詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

「立皇嗣の礼」か

2018-10-10 20:40:20 | 自民党憲法改正草案を読む
「立皇嗣の礼」か
             自民党憲法改正草案を読む/番外237(情報の読み方)

 2018年10月10日の読売新聞夕刊(西部版・4版)1面。

立皇嗣の礼 20年4月/秋篠宮さま 継承1位示す/政府近く決定

 という見出し。
 やや、やっぱりか、と思った。
 「天皇の悲鳴」の中では省略したが(ブログには書いたが)、NHKが生前退位をスクープしたとき、秋篠と懇意のNHK記者がスクープしたものだという説が流れた。私は、官邸が秋篠と通じている記者に情報をスクープさせたのだと考えている。
 安倍の狙いは天皇を生前退位させたあと、いかに早く皇太子から秋篠に「皇位」を継承させ、さらにそのあとを悠仁に継承させることにある。理由をいろいろ「捏造」し、(たとえば、次期皇后は病弱である次期天皇が一人で活動することが多くなると思う。ふさいで活動するのが、これまでの「天皇家」の姿である、とかの理由をこじつけ)、そのため「悠仁天皇」を誕生させる。あるいは「摂政」に似た地位につかせて、安倍が天皇を支配する--それがもくろまれているのだと私は感じている。
 「立皇嗣の礼」などいうものをわざわざしなくても、天皇が生前退位させられ、皇太子が即位すれば、その段階で「天皇」の継承順位は秋篠が1位になることは誰もが知っている。いまの法律では、そう決まっている。それはいまの天皇が生前退位させられたら、皇太子(継承順位1位)が天皇になるのと同じくらいわかりきったことだ。
 なぜ、そんなことをするのか。しかも皇太子が即位し、1年近くたってから、そういうことをするのか。1年間の間に、安倍がいろいろ画策するということだ。まず「女性天皇」を誕生させない。世界には女性が王位を継承している国がイギリスを初めいくつかある。日本でも愛子が天皇になってもかまわないと考える人がいると思う。そういう考えを封じてしまう。男性だけに皇位を継承させる。そのためには「皇太子-秋篠-悠仁」という皇位の継承の流れを「確立」してしまっておく。「悠仁天皇」が誕生した「貢献者」として安倍の名前を歴史に刻む。安倍はNHKに天皇生前退位をスクープさせたときから、そういう「シナリオ」を書いているのだと思う。
 このシナリオ通りに進むと、安倍は「3選」(3期)で終わるのではなく、「4選」を強行し、生きている限り政権を支配する。独裁をほしいままにする。

 記事には、こう書いてある。

 天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に伴い、秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣になることを示す「立皇嗣の礼」が2020年4月に行われる見通しであることが10日、分かった。政府は、儀式の詳細を検討する「式典委員会(仮称)」(委員長・安倍首相)の初会合を近く開き、立皇嗣の礼の日程を正式決定する。

 天皇の生前退位問題をどうするか、のときは、「有識者会議」を設けた。委員長は安倍ではなかった。でも、今回は安倍が「委員長」になっている。「有識者会議」も「有識者」が独自に「結論」を出したとは私は思っていないが、今回はそれよりも安倍の「支配力」が大きいだろう。

 安倍は独裁を押し進めるためなら、何でもする。そのことをあからさまに証明するのが今回の報道だろう。
 もちろん違った「読み方」もできる。
 だが、私は、こう読む。
 安倍の「独裁」は天皇も支配下に置くことを念頭に構想されている。



















#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


*

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高橋睦郎『つい昨日のこと』(94)

2018-10-10 09:35:48 | 高橋睦郎「つい昨日のこと」
94 ギリシアとは

ギリシア人は存在したが ギリシアという国はなかった
ギリシア人が行き 住みつく先がギリシアだった
ある日 私の心の岬にギリシアの小舟が漂着
気がつくと 私という島はギリシアになっていた

 「行き 住みつく」は人間の行動だが、「精神/哲学」と読んでみるのもいいかもしれない。
 だから、詩は、こう転調する。

そのことを認めた日から私はギリシア人

 「国」は、どこかに消えてしまっている。そのうえで、こうつづける。

私はギリシアを呼吸した すなわち自由を
何処にも存在しない 真空のような自由を

 しかし、私はここでつまずいてしまう。
 「何処にも存在しない」ではなく、どこにでも存在してしまう。それがギリシアの哲学ではないだろうか。どんなことにも集中し、ギリシアに染め上げてしまう。ギリシアにしてしまう。存在できない場所など、ギリシア哲学にはない。
 存在できているかどうかはわからないが、私は私のことばが動いていったところまでが「私の存在」と思っている。公園を散歩していて、ねじ曲がった木を見る。その木についてことばを動かす。ことばが動けば、その木も私の「肉体」と私は感じる。
 あ、これでは詩の感想(批評)ではなく、私の勝手な思いか。
 でも、こういうことばが動くきっかけが高橋の詩ならば、これを感想と呼んでもいいと思っている。





