そろそろオバマ大統領の、国民とのハネムーン期間が終わりそうである。これまでは、言葉の人だった。何を言ってみてもスローガンとして成り立ってはいたが、これからは結果を求められることになる。
ガンタナモ基地の囚人をオバマは人道上の理由から、米国内に移したり解放したりした。それらの中の数人が、アフガニスタンとパキスタンで、テロ行為の指導者として活動を開始したことが確認されたと、BBCが報じている。
政府の公的支援を受けている大手保険会社のAIGの社員に、特別賞与が支払われていたこと が発覚した。1億円を超える人が73人もいた。平均でも3000万円にもなるそうだ。税金を投入しながら、高額の賞与をもらうことにオバマは異論を唱えている。返却しろと言うのである。定額給付金で、貰うやつはさもしいのだと日本の総理が言ったが、何処かで符合する。
支払ったものを税金で取り戻すことができるのだろうか。そうした法案を検討中であるようだが、法律は法案成立以前にまで遡及して適用できないのが、一般常識である。オバマが気が付いたら、支払われていたというのが現実だろう。
日本円にして70兆円を超す景気刺激策は、功を奏していないようである。株価は最安値を更新している。景気対策をやらなければもっと下がっていたとはいえないのが経済である。公的資金が支えることによる期待感と、依頼心がより一層経済効果を希薄にさせるからである。
コソボ問題を封印してロシアと交渉する。人道問題を無視して中国と交渉する。人道問題はアメリカ民主党の重要な政策課題のはずである。イランとは核問題を棚上げにして交渉を持とうとしている。テロ国家を解除した北朝鮮からは、食糧支援を拒否されている。パキスタンに至っては、交渉相手が見つからない状況にある。
アフガニスタンでは、温厚なタリバンと交渉しようと試みた。カイザルに、温厚なタリバンなんていませんよと言われ引き下がったままである。パレスチナとイスラエルにそれぞれ交渉をもったが、イスラエルは選挙ですっかり極右国家になってしまっている。ブッシュが壊した世界に、交渉を武器に打って出るには、世界はあまりにも多極化してしまっている。オバマは大変である。