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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

原発事故を過小発表してないか

2011-03-12 | 原発と再生可能エネルギー

 宮城沖で歴史上記録的なマグニチュード8.8と言う驚異的な地震が起きた。地震そのものの脅威いも住民を震え上がらせた。しかしそれ110311003 以上に脅威を与えたのは、津波である。あらゆるものを呑みこむ津波は、リアス式海岸の奥地に力が集約され、8メートルもの高さに及んでこの地方の中都市を破壊し尽くした。いつかは来ると思われた大地震 であるが、専門家の想定をも上回るものであった。

 死者は2000人を超えるものと思われる。阪神淡路に比べ、広範囲であることを考慮すると、近年最大の震災被害が起きたと言って過言でない。

 その中で、福島原発事故の報道が納得いかない。政府と東京電力は何度の事故内容を発表するが、その都度内容が変わっている。第110312一原発の第一号機の壁が吹っ飛んでいる。東電、政府の発表は水蒸気爆発とのことである。昼の発表では炉心溶融と言っていた。水圧が上がって、海水での冷却が出来なかったとのことである。

 午前中には、相当量のセシュウムとヨウ素が検出されている。炉心溶融には間違いがないと思われる。第一号機の壁が全て飛んで、4人の重軽傷者がでている。小さな事故とは思えない。

 今回は判断材料がなく、彼らの発表が本当かも知れないが、今回の発表を見ても今までと同じである。最初は事故内容を少なめに発表して、何か矛盾が起きると、次々と内容を拡大訂正するのである。最終的には、現場に最も近い責任者、中間管理職が自らの命を断つの言うパターンである。

 今回も、避難範囲を次々と拡大しているし、発表される事故内容も数値も微少だ微少だとと言い続けていたが、ヨウ素なの検出に伴って炉110312_2心溶融は認め、放射能レベルも発表する度に高くなっている。

 良心的に解釈しても、パニック状態にある現場を考えて、原発事故の本質を隠匿している、あるいは過小発表しているふしがある。一号機の爆発の動画が海外メディアに紹介されているのに国内では何もない。

 原発は、便所無き高級マンションと言われている。いくら表面を取り繕っても、廃棄物については解決方法のない発電施設である。事故についての安全性も、今回の事故で耐震性などについても疑問が投げかけられることになる。

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質の低下した芥川賞

2011-03-10 | 政治と金

 今年の芥川賞の2作を読んだ。極めて対比的、対極に位置する作品と作者である。撰者がそうしたことを意図したかどうかは解らないが、何から何までこう対象的な2作である。

 まず西村賢太氏の「苦役列車」であるが、中卒の小説家は極めて珍しい。私小説をく小説家も少なくなったとのことである。この小説は、自らの体験を語ったものであるが、何よりも読み難い。やけに難解な漢字の単語が並んでいる割には、繋ぎの言葉に重みがない。彼は40歳を超えているから、主人公の19歳はもう20年以上前のことである。身近なことしか語っていない、まるでルポのようであるが小説の質としては決して高いものとは思えなかった。

 西村氏は、この作品で何を訴えたかったのか良く解らない。社会悪を追及するでもなく、新たな展開があるわけでもない。単なる周辺の出来事として書き連ねるには、あまりのも色が濃く暗い。殆ど類似の場面が繰り返し登場する。日雇いと性的はけ口としての女性の登場が繰り返される。

 もう一作の、朝吹真理子氏の「きことわ」はもう少し柔らかい感性が感じられると思っていた。そうした意味で少し失望した。彼女は文学などの芸術一家に育ち、慶應大学の文学部の博士課程に在学する。若いころ読んだサガンの訳した朝吹登水子氏と、シャンソン歌手の石井好子氏は大叔母にあたる。西村氏とは対峙するような家庭環境である。

