そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

やはり腑に落ちない

2009-03-11 | 政治と金

小沢一郎の秘書をやっていた、石川知裕衆議院議員が事情聴取を受けたようである。この種の事情聴取は事後の発表があっても、事前になされるのは異例である。しかも、現職の国会議員である。

今年北海道11区は大騒ぎである。中川一郎が築いた中川王国である。それを、息子のアル中になった中川昭一が継いでいる。誰が挑んでも、中川昭一はダブルスコアーで勝っている。ところが、今年は事情が違う。酔っ払い会見でお詫び行脚の中川に代わって、善戦率で比例区55から当選した若い石川知裕が元気なのである。

石川知裕は僅か3年の間、小沢の秘書をやったにすぎない。どう見ても20年秘書を務めた、高 橋嘉信にはかなわない。格が違うし地元の利もある。本来どう見ても、高橋嘉信が事情聴取を受けるべき人物である。時効が成立していようがいまいが、事情聴取には問題がないはずである。

このような情報をリークするのは検察である。最も効果の大きな方法と時期を選んでリークする。石川議員の事情聴取はどう見ても腑に落ちない。3年もするとその裏が暴かれることにはなるだろうが、中川昭一が一番喜んでいる。

検察は正義の旗を振るのであるならば、贈収賄の実態にメスを入れるべきであって、このような事務手続きの不適切を、まるで鬼の首をとったように騒ぐものではない。もっとやるべきことがあるはずである。

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時効は誰のためだったか

2009-03-10 | 政治と金

小沢一郎の第一秘書が逮捕されたタイミングは、時効になる案件があったからだったと報道されている。しかしこの逮捕劇はどこから見ても、合点がかないことが多すぎる。

小沢一郎の秘書だった高橋嘉信と言う男がいる。彼は「趣味は小沢一郎」と言って、はばからなかった人物である。「票田トラクター」という、マンガの主人公のモデルだったことも知られている。しかし、何と言ってもこの男が小沢一郎と袂を別って、自民党から小沢一朗の岩手4区に立候補したことで、とつに有名になった。

この高橋嘉信は、1980年から20年間小沢の秘書をやっていたが、その時に作った献金ルートがある。大久保被告は、彼の作ったレールのままの集金をしていた。高橋嘉信時代の献金については、すっかり時効が成立している。いまさら騒がれても、高橋嘉信は痛くもかゆくもない。むしろ、小沢の票が減ることは彼にとっては最大のメリットとなる。

高橋嘉信は、仮に落選しても自民党にこれだけ貢献したのであるから、比例で当選と言うことは請け合いである。大久保の時効ではなく、高橋嘉信の時効が090307成立しための今回の動きと言える。次回民主党の公認を得るために奔走していた大久保被告は、いい面当てである。

小沢は断トツに多いが、自民党の方が多くの献金を受けている。自民党は敵失ではあるが、大声で非難もできない。国会は、政治と金については封印したままである。唯一共産党の小池氏が追及している。

小池氏の追求内容をお借りしたい。今回問題になった献金期間に、西松建設は公共事業を937億円受けている。この間に献金した人物と団体は13ほどで、献金の合計は4億7800万円にもなっている。(クリックすると大きくなります)

つまり、発注された公共事業が税金である以上、5億円近い金は税金から政治家に、迂回して還元されたものとみるべきである。公共工事の5%が政治家に回る構図である。こうした因果関係こそ問われるべきで、審議されるべきものである。献金が迂回したから良いというようなものではない。

小沢秘書逮捕はきな臭いものが強烈であるが、政治と金の関係が封印された国会の現状こそ異常なのである。こうした民主主義が崩壊する姿を見て久しい。いつまで続くのか。

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ほんとにそれはエコか?

