詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy loco por espana(番外篇113)Jose Manuel Belmonte Cortes

2021-10-30 23:23:40 | estoy loco por espana

Jose Manuel Belmonte Cortes

NABUCCO

La característica de la obra de José es el superrealismo..

Es decir… "copia viva".

Sus muchas obras son de tamaño natural.

Creo que este trabajo también tiene una cara (cabeza), ojos, nariz y boca de tamaño natural.

Sin embargo, en esta obra, el turbante (?) es más abstracto que el superrealismo.

Y el turbante enfatiza la expresión realista del rostro.

Y el pináculo de ese énfasis son los ojos.

En su rostro azul-negro, sus ojos brillan con una sensación de transparencia, azul-profundo, puro-profundo.

Siento el poder de sus ojos.

No me podré olvidar este ojos nunca.

La abstracción del turbante le da a estes ojos una vida especial.

 

Jose Manuel Belmonte Cortesの作品の特徴は、どこまでも具体的であることだ。「生き写し」のリアルさがある。しかもたいていの作品は等身大(に見える)である。この作品も、たぶん顔(頭部)の大きさ、つまり目鼻や口も等身大だと思う。

 ただし、この作品ではターバン(?)がいつもの超リアリズムというよりは、抽象的である。それが逆に顔のリアルな表現を強調している。そして、その強調の頂点として、目がある。青黒い顔のなかにあって、瞳は透明感をもって輝いている。まなざしの力が感じられる。

この目は、忘れることができない。ターバンを抽象的にしたことが、この作品に特別な命を与えている。

 

 

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ケビン・マクドナルド監督「モーリタニアン 黒塗りの記録」(★★)

2021-10-30 15:48:50 | 映画

ケビン・マクドナルド監督「モーリタニアン 黒塗りの記録」(★★)(2021年10月30日、キノシネマ天神スクリーン1)

監督 ケビン・マクドナルド 出演 ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチ、タハール・ラヒム

 9・11に関係する「実録」映画といえばいいのか。事実をもとに、正確にはモハメドゥ・ウルド・スラヒの著書「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」を題材につくられた映画。
 アメリカの「事実に基づく映画」で、私が一番奇妙に感じるのが、登場人物が実在の人物に「容姿」を似せることである。この映画ではジョディ・フォスターが実在の弁護士が白髪なので白髪で登場する。これが、なんとも気持ちが悪い。ジョディ・フォスターのほんとうの髪の色は忘れてしまったが(久しく見ていないので、見に行った)が、この映画の弁護士のように白髪ではないし、年をとった結果だとしても、こういう色の白髪にはならないだろうという冷たい色をしている。ジョディ・フォスターは、もともと「陽気」という感じではないが、あの紙の色では「冷静」というよりも「冷たい」だけが前面に出てしまう。
 それではなあ、と思うのだ。
 実在の弁護士の声は知らないが、ジョディ・フォスターは低音でかすれている。声そのものが感情の抑制を表現している。あの声があれば、「冷静」は十分に表現できる。声だけで演技すればいいじゃないか、と思う。
 ベネディクト・カンバーバッチもわりと低い声で、「冷静」を表現していた。ジョディ・フォスターのようにハスキーではない。深みをもった低めの声である。
 それはそれでいいのだが。
 私はこの二人の声を聞きながら、あ、これは私の予想と違って「法廷ドラマ」ではないぞ、と感じた。9・11に関係しているという嫌疑で、何年も拘留されているモーリタニアの青年の無実を証明する。そのときの弁護士と検事側(実際はベネディクト・カンバーバッチと途中でその仕事を辞める)のやりとりが法廷でおこなわれるという映画だと思っていたが、そうではないぞ、と気がついた。こんなに「似た声」の持ち主が法廷で対立しても、ドラマははじまらないからね。
 実際、法廷ドラマは、ないに等しい。タハール・ラヒムの「独り舞台」と言っていい。法廷に直接出ているのではなく、拘留されているグアンタナモ収容所から「中継」で証言する。タハール・ラヒムの声は、ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチとは違い、明るい。声が「無実」を証明している。
 これはねえ。
 映画ではなく、「声」を聞かせる舞台の方が「人間性」があらわれておもしろくなる作品だと思った。
 「犯人」をなんとしても処刑したい、と思っている「検察側(ブッシュ側)」のなかにも、ひとり「冷静/強靱」な声を持っている人物(ベネディクト・カンバーバッチ)がいて、それが弁護側の「冷静」な声(ジョディ・フォスター)と和音をつくるように接近し、物語をつくっていく。「和音」が完成した瞬間、そこから、いままで存在しなかった「新しい響き」(タハール・ラヒム)が生まれ、広がっていく。タハール・ラヒムの声はもちろん最初から存在するのだが、ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチのつくる和音によってさらに自由になって響く。そういう感じかなあ。
 私が映画を見ながら、そして見終わったあとに夢見たのは。
 でもね。
 この「音楽」は、タハール・ラヒムの証言が象徴的にあらわしているが、実際は「その場」に集まって生まれるのではなく、離れたところにいて、むりやり(?)合体させられるのである。そのためタハール・ラヒムの証言が「意味の美しさ」でおわってしまう。「意味」が前面に出すぎて、「声」が隠れてしまう。
 それがなんとも残念。
 この映画じゃ、ブッシュを「後悔」させることはできないね。
 こんなことを書くのは、この映画が、映画のリズムをもっていないからだな、きっと。肝心の部分が「ことば(声)」で説明される。もちろん「黒塗り」の文書は映像化されているし、許されない拷問のシーンも映像化されている。でも、それは「ことば(セリフ)」を補足するものであって、肉体を刺戟してこない。肉体にとどくのは、「声」だけなのである。これだったら、映画にする必要はない。それこそ「手記」でいい。
 こんなことを気づかせてくれるのは、変な言い方だが、ジョディ・フォスターが実在の弁護士そっくりの髪の色で「変装」していたからだね。「変装」は、ばれる。それが隠れている「声のドラマ」のおもしろさを明るみに出したということかな。あえて、いい点をあげるならば。

 


 

 

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