8月30日の衆議院総選挙の、各紙の予想が出そろったようである。各紙とも程度の差こそあれ、民主党の圧勝を予測している。その幅にはかなりのぶれがある。最大民主党は350議席を獲得しそうである。最低でも280程度になるようで、単独過半数を獲得するようである。
これに比べて、自民党の惨敗は相当なものである。最大でも180程度、最悪は80程度のようである。現在の民主党以下になると予想される。これくらいにならないと、日本は変わらないなら良しとしてもかまわない。
問題は他の党である。共産党と社民党は、民主党に埋没しそうである。とりわけ、共産党は候補者を立てない選挙区をかなり設けた。その結果、小選挙区では共産党票は、民主党を補完することになっている。これでは比例区の票の伸びがも一つということになっても仕方ない。政党助成金を受け取らない政党としての、独自性と存在感が薄らぐことになりかねない。
公明党も社民党も、現状を維持できないようである。これでは政界再編が起きない。民主党は、国民新党や社民党と共闘を掲げているのは、参議院では2党の協力がなければ過半数に満たないからである。民主党が馬鹿勝ちをするようだと、来年の参議院選挙まではむにゃむにゃ言っても、その後は民主党は単独政権を志向することになる。
民主党が280程度の勝利だと、自民党に近い連中や社民党に近い連中などが、もぞもぞ動き政界再編が起きると予測していたが、これでは何もないことになる。みんなの党や国民新党など元自民党の存在も意味がなくなってしまう。社民党も含め、キャスティングボードを持つ政党がないことになる。
前回の郵政民営化選挙でも、自民党と民主党の得票差は51対49であった。小選挙区制は大政党に惨敗と圧倒的勝利を僅かな差で生み出すことになる。その中に小政党は飲み込まれてしまうのである。国民の支持に比例した議席を政党に与えることが、民主主義の根幹と思うが小選挙区制ではそれもままならない。
首相が政権を投げ出す、無責任政党の自民党の惨敗は見てみたいものであるが、その後のことを考えると民主党の圧勝予測には複雑な心境になる。それでも、戦後政治の大転換になることには違いない。