そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

結党の理念を失っている公明党

2009-08-09 | 政治と金

公明党が結党したのは1964年である。当時は自民党と社会党の、冷戦構造を背景にイデオロギーのぶつかり合う時代であった。創価学会という宗教勢力を背景に、中道政党としてあるいは福祉の政党、何事も公明正大に開かれた政党として公明党が登場したのである。

宗教勢力という確固たる基盤を持つ公明党は、衰退することはなかったが、多数にはなる素地を当初から持ち合わせていなかった。政権与党になることはないと、創価学会の人たちも思っていた。批判勢力としての理念を失わないものと信じていた。

自民党にすり寄って連立を組むようになって、約10年が経過した。与党に組み込まれた公明党は、結党の理念をいまだ失っていないかと検証すると、どうしてもノーと言わざるを得ない。自民党が政権基盤を危うくするたびに、公明党が創価学会票を貢いで与党内の発言を大きくしてきた。そのいい例が、今回の都議選の内容である。自民にとって歴史的な惨敗の中でも、公明党は議席を僅か1議席であるが増やしたのである。

日本全国の選挙区での、創価学会の票のおすそ分けによって、自民党が公明党の顔色をうかがうようになり、腑抜けになってきた。公明党はその度に、結党の理念を削ぎ落して今日に至っている。

創価学会の多くの信者は、反戦平和思想の持ち主である。自衛隊すら反対する人たちも少なくない。学会の声を抑え込みながら、与党公明党は自衛隊の海外派兵にひたすら協力してきた。政権内に止まる、甘味を享受しているのである。

歴代総理が靖国神社参拝をする度に、政教分離の原則を主張していたにも拘わらず、小泉の参拝から急に言葉を濁すようになってきた。反戦平和の思想すら投げ捨て、政権にしがみついているのが現状である。

先ごろ予算委員会で、前冬柴国交相大臣が民主党から創価学会の池田名誉会長への献金について問い詰められ、言葉を失っていた。国会議員は、当選すると党に寄付するシステムと合わせて、創価学会との不透明な関係とお金の流れが指摘されている。

今回の総選挙の日程も、政策とは全く関係なく選挙で票を集めることができる、公明党の意向を受けたものである。創価学会票は、公明党を浄化する機能を持ち合わせることなく、ほとんど自動的に支持する。党首すら公選することにない公明党は、下野し自民党と離れることで形を変える可能性があるが、政界再編などに加わるとその機会すら失うことなるだろう。

コメント (4)
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