そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ小さいからできるのさ

2009-03-06 | 地方自治

早々と定額給付金が給付された自治体が二つある。一つは北海道の西興部村、もう一つは青森県の西目屋村である。どちらも人口が千人少々の村である。世帯数は500戸程度である。行政が隅々まで目が届く範囲の大きさである。

小泉改革は、三位一体と言うキリスト教用語を用いて、地方にできることは地方に任せる、財政もかませると宣言した。しかし骨太方針とやらで、年々10%程度の地方交付税の削減を行っている。これは地方文献などではなく、国の財政再建の一環だったことを、多くの自治体は今になって気がついている。

もう一方では、自治体の統合を促している。当地方でも町村合併が取りざたされたが、せいぜい仕方ないからと思う程度で、誰もおらが村がなくなることを良しとはしない。竹中平蔵は平然と、合併しなければ地方はやってゆけなくなるなどと、無責任な発言を繰り返しているが、治める側の都合だけのことである。

地方が自ら産業を興し取り組む姿勢を切ったのは、国である。とにかく、全国企画の公共事業を地方にあてがい、あちこちを掘り起こしたり正体不明の建造物を出現させるのである。地方では土建屋が幅を利かす。公共事業が、健全な地方産業を育成するわけない。

そして大型合併をなしとげた自治体は、その中でも格差社会を作り出し、限界集落は崩壊を待つだけになってしまうのである。きめの細かい生き届いた、血の通った行政サービスがとん挫してしまう。財政の再建ばかりを優先させることになり、住民サービスは極端に低下する。

一方合併を拒否した、多くの場合小さな自治体には、「おらが村」意識が芽生え始める。地域の特性を生かす工夫や、新たな産業や特産物の開発に余念がない。行政サービスも同様である。お金だけで、あるいは収支だけで自治体を評価するべきではない。

昨日、北海道十勝の広尾町では、犯罪被害者支援のために動き出した。被害者に対して、10万~30万を支給するというのである。国がやることは知れている。全国各地の地方自治体は、派遣切りにあった人たちに、一時的にせよ職場や住居を与えたりもしている。国はないもできないが、小さな行政ならこうしたことは可能なのである

今回の、定額給付金についても、大きな自治体ほど動きは緩慢である。国の「合併しろ、大きくなって不要なものを切ってしまえ。そうすると国は支援します」そうした掛け声で、また地場産業の育つ芽が潰されるのである。

コメント (4)
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