そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

恐れていたことが現実になった

2011-02-12 | 獣医師

北朝鮮で口蹄疫の発生があった。北朝鮮中央通信が公式に発表した。この国がこうした発表をするのは、余程のことではないかと思われる。アメリカのラジオ自由アジア(RFA)によれば、FAOに正式に、緊急救護要請をしたらしく、食料問題で何度もコケにされたFAOはこれを歓迎している。来週にも獣医師や疫学Photo の専門家を派遣するそうである。

RFAによれば、北朝鮮では2007年に牛豚が3000頭、2008年には100戸の口蹄疫が確認されたとのことである。FAOは2007~2009年にかけて43万ドル提供している。今回はほぼ全土にわたって広がり、1万頭感染しているとのことである。相当数が死亡しまた殺処分しているとのことである。

上記は昨日(11日)韓国のメディアが報道した内容である。本当かと思うことと、やっぱりと思うことが交錯する。北朝鮮で殺処分が可能かということである。口蹄疫は感染力は相当強力であるが、死ぬことはそれほどない。それに、この国の飼養形態がつかめない。かなりの役牛がいるであろうし、肉用に豚でも牛でも使用が可能であるのだろうかと言うことである。見方によっては、北朝鮮のクレクレ外交とも見えなくもない。いずれにしても全土に広がっていることと、政府が要請したことは深刻な事態とも思える。

しかし、最も危惧されるのは口蹄疫の初発は、北朝鮮ではなかったかという疑念である。事実韓国よりの方に発生頭数が多いようであり、韓国側も北と接する地域から発生が絶え間ない。北朝鮮の防疫対策など、信じるに足らないものであろう。病状の特定も対策も十分であるとは思えない。だとすれば、2007年の発生は、すでに広がりを見せた後ではないだろうか。韓国への伝搬が北朝鮮からだとすれば、あらゆる対策はざるで水をすくうようなものである。

北朝鮮が正常な国際社会への感覚と責任を持っていれば、何も案ずることはない。資金援助でも防疫援助でもすればいいが、金正恩のためなら更なる挑発をやると平然と南北会談で宣言する国家には、ざるに水を注ぐようなものである。口蹄疫に関しては、最悪の事態と言える。

コメント (1)
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