 奇妙な題の「きことわ」とは、二人の女性の名前である。淡々と語られる日常は、ある水準以上の家庭であり内容的には大きなことが起きるわけでもない。BSの週刊ブックレビューで彼女が言った言葉「書かれた言葉は書かれなかった言葉の表面でしかない」と言う表現に、彼女のこれからを期待したいと思う。

 それにしても、2作とも文学としての質はどうかと疑問の残るもののように感じたのは、少々私が時代から残されてきているからだろうか。それとも、芥川賞の質そのものが低下してきているのだろうか。

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失言とは本音を言うことである

2011-03-09 | 政治と金

 アメリカ国務省日本部長のメアなる人物が「沖縄はゆすりとたかりの名人」と発言したことが、国際問題になっている。沖縄県議会をはじめとする議会などの講義が決議されている。政府もアメリカに抗議した。アメリカのキャンベル次官補は、成果うに伝わっていないとしながらも、「個人的に」謝罪した。学生相手の講義の中での発言で、少し時間が経過している。妙なタイミングで出てきた気がしないでもない。

 そんなことはどうでも良い。この手の発言はほとんど例外なく、本音を言ってしまっているのである。自民党時代に、戦前教育から脱却できない人物が、朝鮮や中国に侵略以上の恩恵をもたらしたとか、慰安婦や南京虐殺は未だにでっちあげだと言い張る人たち。何より日中戦争太平洋戦争は、正義の戦いであったと譲らない皇国史観に浸ったままに人たちが、際限ない失言と言う本音を漏らすのである。

 今回のメア部長の“失言”については、後ほど取り繕いは色々となされるであろうが、ポロリと出た彼の本音である。しかし、奥さんが日本人の親日家のメア部長は、日米関係の本音を全く逆に捉えていると言える。ゆするとたかりは、アメリカである。

 日本はアメリカに対して、7000億円もの思いやり予算を組んでいる。アメリカはこの金のために、日本を離れようとしない。基地などはもうすでに沖縄から移転の準備をしながらも、アメリカは安全で安価な日本にたかっているのである。

 メア部長は、沖縄の日本にとっての歴史的な経過と、戦後の置かれた位置について無知であったことは責められるべきである。沖縄に基地を置き続けたいアメリカは、その代償をケチりたい思ったのである。あるいは普天間移転の民主党の迷走に見ての苛立ちである。その上での、沖縄のたかり発言は彼の本音であると言える。

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アフガニスタンから学ぶべきである

2011-03-08 | イスラエル

 チュニジアに始まってエジプトに飛び火し、中東各地を荒れ狂う社会民主化運動であるが、今盛んにリビアが報道されている。カダフィが強力な親衛隊と空軍で 盛んに抵抗している。世界中の目が中東と北アフリカの動向に注目している。

003 しかし、アフガニスタンではEU連合軍とアメリカによる、民間人の誤爆が相次いでいる。さしもの傀儡政権のカルザイも、激怒し抗議している。昨日(7日)もアメリカ空軍が、森で薪を拾っている子どもたちを戦闘機で攻撃して射殺した。子供たちだけの集団であったが、4名もの幼い命が奪われている。誰も責任を取らない。

 タリバンによる自爆テロも一向に下火にならない。それどころか、アメリカの撤退を見込んでか、大きな自爆テロが相次いでいる。一度に10名を越す死者のテロも頻繁に発生している。治安の改善は全く進んでいない。

 オバマは、ブッシュの尻拭いをする羽目になった中東政策であるが、原点のアフガニスタンから今年7月から撤退をすることを約束している。来年中には撤退するようである。その後の治安に関しては、カルザイが引く継ぐことになっているが、全くめどが立っていないのが現状である。

 9.11の怨念を下げて、ブッシュが真っ先に兵隊を送り、平穏であったこの国の様相が一変した。タリバンが国民から信頼はされていたか、人権などが守られていたかは疑義のあるところである。が、少なくともアメリカが侵攻してからの方が、比較にならにほど治安は悪化し、国民生活は困窮している。国民は他国の理念に生きているのではない。自らの国は自らが治める原則は曲げるべきではない。

