~あらすじ~
天才作曲家モーツァルトの死から18年。ベートーヴェンはモーツァルトの隠し子と噂されるシレーネが、父ではなくモーツァルトの名を冠した子守唄の出版に抗議しているところに出くわす。
そして公演に向けて練習中、くだんの楽譜屋が死体となって客席に座っているのを発見する。
85年文春2位、乱歩賞
~感想~
ベートーヴェンの一人称で描かれ、チェルニーやシューベルトらが脇を固め、モーツァルトの死の謎を追う……こんなの面白いに決まっている。
デビュー作離れした軽快な筆致で、一部ではハードボイルド風と呼ばれるが、ノリはいたって軽く、チェルニーとの師弟のやりとりは掛け合い漫才さながら。
どうでもいい暗号解読や、史実の範疇からさほど外れないモーツァルトの死の謎等のミステリ的要素に取り立てて優れた面は見当たらないが、話自体が非常に面白く、最後まで一息に読ませる力がある。いかにも昭和の漫画といったオチの一言はどうかと思うが。
なんでも非常に癖の強い作者で、出版社と揉めて旧作の絶版&新作の商業出版を封じられているそうだが、一方で多くの根強いファンを抱えているのも納得の良作である。
17.8.8
評価:★★★ 6
天才作曲家モーツァルトの死から18年。ベートーヴェンはモーツァルトの隠し子と噂されるシレーネが、父ではなくモーツァルトの名を冠した子守唄の出版に抗議しているところに出くわす。
そして公演に向けて練習中、くだんの楽譜屋が死体となって客席に座っているのを発見する。
85年文春2位、乱歩賞
~感想~
ベートーヴェンの一人称で描かれ、チェルニーやシューベルトらが脇を固め、モーツァルトの死の謎を追う……こんなの面白いに決まっている。
デビュー作離れした軽快な筆致で、一部ではハードボイルド風と呼ばれるが、ノリはいたって軽く、チェルニーとの師弟のやりとりは掛け合い漫才さながら。
どうでもいい暗号解読や、史実の範疇からさほど外れないモーツァルトの死の謎等のミステリ的要素に取り立てて優れた面は見当たらないが、話自体が非常に面白く、最後まで一息に読ませる力がある。いかにも昭和の漫画といったオチの一言はどうかと思うが。
なんでも非常に癖の強い作者で、出版社と揉めて旧作の絶版&新作の商業出版を封じられているそうだが、一方で多くの根強いファンを抱えているのも納得の良作である。
17.8.8
評価:★★★ 6