小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『コンピュータの熱い罠』岡嶋二人

2014年12月03日 | ミステリ感想
~あらすじ~
結婚相談システムの「エヌ・システム」を管理する夏村絵里子は、登録者の中に恋人の名前を見つける。独身男性の全員が登録させられただけと釈明されるが、データは不自然なほど詳細に記録されていた。
そしてデータの閲覧を求めた女性が不審死を遂げ、絵里子は巨大な陰謀の影を感じ取る。

86年文春9位


~感想~
発端の謎と徐々に明らかになっていく不可解な情報は非常に魅力的。
だがさすがに日進月歩のコンピュータ業界を題材にしたのはネックで、隠された陰謀は今日的に見れば「GoogleやBaidu、なんならTカード規約のほうがよっぽど悪質」で、現代人からはたいした問題に思えなくなっている。
また犯行経緯も、明かされてみれば予想以上にそのまんまなもので、某国政府からの抗議がなかったのが不思議なくらい豪快ではあるが、驚きはなかった。
古臭いと責めるよりも、単純に読むのが20年遅かったこちらが悪いと言うべきだろう。


14.11.26
評価:★★☆ 5
コメント