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漫画感想-『スパイラル 推理の絆』城平京・水野英多

2017年08月09日 | マンガ感想
~あらすじ~
警視庁で「名探偵」と呼ばれるほど天才的な頭脳とピアノの腕を持つ、神の如き兄が失踪した。
自身も優れた頭脳とピアニストの才を持ちながら、兄への劣等感に苛まれる鳴海歩の周囲で事件が続発。
失踪した兄が謎を追うと言い残した、ブレードチルドレンと呼ばれる子供達とは?


~感想~
今さら読了。少年誌でなんつー話を書いてるんだwww
前半こそごく普通のミステリ漫画ながら中盤に掛けての「まず神がいます」という大前提から始まり「君は神にでもなるつもりかい?」を経て「俺は新世界の神になる」に至るラストへの超展開は賛否両論だろう。
終盤はミステリというか「そのトリックは推理済だから俺には効かない」という論法で神殺しに挑むあたり、一度見た技は二度と通じないでおなじみの聖闘士星矢の系譜に連なるかもしれない。
観念的な会話に終止する終盤の展開と決着もまた賛否両論だが、全編を通して仕掛けられていたあるトリックと、最後の最後に明かされるタイトルの意味は素晴らしく、否が応でも心に残る作品であろう。

それにしても城平京は「名探偵に薔薇を」といい「虚構推理」といい、普通の面白いミステリを書く腕前を持ちながら、一筋縄ではいかない作風を好む作者である。小説版や他の漫画原作もいずれ読まなくては。


評価:★★★ 6
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