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マンガ感想-『Q.E.D.証明終了 39』加藤元浩

2017年08月19日 | マンガ感想
「ああばんひるず6号室事件」★★★ 6
~あらすじ~
名前だけ高級マンションのようなオンボロアパートの一室で大家が首吊り死体で発見される。
吝嗇家で家賃の値上げを検討していた大家を恨む、居住者の犯行なのか。

~感想~
ミステリ史上に残るかもしれない意外な凶器が最大の見所。
連続殺人鬼やサイコパスと比べれば犯人のやっていることはかわいいものだが、ものすごい鬼畜の所業に見えてしまい後味はやや悪い。


「グランドツアー」★★★★ 8
~あらすじ~
ボイジャー計画に携わった研究者たちが40年ぶりに集まるが、そのさなかに燈馬と旧知の教授が失踪。
彼はボイジャー計画のさなかに妻を失っており自殺が危ぶまれ、燈馬は40年前の思い出に手掛かりを求める。

~感想~
誰も彼も40年前の記憶がやたら鮮明なのが気になるが、そこはボイジャー計画に携わるほどの学者だから記憶力も卓越していると理解すべき。
なんといってもラストシーンと締めの一言が最高で、またタイトルにも挙げられる「グランドツアー」の壮大さとその発想が面白くて仕方ない。
燈馬が真相にたどり着いたある些細な手掛かりや、構図の逆転も素晴らしく、シリーズでも有数の傑作に数え上げられるのではなかろうか。
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