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マンガ感想-『Q.E.D.証明終了 41』加藤元浩

2017年08月31日 | マンガ感想
「バルキアの特使」★★★☆ 7
~あらすじ~
内戦が終結したばかりの東欧の小国バルキア。3万人もの虐殺を主導した大統領がベルギーで逮捕され、バルキアは自国での裁判を望むが、ベルギーは首を縦に振らない。裁判権を得るためバルキアは燈馬を代理人に立てるが、対するベルギーの代理人は榊森羅だった。


~感想~
東欧の小国のある意味で存亡をかけた裁判をなんで日本の小学生と高校生が争ってんだよという当たり前の疑問を気にしてはこのシリーズは読めない。
C.M.Bとのコラボということで当然期待する大立ち回りも堪能でき、一巻丸ごと描くべき所を一話にあれこれ詰め込んだ、贅沢な良作である。


「カフの追憶」★★★ 6
~あらすじ~
未来を見通す目を持つという占い師と組み、神の目を持つ投資家とうたわれたが服役中のカフ。
彼の妻の依頼を受け面会した燈馬に、カフは無実の罪で収監されたと訴える。


~感想~
C.M.B並にフットワークが軽くなり、海外にも平気で足を伸ばし始めた。
トリック自体は伏線があからさまで前例も多くあり、あっさり見当がつくものながら、このトリック自体がちょっとした発明のようなもので、どう描いても話は面白くなる。
ところでラスト2ページ、明らかに矛盾している状況と「魔女の手の中に」のラストを思い出させる不穏な描写が怖い。あり得たかもしれない可能性の一つ、という意味なのかもしれないが、生霊とも捉えられるよなこれ。
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