2009-03-09 | 政治と金

テロと言う正体不明の言葉同様に、エコと言う言葉が無条件で市民権を得ているように見える。「エコ」と言えば、それだけで免罪符が与えられているようである。

その典型が、レジ袋である。我が家にはエコバックがいくつもある。一年前までには見当たらなかったしなものである。買ったものは一つもない。何かのプレゼントだったり、家内がポイントを集めたりしてもらったりしたものばかりである。

レジ袋作成にかかわるCO2排出なんて、たかが知れている。確かにレジ袋は、ゴミにもなるし無駄だとは思う。しかし、エコバックが10個も生産するなら、幾つのレジ袋になるか知らない55 が、相当な数になるはずである。それよりレジ袋はゴミ捨てなど、に結構重宝して使っている。すっかりなくなると、それもまた厄介でないか。

商売人もこの「エコ」にすっかり便乗している。電球をエコに買い換えよう。電気冷蔵庫やテレビなどの電化製品も、エコにすると10年でこれだけCO2排泄が減るというのである。なにせエコは正義の免罪符を頂いている。言いたい放題である。

燃費が良くてエコな車に買い換えるよりも、買い替えない方がよっぽでエコである。車生産や冷蔵庫生産にかかわる、エネルギー消費量は換算されていない。維持にかかるエネルギーの多さばかりが宣伝される。

住宅などは相当いい加減である。ログハウスを地元の木材で立てた場合と、北欧から輸入した木材だけで建てた場合とでは、ウッドマイレージは約1000倍も異なる。CO2の排出量もこれに比例する。エコ住宅を建てるより、古くなった住宅をせいぜい手直しする方がよっぽど、エコなのである。

勿体(TONNAINAI)ないと思えばいいのである。耐用年数を全うすることが何よりである。宣伝にごまかされるでない。

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あっぱれ浪速のおばちゃん

2009-03-08 | 政治と金

71歳の浪速のおばちゃん(おばあちゃん?)が、ひったくり犯を捕まえた。7日の朝8時ころ、大阪生野区の路上で、71歳のおばちゃんが、自転車でパートの出かける途中でひったくりにあって、カバンをとられてしまった。

なんとこの、71歳のおばちゃんは「とられたのが悔しくて、絶対取り返したる」と、350メートルも追いかけて犯人を捕まえて警察にさし出した。この浪速のおばちゃんがすごいのは、追Photoいかける途中、パート先に寄って社長に手伝わせているところである。

犯人を捕まえるよりも、「悔しい」が先だったことが、浪速のおばちゃんらしい。捕まえてみると、犯人は32歳の無職で住所不定の男だった。懐には、わずか2円しかなかったそうである。

因みに、とられたおばちゃんのカバンには110円しか入っていなかったそうである。自転車のチェーンが外れてもたついた犯人は、おなかが減って動けなかったようである。

金と仕事のない情けない若者(32歳であるが)と、元気なおばちゃんのなんとも、世相を反映した話である。

なんとも、浪速のおばちゃんの執念はすごい。大阪に行く時には気をつけよう!

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ICCの逮捕状に疑問

2009-03-07 | 政治と金

国際刑事裁判所(ICC)が3月4日、スーダンのバシール大統領に逮捕状を出した。戦争や人道支援などにかかわる10の罪名を上げている。国連もこれを支持した。法的な拘束力はないが、政治的な意味合いは、計り知れなく大きい。

Photo 当然のことながら、バシールはこれに大きく反発している。欧米による、旧植民地主義の台頭だと、国民を煽っている。おまけに、国連やNGOなどの支援団体を、制裁処置として国外追放した。

これにより、和平交渉の進行しつつある、250万人とされるダルフールの難民の支援がとん挫してしまうことになる。国連の現地活動が40%制限されると報告されている。

何故ICCは前例のない現職大統領の逮捕状を出したのか。ダルフール紛争に与える影響や、難民支援の支障など考慮しなかったのであろうか。

独裁者バシールの強気の背景には、石油を買ってもらっている中国の支援がある。アフリカ最大のスーダンの面積は、EUに匹敵する。アフリカ最大のダムが、資金と技術を中国に支えられながら、先頃完成したばかりである。スーダンの経済発展を推し進めた評価も低くない。さらにロシアとの関係も強化しつつある。

バシールはこうした後ろ盾をもっているからこそ、強気なのである。彼は民族浄化主義者であるが、そのために国内には熱狂的支持者も多いのである。ICCも国連も、その辺りの考慮が足りなかったのではないか。

今回のICCの決定は、和平に向かいつつあるダルフール紛争を、より一層困難なものにするものと思われる。ICCは正義を貫かなければ、紛争解決にはならないとしている。が、白人による人道支援には宗教的にも歴史的にも民族的にも、色づけされたものであると、アフリカの人たちは感じていることも事実である。