 リビアへの介入にさすがに慎重なアメリカであるが、隣国で石油のPhoto輸入国であるEUはどうやら動きそうである。飛行禁止区域の設定に前向きのようである。彼らは、アフガニスタンやイラクを教訓化していな い。カダフィが悪政をやっているからと、他国が介入する理由は介入する側の国にはない。リビアを、アフガニスタン化することになるからである

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次を睨んだ前原の辞任

2011-03-07 | 政治と金

 前原誠司外相が辞任した。彼とは小中学校が殆どの同じところであった。この辺りには、民もいれば韓国人もいる。子供たちにとって110307は全く関係なく生活していた。何か物事が起きた時にそのことが問題になる程度である。今回前原に献金した人物の名前は知ら ないが、苗字に金や張等がついていとは限らない地域である。韓国籍を意識させない社会は健全であるといえる。

 報道によれば、献金者は同じ町内会で長年暮らしている人のようである。5万円を2度ほど献金した記憶があるらしいが、韓国籍であることは前原も知らなかったようでもあるし、この焼肉屋を経営している”ガイコクジン”も、献金が違法であることは知らなかったようである。犯罪意識もなく、献金額も多くはない。献金を禁じた趣旨から大きく外れる事例と言える。この程度のことで一国の外相が辞任すのは、何が優先的な問題か、どちらがより大きな課題であるかを見失うことになる。

 こんな些少なことを誰が調べたと真っ先に感じた。スキャンダル探しを懸命にやった、同じ京都の自民党議員が得意げに追及する姿は、なんとも情けない。政治を語っているのか、この国の未来を論じているのかと問いたいものである。私は、右翼の前原が嫌いである。しかい、今回のこの件に関しては、彼を擁護したいところである。国会が、アラ探しによって動くのは何とも情けない。

 しかし、辞任した前原の本心はここにあるとは思えない。一つは小沢一郎への当てつけと思えるのである。未だに潔癖を理由にゴネまくる姿と、自分を対比させることで、際立たせたかったのであろう。

 もう一つは、沈みかけている菅政権の泥船から身を引くのには良い機会だったと、判断したのであろう。今回の辞任劇は次への布石と見て良いだろう。韓国にも好印象を残した。次を狙う前原らしい潔癖を打ち出すためには、止まる選択はなかったと思える。

 それにしても重要閣僚が数カ月で代わって、国政が正常に動くとは思えない。首相ですら、1年持たないこの国の閣僚なら仕方ないかもしれないが、政治の混迷は何処までも続く。

左のフォトアルバムに<どうするエゾシカ>をアップしました。

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どうするエゾシカ

2011-03-05 | 政治と金

 エゾシカの増加が止まらない。かつては愛くるしいシカを追って、やっと見つけて遠くから望遠で写真を撮ったものである。今は標準レンズでも、数頭入った写真を撮ることが出来る。冬になると、30頭ほどの群れも珍しくない。50頭を超える巨大な一群を見ることもある。

 エゾシカの対策は、主に農業被害として行われている。農地を柵で囲うのであるが、農地は守られることになるかもしれないが、シカたちは森で暮らすことになり、その分森が荒らされる。又、シカたちはハンターなどに追われて、鳥獣保護区に逃げる。鳥獣保護区は自然保護区ではないが、貴重な自然が残っているところでもある。そこで彼らは、木の幹を剥がして樹皮を食べる。土を掘って夏になるとお花畑になるところを荒らす。

 根室地方の農地は牧草畑だけといっていいものである。牧草畑をシカ対策の柵で囲うことは殆どない。最近は離農者が増えて、遠くに牧草地を持っている農家が増えている。彼らは春になると刈りに出掛けると、もうすっかりシカに食べられていることも珍しくはない。