つい昨日のこと 私のギリシア
クリエーター情報なし
思潮社




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少子化対策の遅れ(ぞっとするニュース)

2018-10-10 08:13:10 | 自民党憲法改正草案を読む
少子化対策の遅れ(ぞっとするニュース)
             自民党憲法改正草案を読む/番外237(情報の読み方)

 2018年10月10日の読売新聞朝刊(西部版・14版)1面。

経団連 就活ルール撤廃/政府主導で新指針協議/21年入社から

 読んで、ぞっとした。「政府主導で新指針協議」と書いているが、これは経団連の叛乱である。なぜ経団連が「就活ルール撤廃」するか。
 この部分が「真相」を語っている。

 経団連は企業による過剰な「青田買い」を防ぐために指針を定め、会員企業約1400社に順守するよう求めてきた。ただ、外資系やIT(情報技術)系を中心に経団連の指針と関係なく採用活動を進める企業は多い。

 いまのルールでは「外資系やIT系」に優秀な(?)学生を奪われてしまう。欲しい学生を雇えない。そのことに経団連の企業はあせっている。
 そして、これは実は「少子化」の悪影響が経団連に属している企業にまで及んでいることを示している。大企業が求める「新卒者」よりも学生の数の方がはるかに少ないのだ。求人倍率が高いのは少子化で労働力が不足しているからだ。企業が好調だからではない。このままでは企業が衰退する、と大企業が大慌てしているのだ。
 私は、ここまで「少子化」の影響が深刻だとは気がつかなかった。もう年金生活なので、大企業がどういう状況にあるか、関心がなかった。円安で輸出が伸び、好景気と言っているなんてばかげている、くらいしか思っていなかった。だから、ぞっとした。

 2018年10月08日の読売新聞朝刊(西部版・14版)は

専門学校35校 全員外国人/本社調べ 文科省 実態調査へ/就労目的の学生増加か

 という見出しで、記事を書いていた。
 しかし「就労目的の学生が増加」しているのではない。外国人を雇用するために(就労させるために)、企業があの手この手で外国人を日本に引き止めようとしているだ。
 安倍政権(アベノミクス)は外国人労働者を安い賃金で使い捨てしようとしている。期限を限って雇用するシステムを作ろうとしている。しかし「期限限定」では決定的に「低賃金の外国人労働者」が足りない。企業が求めるから、こういう「不法」がはびこる。「経済優先」の政策が生んだ矛盾だ。もう、その矛盾は爆発寸前どころか、爆発してしまっている。
 それが経団連にまで及んだのだ。
 「就活ルール」など守っていたら、優秀な人材を雇用できない。そうすると企業の存続に関わる。「少子化」は、ここまで来ているのだ。
 私の生まれ育った集落は少子高齢化が進み、20歳以下の若者はたった一人しかいない。これは地方の集落だけに起きる現象ではない。企業も、このままの状態では、若い労働者は入社して来なくなり、高齢者だけになってしまう。そういう企業が続出する。すでに中小企業ではそういうところもあるだろうが、大企業にもその波が押し寄せる。
 さすがに「金」が実際に動いているところは敏感である。金の力で、さっさと労働力を確保する方針に転換したのだ。
 これは、中小企業を直撃する。中小企業の労働力はますます足りなくなる。アベノミクスは大企業さえ守ることができない状態になっている。

 気をつけないといけないのは「政府主導で新指針協議」という部分である。
 学校教育が絡んでくる。安倍のことだから、もちろん学生(教育)を守る方向には動かない。学生をいかに経団連企業に就職させるか(その見返りに経団連企業から献金を受けるか)という方向で調整することになる。「教育費無料化」はきっと「経団連企業に就職する学生向け」が優先される。企業に従順な学生を育てる教育に金がつぎ込まれる。
 読売新聞は、野上官房副長官の「学生に配慮し議論」というコメントを掲載しているが、安倍が学生に配慮するはずがない。大企業に配慮し協議するだけだ。

 安倍は、「経済優先」という一方で、憲法を改正し、軍事に金をつぎ込もうとしている。これは「軍隊をつくって指揮官になる。北朝鮮、中国に侵略し、経済の活路を北朝鮮、中国に求める」ということを意味する。「中国や北朝鮮から労働者を日本に連れてくる(徴用する)」ということが最終的な目標だ。
 第二次大戦に突入したかつての政府と同じことをしようとしている。
 経団連はいまのところ政府に叛旗をひるがえし、「青田買い」に突っ走る方針のようだが、それでも労働力を確保できないとなれば、安倍の軍事拡張路線を支持するという方向に転換するだろう。なんといっても「金儲け」しか考えないのが経団連だ。
 見方によっては、経団連は安倍に、早く戦争をしろとけしかけているとも読める。

















#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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