北朝鮮から韓国へ逃れてきた人たち、脱北者の数が異常に増えている。特にこの3年での増え方はすざまじい。ついに2万人を超えたそうである。厳しい警戒網を超えてくるには、相当の覚悟があるとものと思われる。更にはこの陰には、成功することのなかった人たちや、脱北すら試みることのできない人たちがかなりいるものと思われる。
北朝鮮は、中東の市民革命運動に神経をとがらせているに違いない。独裁体 制、情報の制限、政敵の弾圧、それにリビアのように社会主義を標榜している。いくつかの共通点が少なからずある。北朝鮮はかつて、カダフィとの接触もあった。エジプトのムバラクとはかなり親密な関係にあったと言える。
韓国は道徳的にも倫理的にも、脱北者を受け入れたいところであるが、これほどの数になると大きな社会問題になってしまう。脱北者に職を与えるのも、世界有数の競争社会では容易なことではない。韓国の受け入れにも限度がある。脱北してもバラ色の世界が待っているわけではない。脱北者を装うスパイなどもかなりの数いるようである。
北朝鮮に政変が起きることを期待している人たちは少なくない。21世紀になってもどうしてこのような国家が存在するのかも理解できない。北朝鮮当局も相当神経をとがらせているようで、電話線が遮断されているようである。幸いなこ とに、インターネットなどがないが、未確認の反政府集会があったようでもある。
韓国のキリスト教脱北者同盟たちが、中東の政変を良い機会とばかり、多数のビラを北に向けて飛ばした。飛ばした袋の中には「世襲・独裁・長期政権は崩壊する」と書かれたビラとともに、1ドル札、アスピリン、ボールペン、ストッキングなどが入れられているそうである。モノと情報のない国ではかなりの効果があるようである。
北朝鮮に政変を起こすだけのエネルギーが、残っているか見ものである。北の政権交代が進行形の今がチャンスである。