 牧草地は、森の中と違って明るい春の日がまんべんなく照らす。冬の間食べ物が不足したシカたちは、真っ先にに美味しい牧草を狙うのである。やっと芽生えたばかりの牧草は夏まで成長が遅れたままとなる。この辺りでは2回牧草を刈ることが出来るが、一度しか収穫できない。

 現在北海道にはエゾシカは、推定で64万頭いることになっている。もう少し多いかもしれない。これらの32万頭がメスで、繁殖適期のものが少なくとも7割はいることである。20万頭以上が分娩する計算になる。幼児の事故などを考えても、18万頭くらいは成獣になるものと思われる。毎年18万頭増える現実を直視しなければならない。

 際淘汰しているのは1万数千頭になるらしい。これでは全く増加に歯止めが利かない。ハンター不足や高齢化、それに先ごろあった事故なども伴う危険な作業である。囲い込みなどによる、群単位の淘汰をしなければ追いつかない。肉や皮などの利用を進めることもしなければならないだろう。

 エゾシカの増加は全く人為的なものである。保護することばかりではなくこうしたことへの責任も問われているのである。

左に<どうするエゾシカ>をアップしました。

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農業にとって自由貿易とは

2011-03-03 | 政治と金

 自由貿易は人類の平等で自由な経済行為であるから、当然であると主張する人たちがいる。貿易が自由に見えるのは、強大な資本力と軍事力を持つ国家の側からの言い分に過ぎない。資本力と技術力に任せて、途上国から富と資源を収奪するシステムを、北側の国が「自由貿易」と呼んでいるだけである。

 とりわけ、自由貿易の犠牲になるのが途上国の人々の食糧である。NAFTAは、アメリカがカナダを説き伏せてメキシコを取り込んだ北米の自由貿易圏である。アメリカはメキシコ人の主食である、安価なトウモロコシを大量に売り付けた。消費者は安いトウモロコシを食べられるようになったと、自由貿易主義者たちは主張した。更に50万人もの雇用が生まれたというのである。

 しかし、150万人もの農業者が営農できなくなった。農地は荒廃し都会に元農民が溢れかえった。治安と環境の悪化が都会で進んだ現実がある。弱者が切り捨てられるのが、自由貿易の本質である。政治とは、偏在する富の分配をすることが最大の政治課題である。自由貿易は政治の放棄にもなる。

オーストラリアは、余剰小麦を日本に輸出していると信じている人たちがいる。507740119600x400 オーストラリアは、北半球での農産物の収穫具合を見て、作付にかか。昨年であれば、ロシアが干ばつで小麦の収穫が激減し価格の上昇が見込めた。これを見て彼らは、小麦を作るのである。ところがオーストラリアは、2年続いた干ばつが一転して、今年は大洪水になってしまった。

 オーストラリアが日本など海外に向けて、直接穀物などを売ることはほとんどない。穀物メジャーが、価格の変動を見ながら売り時や売りつけ先を伺っているのである。日本人の胃腑を満たすために販売しているのではない。世界の穀物は、僅か穀物メジャー4社で80%近い量を販売しているのである。

 その結果、①近未来に必ず不足する、②人々が必ず必要とする命を支えるものである、③自由貿易によって価格の変動が激しくなる。こうした理由から、穀物は投機の対象になるのである。食料自給を価格で評価しようとする動きがあるが、食料の本質を蔑ろにして、価格だけで評価する考えである。投機の対象になると、価格評価により自給率は激しく変動することになる。

 自由貿易と称されるシステムは、途上国と貧者と農業を切り捨てる、強者の作りだした考えである。WTOですら農業は特別に扱われていたが、TPPではまったく工業製品と同列に扱われることになる。TPPと称する無関税システムは、農業と地方を荒廃させ格差を増大させることになる。