逮捕拘束する警察力もなければ、収監する施設もないICCの逮捕状は、最悪のタイミングで行われた。バシールの支持基盤を逆に、強固にした感さえある。短期的な正義感を振りまわすことで、和平を崩すことに異議を唱えたい。

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そりゃ小さいからできるのさ

2009-03-06 | 地方自治

早々と定額給付金が給付された自治体が二つある。一つは北海道の西興部村、もう一つは青森県の西目屋村である。どちらも人口が千人少々の村である。世帯数は500戸程度である。行政が隅々まで目が届く範囲の大きさである。

小泉改革は、三位一体と言うキリスト教用語を用いて、地方にできることは地方に任せる、財政もかませると宣言した。しかし骨太方針とやらで、年々10%程度の地方交付税の削減を行っている。これは地方文献などではなく、国の財政再建の一環だったことを、多くの自治体は今になって気がついている。

もう一方では、自治体の統合を促している。当地方でも町村合併が取りざたされたが、せいぜい仕方ないからと思う程度で、誰もおらが村がなくなることを良しとはしない。竹中平蔵は平然と、合併しなければ地方はやってゆけなくなるなどと、無責任な発言を繰り返しているが、治める側の都合だけのことである。

地方が自ら産業を興し取り組む姿勢を切ったのは、国である。とにかく、全国企画の公共事業を地方にあてがい、あちこちを掘り起こしたり正体不明の建造物を出現させるのである。地方では土建屋が幅を利かす。公共事業が、健全な地方産業を育成するわけない。

そして大型合併をなしとげた自治体は、その中でも格差社会を作り出し、限界集落は崩壊を待つだけになってしまうのである。きめの細かい生き届いた、血の通った行政サービスがとん挫してしまう。財政の再建ばかりを優先させることになり、住民サービスは極端に低下する。

一方合併を拒否した、多くの場合小さな自治体には、「おらが村」意識が芽生え始める。地域の特性を生かす工夫や、新たな産業や特産物の開発に余念がない。行政サービスも同様である。お金だけで、あるいは収支だけで自治体を評価するべきではない。

昨日、北海道十勝の広尾町では、犯罪被害者支援のために動き出した。被害者に対して、10万~30万を支給するというのである。国がやることは知れている。全国各地の地方自治体は、派遣切りにあった人たちに、一時的にせよ職場や住居を与えたりもしている。国はないもできないが、小さな行政ならこうしたことは可能なのである

今回の、定額給付金についても、大きな自治体ほど動きは緩慢である。国の「合併しろ、大きくなって不要なものを切ってしまえ。そうすると国は支援します」そうした掛け声で、また地場産業の育つ芽が潰されるのである。

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献金は何のために

2009-03-05 | 政治と金

今回の小沢一郎の公設第一秘書の逮捕については、きな臭いものを感じている。昨日彼を支持すると書いたが、小沢一郎を支持するのではなく彼の抵抗姿勢を支持するという意味である。

献金とそれに伴う、受け取る側と差し出す側の思惑は何であるかは、明確である。仕事が欲しい側と、活動資金と票が欲しい側の、思惑とそのやり取りの結果が献金である。こうした献金を、ゼネンコンをはじめとする大小の土建屋が、090304なぜ政治家に献金するかを真剣に考えるべきである。

民主党は、道路財源の一般財源化を自民党がやれるわけがないと言っている。それは道路族などが、後ろに土建屋を抱えているからである。その民主党の党首とその地方団体が、準ゼネコンからこの10年で、1億円を超える金額の政治献金を受け取っている。

民主党が、官僚のことばかりを言うのであるが、小沢一朗が古い自民党の体質、即ち田中角栄時代から引きずっていることは、否めない事実でもある。彼が党首で、民主党は道路財源の一般財源化を成し遂げられるであろうか。

政党助成金をたんまりもらっていることを考えると、個人献金に限定して受け取る制度改正には、それには意味がある。

高速道路の無料化による経済効果が高く、税収などを計算すると国はその方が潤うという試算を民主党が明らかにしている。国土交通省はこれを公開しなかった。自民党は、道路の経済効果や地方の活性化などに興味があるのではない。土建屋が潤う、建設そのものに興味があるのである。

