思いおこせば、たった40日前のことである。7月15日に衆議院に提出された不信任案は否決された。「麻生降ろし」の騒ぎが収まった瞬間である。その6日後に解散した。その後の選挙戦で、このこをすっかり忘れていないか。
鳩山邦夫の総務大臣更迭。総裁選前倒し。古賀選挙対策委員長の辞任。その前のそのまんま東の総裁にしてくれ騒ぎ。与謝野馨と石波茂両大臣による退職勧告。大政奉還。政権離脱。加藤紘一、武部勤、山崎拓による反麻生グループの結成。中川秀直や小池百合子などの小泉チ ルドレンの改革推進派の反乱。
挙句の果てに、山本拓による両院議員総会署名運動。これは320名を超えた。しかしながら、どんな切り崩しをやったか解らないが、30名ほどが離脱して議員総会は、懇談会になってしまった。その懇談会は、あれほど騒いだ中川秀直が早々と白旗を挙げて、いつの間にか「一致団結」になってしまった。解散総選挙を突き付けられて、しり込みしたのだろう。
結局、選挙戦になったら自民党は「麻生降ろし」などなかったとばかりに平穏になってしまった。仮に、自民党が政権を取った場合に、反麻生グループを標榜したり、麻生降ろしに動いた連中は、再び麻生を担ぎ出すのだろうか。
自民党の大敗が予想されているが、こうした事態を招いたのは、明らかに自民党内のゴタゴタを浄化する能力がなくなったことを意味している。勝手に政権を放り投げて、国政に空白を設ける自民党の総裁選を3度も行っている。こうした無責任さを見て、自民党支持者が離脱したのである。選挙では自民党支持者の離脱は、他党に行くことで2倍になって帰ってくる。
物忘れをすぐしてしまうこの国の住民は、自民党の国民を蔑にした5年をもう一度思い起こしてもらいたい。