安倍首相は、自らの政権一周年記念のためだあろうか、特定秘密保護法案をロクな審議もせずに、半与党の政党の助けを借りて衆議院を通過させた。
福島では公聴会を開いている中での衆議院通過である。公聴会は何の意味も持っていないことが、この法案の恐ろしさの概要を語っている。国民から広く、パブリックコメントを公募しても、全く意に介さない。国民を厳しく監視する一方で、国民の声など聞かないということである。
特定秘密になると思われ案件は、各省庁で現在のところ42万件あるとのことである。それぞれの長がその秘密の判断をすることになり、決定する。その基準はもちろんのこと、内容も示される必要はない。更に公開されることもないのである。
官僚主導となることは明白である。怖ろしいのは秘密の基準が、極めて曖昧で恣意的に官僚判断で扱われることになる。外部判断の入る余地もなく、ほぼ永久に公開されないのなら、官僚も大臣もありがたいことである。なんでも思い切って、特定の秘密にすることができる。
外交、防衛、スパイ、テロ、が対象になっているということではあるが、各項目には必ず、”その他”という項目があり、何が特定秘密になるかが秘密であるとする、言葉遊びの中に本質が隠されているl。
ブッシュ大統領が、『テロ』と声高に叫んでいたが、アメリカが国家としてやっていることが、テロ行為と思われるものが数多くある。ビン・ラディンを他国に秘密裏に侵入して殺害したが、そうした行為でも自らをテロとは呼ばない。テロの定義すら恣意的である。
消費増税が目前になる頃には、アベノミックスは消費の鈍化が引き金になって破たんするであろう。それを見込んでの、安倍首相の駆け込みではないだろうか。