図らずも、今回の第一秘書の逮捕で、小沢の体質がより一層旧自民党的であることが判明した。何よりも、西松建設が最も効果のある政治家と認定しているからである。

国策捜査の不法性と、小沢一郎の政治体制とは分けて考えるべきである。

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小沢を支持する

2009-03-04 | 政治と金

私は小沢一郎が好きではない。傲慢で手法や主張がが一方的である。なにかあると、他人が悪かったり政党が良くないと、すぐにけつをまくり政党の再編を繰り返す。そんな小沢一郎であ090304 るが、今回は彼を支持したい。

小沢一郎の公設第一秘書が逮捕された。準ゼネコンの西松建設の献金を巡る、不正疑惑であるが、どうも内容がもうひとつつ釈然としない。叩けばいくらでも埃の出る男である。こんな程度で挙げられるのかと、本人も驚いているのでないかと思われる。

社員に個人献金させ、それを西松建設からの補てんであるが、この認識は受け取る側になければ、これは無罪になる。多くの国会議員がこうした、いわば迂回献金を受け取っているものと思われる。しかも、絶妙のタイミングでの逮捕である。どう考えても、国策逮捕としか思えないのである。

鈴木宗雄や佐藤優や辻本清美の逮捕の時のような匂いがしてならない。何かが時効を迎えるとの分析もあるが、国会の最も重要な予算通過の時期である。第一秘書の逮捕はこれ以上ないタイミングである。

それに、自民党の面々のいつものような痛切な批判がない。これらのことを考えると、有罪になるかどうかは、まったく関係ない。数年経って無罪を勝ち取っても、小沢にも民主党にも意味がない。今であることが問題なのである。

小沢は、何らやましいことがないとこれを否定し、代表は降りることがないようである。こんなことがあると、今まではそそくさと降りていたものである。今回は、選挙も近いということもあってか、あるいは勝利選挙の旗振りを見込んでか、全面否定と言うことになった。

今後の展開は予断を許さないが、これまでのこの種の逮捕劇が為政者にとって都合よく展開してきたことを見ると、今回は小沢を支持したいと思っている。民主党が一層団結するか、ひび割れ状態になるかを注目したい。

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今日はひな祭り

2009-03-03 | 政治と金

今日はひな祭りである。ある高齢の酪農家の方へ伺った。牛舎の窓の所にPhoto_2、余り冴えない一対のおひな様のケーキが、パッケージに包まれて置いてあった。

父さんに「これ何!」と、笑いながら聞いてみた。父さんは、「牛は女の子だから。今日はおひな様で祝ってやろうと思って」と、しわくちゃな顔を笑顔にして答えてくれた。奥で母さんが「私には何 もないけどね」と、皮肉った声を返してくれた。

畜産の世界では、圧倒的にメスが優勢である。採卵鶏は玉子を産まなければならないから、当然メスである。肉牛も肉豚も、メスは繁殖のために授精されてたくさんの子供を産むことになる。たまたま、オスだったら適当な特に去勢される。とにかく畜産の世界はメスばかりであると言ってよい。

0506033乳牛は子供を産まなければ乳が出ない。分娩しなければ泌乳しないから、分娩するとまた授精されることになる。乳牛は分娩して1年半もすると泌乳量が少なくなってしまう。食べる餌の方が、泌乳する乳代より高くなってしまう。そのために、来年に向けて3ヶ月もすると授精することになる。牛の妊娠期間は9ヶ月と少しである。

牛舎にいる乳牛のおおよそ4分の3がいつも妊娠している。乳牛のメスとしての生理を発揮して、泌乳するのも妊娠するのも結構重労働である。乳牛たちは、完全食品に近い牛乳を生産するために、身を削っているのである。そう考えると、オスの方がまだましいかもしれない。

農家も経済効率と追求することが求められる世の中になってきた。そうした風潮の中で、乳牛たちはさらに過酷な、泌乳と妊娠いう重労働を強いられているのである。おひな様を添えて牛をいたわる心が、酪農家たちから急速に失せている。

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テロとは何か

2009-03-02 | 政治と金

オバマ大統領は「テロとの戦い」という言葉を封印している。テロとの戦いとは”War on terror”の1_241773_1_3日本語訳であるが、これはブッシュの造語である。ブッシュが、我々につくのかテロ側につくの かと、単純図式を世界に示した後、頻繁に使われるようになった言葉である。

