そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ワクチンを輸入してはならない

2009-08-26 | 政治と金

ここに来て、新型インフルエンザの広がりが大きくなっている。これに対して、厚生労働省はワクチンの広範な接種の検討に入ったと、桝添大臣が記者会見した。妊婦、基礎疾患のある人、幼児、医療従事者、7~18歳の学生、高齢者を優先するとのことである。

これらの優先者の合計は、5300万人になるというのである。人口の半分に近い数字である。ところが、日本での生産は1300万~1700万人とされている。全然足らない。足らない分を、海外に求めると言うのである。輸入に頼ると桝添大臣は言った。二つの大きな問題がある。

潔癖症の日本人の要求を満たすほど、海外のワクチン製造のハードルは高くはない。大臣はとりあえず、臨床実験をややず特例承認してでも輸入するといのである。これは薬事法から言っても相当おかしなことである。ワクチンはそもそも危険であればある程、効果が高い。矛盾するようであるが、これがワクチンの本質である。特例で輸入したワクチンで副作用が出ると、責任問題などでまた大騒ぎになるだろう。

それよりも大きな2点目の問題は、ただでさえ不足気味のワクチンを貧国の弱者から奪うことになる。今日本など先進国が、同じようにして食料を奪っているが、ワクチンも同じようにすることは倫理的に許されるものではない。価格を吊り上げことにもなる。こんな問題を抱えることになるかもしれないが、国内生産を考えるべきである。

それにあたり、なぜ新型インフルエンザ(欧米では豚インンフルと呼んでいる)ばかりを優先するのか解らない。季節型インフルエンザは、間違いなく発生するし、死亡率も新型よりも20倍ほども高いのである。確かに、新型が質的変異を起こすと危険になることは予測される。しかしながら、日本のマスコミ報道が偏重で扇情的であるように見える。

秋から冬に向かい、夏休みも終わり北海道など夏休みの終わった地域では、新型のまん延が始まっているようにも見える。日本の報道としての騒ぎの方が、パンデミックに見える。

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