そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

乳がんと牛乳という本を読んで

2009-08-27 | 政治と金

41unyp79l__sl500_aa240_ 先日友人が、乳牛専門の獣医師である私に「乳がんと牛乳」径書房刊2400円、を読んでみたらと貸してくれた。著者はジェイン・プラントというイギリスの女性である。彼女は地質学者である。彼女が乳がんにかかった。外科処置などをして、4回の再発を経て、その原因がどうも牛乳であると結論付けている。

この本に書かれている、牛乳に関する部分のかなり専門的な部分はち密であり詳細な分析を行っている。多少の誤認はあるが、とても恐ろしい内容である。

簡単に説明すると、牛乳の中には多くのホルモンが含まれている。それらのホルモンあるいはホルモン用物質が、乳がんと前立腺がんの原因になっているというのである。ホルモンはタンパク質である以上、腸管で分解されてアミノ酸として吸収されると、医学的には説明されるが、彼女はホモゲナイズされた牛乳は、そのままとりこめられると説明する。この辺りに少し疑問が残Photo る。

近代酪農の主役は、改良された乳牛である。今の乳牛たちは、恐ろしいほどの牛乳を分泌する。インシュリン濃度や妊娠や泌乳にかかわったり成長に係わる、各種ホルモンあるいはホルモン様物質がの値が恒常的に高い。妊娠していPhoto_2る時間が圧倒的に長いことも、何か関係あるかもしれない。

Photo_3 具体的な実験結果ではないが、左上の表をクリックして見ていただだきたい。各国の明らかに乳製品消費量と、乳がんに相関がる。更に、 アメリカと日本の乳がんの発生率は大きく異なるが、日本も追いつきつつある。さらに脂肪率ではかなり高くなってきている。

ごく最近になって、マーモグラフィー検診をしましょうとキャンペーで、日本人の20人に1人は乳がんになると宣伝している。そんなに急に乳がんがなぜ増えたのであろうか。消費量はそれPhoto_4 ほど大きく伸びているわけではない。(左図参照)

乳製品の伸びばかりではなく、大型化する酪農家が多くなってきている。出荷牛乳に限ると、大型農家の牛乳の比率が圧倒的に高くなっている。穀物多給の牛乳から搾られた牛乳が、急速に多く市場に出回っている。不自然な飼養管理と、泌乳を強制する大型酪農の存在はこうしたことは関係ないのだろうか。そうした疑問を抱かす本である。

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