オバマ大統領は、就任演説でも施政方針演説でも、「テロとの戦い」という言葉を使わなかった。ところが、日本のメディアはほとんどの紙面が、オバマは「テロとの戦い」を、アフガンに移したなどと報道している。

オバマがどこまで配慮しているのかは不明であるが、このことについては明らかにブッシュと一線を引いている。日本の報道は短絡的すぎないか。オバマは、テロとに対する作戦と表現している。彼 にしてみると、ギリギリの表現だろうと思われる。

ブッシュは、テロとの戦いであるとしながら、これは戦争であるとも表現した。テロリストなら、捕捉者は犯罪者であり、自国の法律などで裁くことも可能である。戦争なら、捕捉者は兵士でありジュネーブ協定など、国際法を無視した扱い許されない。ガンタナモなどに放り込むこともできない。

戦争なら、財政出動は容易である。事実ブッシュは、1兆ドルを超えると言われる財政出動をXinsrc_572080424051137512631やっている。戦いはテロで捕捉者を国内法で裁きながららも、国家は戦争体制で取り組んでいる。都合のよい方を選択してブッシュは、使い分けていた。

オバマが、ガンタナモの捕虜を移した意味はこの辺にある。要するに、ブッシュは9.11を口実に、無原則的な戦争をイラクとアフガニスタンに展開したのである。

外国から武器をもって攻め入ってきた軍隊に対して、民衆が武器を持つのは当然の行為であろう。かつては、民族闘争あるいは独立戦争、時には民族解放闘争とも呼ばれ、パルチザン闘争とも呼ばれたりした。それらを一括してブッシュは「テロ」とラベルを張ったのである。

勿論、フセインやタリバンのような不条理な体制は、非人道的であり容認できるものではない。然しながら内実を検討・分析することなく、アメリカに刃向うものすべてを、「テロ」と呼んだことを見直すべき時期に来ていることを、オバマは認識している。それを日本のメディアは報道しない。

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時代を切る逸見庸

2009-03-01 | 政治と金

先月見損ねた番組を今日(3月1日)見ることができた。作家逸見庸のETV特集、「忍び寄る破Photo局のなかで」という番組である。逸見は脳梗塞の後、癌に侵され再発を繰り返して、闘病のさなかにある。

このところ、北海道新聞の投稿などを見ていると、毒の失せた文章になっているのが気になっていた。彼の肉体を蝕む癌細胞は、思想さえも犯しているのかと思っていたが、至って健全だった。彼の吐く言葉は輝きを失っていなかった。

秋葉原の通り魔犯人を”K”と呼び、彼を司法上の犯罪者ではなく、原罪を犯した人物として、我々の側に捕らえるというのである。Kは我々の一部である。労働が部品として扱われ、不要になると廃棄される。

現代は狂気の時代である。今取り戻さなければならないのは、経済ではなく人的な諸価値こそ取り戻さなければならない。科学の言葉を借りて、現在を“パンデミック”と表現したい。明らかに現代は多層構造を示しており、狂気と正気が層をなす。年長が正しいところから始めてはならない。

「絶望することよりも、絶望になれることが怖い」と、カミユの“ペスト”から引用する。ペストの死者数を、毎日のように垂れ流すが人はその情報に麻痺し、日常化する。

飢餓と大食い競争が共存する、荒んだ現代社会。派遣村の炊き出しに協力する、ひと時の善をあた1かも社会にあるがごとく、期待し報道する。10年以上にわたり山谷で炊き出しをする人は、あれほどやさしい言葉を吐くことがない。真の善とはこうしたことでないか。

これから悪いことが起きるのではなく、今ある悪を隠蔽される現代。痛覚を失くしただけでなく、他者の痛覚を感じない。痛覚こそ優れて個人的なことなのである。巧みにコーティングされた社会は、外観を保っているだけである。

私たちは勝者の物語を追いかけ過ぎてきた感がする。今の社会は生体に合っていないのではないか。生体が拒否する社会は異常ではないか。

かいつまんだ文章になり申し訳ない。彼が今後も執筆活動を続けること、現代を警告し続ける旗手であって欲しいものである。

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羅臼港

春誓い羅臼港