BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

かくしごと 第5話 『それでも鉢は廻ってくる/泊めたねっ!』 感想

2020-05-01 18:56:22 | かくしごと
『絶望先生』の人が作者で、主人公もまた絶望先生役の神谷浩史が演じると聞いて、あー、また、あのなんか陰湿な社会風刺ものだとばかり思っていたのだけど…。

さにあらず。

漫画家先生とその娘2人だけの、シングルファーザー家庭という、ちょっとしんみりした設定で、娘の姫ちゃんがひたすら健気という話。

主人公の漫画家で姫ちゃんのお父さんの後藤可久士先生も、風貌も含めて、絶望先生というよりは、むしろ『化物語』の阿良々木くん風でもあり、あれ、これもしかしてわりとストイックな話?と、徐々に惹かれていったのであった。

原作は未読。

もっとも、EDの、大滝詠一ののんびりとした歌声と、なんちゃって鈴木英人風の色使いの風景の中、入道雲を抱えた青い空を背景に小走りしていく、ぱっつん髪の姫ちゃんの姿にコロッといった、というのがホントのところ。

うん、あれだけで、ちょっとホロッときたよw

そうそう、代官山と鎌倉?という、ともに坂道がある瀟洒な街を舞台にしたのも、爽やかさを増している。

もちろん、絶望先生的な風刺もあるのだけれど、主人公を漫画家にしたため、ネタそのものが、原作漫画の作者の自虐ネタのようにみえるところが、絶望先生のときのような乾いた笑いにならずにすんでいるような気がする。

いやまぁ、今回の十丸院とか、結構、絶望先生的ではあるけれどw

でも、後藤先生とそのアシスタント諸氏も含めて、漫画を描くこと、すなわち創作行為として、その部分は捻じ曲げずに真摯に扱っているのもいいかな、と。

要するに、絶望先生のときのような、いやーな絶望感がないんだよね。


もっとも、姫ちゃんのお母さんがいないことは、物語全体に常に暗い影を落としているので、この先、その話がどこまで影響していくのか、気になる。

同時に、10歳の姫ちゃんと、高校生の姫ちゃんが、代わる代わる登場するのも。

というか、高校生の姫ちゃんがすでに出てきているということは、10歳の時の話、ということは、今のところ、物語の8割がたを占めているエピソードはすべて、高校生の姫ちゃんの時点からの回想、すなわち思い出である、ということなんだよね、きっと。

いやまぁ、だからEDが大滝詠一なんだろうけど。

そのあたりの、物語構造的にノスタルジアを誘うつくりが、今後どうなっていくのか、気になる。

もちろん、姫ちゃんが高校生の時は、他の登場人物たちもみな、同じだけ、多分、6~7年分、年を取っているはずなので、その成長(変貌?)ぶりも気になるところ。


ということで、意外と楽しみにしていたりしている。

コロナのことがあって大変かもしれないけれど、これは6月まで、できれば完走してほしいなぁ、と思う。

ハートフルな物語は、こんなご時世だからこそ、やっぱりホッとさせられるのだよね。


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