麻生太郎が本音を隠している。広島の原爆の日に、原稿の読み間違いをしながら麻生が挨拶をした。麻生は核武装論者である。日本は核武装が必要であると発言をしている。この男が平和祈念式の挨拶に、こともあろうか非核三原則の堅持を盛り込んでいた。選挙が近いせいであろうが、良いことかもしれない。
非核三原則は風前の灯である。民主党の鳩山由紀夫は見直す時期だと言っているし、核が持ち込まれていた事実を、複数の外務次官が認めている。核武装論者の麻生が、こともあろう広島で非核三原則を堅持すると公言した。良いことかもしれないが、明らかに選挙目当てのパフォーマンスである。
もう一つ、長年争ってきた原爆被爆者の救済認定書に署名した。良いことかもしれないが、明らかに選挙目当ての行動としか思えない。長年アメリカの根拠のない被爆基準に準拠してきたの に、選挙直前の広島での調印である。選挙目当ての何物でもない。良いことかもしれない。
麻生太郎は、日本最大の右翼団体「日本会議」の、主要メンバーである。国会議員懇談会会長を拝命している。その、日本会議がこともあろうに「広島原爆の日」に、田母神の講演を開催している。平和公園の見える会場で、田母神は核兵器の所有をぶち上げると発言している。被爆者の神経を逆なでする行為である。秋葉市長が日程の変更を申し出たが、無視した。
秋葉市長の世界への呼び掛けは格調高いものがあった。オバマ大統領が、核兵器のない世界を目指すと宣言するまさにその時に行われる選挙に、核兵器廃絶を盛り込めない自民党と民主党である。
日本は唯一の被爆国であり、平和憲法を堅持し非核三原則、武器輸出三原則を実践している国家である。核兵器のない世界を目指すために、これほど十分な資格を持った国が他にあるだろうか?
自民党と民主党の一部は、アメリカの核の下にいることを容認する同盟関係に固執する。そして、非核三原則を実質空洞化し、武器輸出三原則をも見直すと言い始めている。世界の動きに逆行する日本である。日本は、平和国家としての役割を今こそ果たすべき時ではないのだろうか。