北海道のJRは、広く人口密度も少なく、旧国鉄が民間企業になった時点で、最も不利で経営が不安視されていたところである。そのため、JR北海道はこれまで、多くの負担を従業員にかけてきていた。
最近発覚した、安全運行を蔑ろにするような問題は、ひとえに民営化によるものが大きいと思っていた。同情的な発言もしていた。
ところが、今年度のJR北海道の今年度の収益は過去最高になることが判った。先ごろ発表された中間決算によれば、グループ30社の売上高は882億5700万円である。JR単独では418億2000万円である。鉄道以外の収入が倍以上ある。
上の表は北海道新聞の記事である。経常利益が、138億円もある。分割民営化で国から頂いた経営安定基金(6822億円)の運用で利益を出しているのである。背景には円安と株高がある。
会社自らは、アベノミックスによる恩恵を被りながら、減便・減速をすることによって、利用者に負担をさせておきながら、過去最高に収益を上げているのである。安全運行のための人材カットや、点検と対応の放棄をしていながら、最高収益を上げる。最近発覚した不祥事は数えることができない。昨日は、レール幅のデーターが改ざんが発覚した。
こうなると、企業とはいったい何のために存在するのか判らなくなる。これだけ運用益が上がれば、本業が疎かになるのは当然である。
これまで、安全運行のための検査や対策を、経営上の負担が大きすぎるとばかりに、疎かにしてきたのである。今度はどういう言い訳をするというのであろうか。JR北海道の企業理念を厳しく問いたい。
更には、アベノミックスとは金貸し業者、企業を儲けさせることであって、庶民には犠牲になっていただくとする経済政策であることがわかる。