきた軍隊に対して、民衆が武器を持つのは当然の行為であろう。かつては、民族闘争あるいは独立戦争、時には民族解放闘争とも呼ばれ、パルチザン闘争とも呼ばれたりした。それらを一括してブッシュは「テロ」とラベルを張ったのである。

勿論、フセインやタリバンのような不条理な体制は、非人道的であり容認できるものではない。然しながら内実を検討・分析することなく、アメリカに刃向うものすべてを、「テロ」と呼んだことを見直すべき時期に来ていることを、オバマは認識している。それを日本のメディアは報道しない。

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