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本物が美味いとは限らない

2011-03-02 | 政治と金

 我が家に誰が何と言ってもこれぞ本物というものが2つある。一つは大学時代の古い友人が、ヤマブドウを発酵させて作ってくれたワインである。年が明けると飲み頃になると言われて2月になって、ようやく飲み始めた。とても美味い。いや、とても美味かったと言った方がいい。蓋を取ると、シュッポと音がする。いまだ発酵を続けているのである。最近は酢酸に近づいてきたのが解る。風味も落ちてきた。早く飲まなければと思っている。

 もうひとつが、毎週酪農家が自宅で作って届けてくれるヨーグルトである。決して市販のより美味いとはいえない。正確には美味いとは限らないと言った方がいい。発酵製品である以上、味にばらつきがあるのは当然である。しかも、時間が経つと、蓋の裏などの牛乳のない所に付着しているヨーグルトが、異様な匂いを放つ。本体は次第に流動性が増してくるが、不味くなるわけではない。

 しかしこのヨーグルトは、消化器にとても良いことが解る。便通がとても良いのである。彼がしばらく休んだ時には、少し腸管の様子がおかしくなったりする。乳酸菌の量がケタ違いなのだと思われる。

 市販のワインは味が良いところで、発酵を止めるのである。パスチュライドという方法で、発酵を止めて封印するらしい。無処置のワインは、酢酸化へ時間との勝負のように飲むことになる。ヤマブドウであることも含めた無処置であることを歓迎したい。昨年は多忙であったが、今年の秋にはこの地方の山に鈴なりになるヤマブドウを、熊より先に収穫してワイン作りをやるつもりである。

 市販のヨーグルトは時が経って味に変化があると売れなくなる。製品についても場所や季節が異なると味も異なっては、商品として成り立たない。一定期間在庫ができな様な商品も販売できない。更に、消費者に好まれる味に仕上げることも大切である。その結果、保存剤や甘味料やゼラチンのようなものが、加えられることになる。

 昨年小学校時代の級友に、放牧で搾った牛乳から作られたチーズを届けた。本物はさすがに美味しかった、と沢山のお礼を頂いた。しかし、流通商品も売るためにかなりの工夫をしている。本物の方が美味いとは限らない。

 信頼できる食品を頂くためには、自ら作るべきである。高度化した世の中で、そのようなことをできる環境にある人たちは限られる。何よりも安全が求められる食品は、商品である限りこうした保存剤や添加物はなくなることがないと思われる。

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なぜか似てくる独裁者

2011-03-01 | 政治と金

 リビアのカダフィ政権が風前の灯である。無用と思える抵抗を続けている。しかも伝えられるところによると、傭兵が多いとらしい。abcのインタビューでは、東部はアルカイダに占拠されている。トリポリは平穏だ。国民は私を愛している。国民は自分を守ってくれる。と言っている。トリポリ市民に金をばら撒いている。

 中東が民主化が遅れているのは、そもそもこのシステムが西欧思想によるところが大きいからである。彼らは、部族そして王族支配を続けてきた民族である。アリババの時代には、王様は街角に出て民衆の意見を聞いていた。それなりに人格者もいたと思われる。イスラム教では、王様も大衆も平等であり、富は蓄えてはならないとされている。彼らもそれを守っていたようである。

 ところが、アメリカが制裁決議としてカダフィのアメリカの資産を凍結した。3兆円以上あった。イギリスも凍結した。1兆円以上とされている。エジプトの83歳のムバラクは、8兆円も持っていたそうである。彼ら自身がイスラムの教えに逆らっている。

 North_korea_has_finally_moved_ahead それにしても、独裁者は長期にわたると同じ事をする。個人資産を思い切り貯め込む。そして、周辺を近親者で固める。兄弟や息子たちでいっぱいである。イラクのフセインも同じである。北朝鮮の金正日も同じである。ルーマニアのチャウセスクも同様である。

 そして例外なく、国民は貧しい生活を送ることになる。もう一つ彼ら国民には情報が与えられない。国の各地に、自らの像を建てて崇拝させている。その一方で言論弾圧と政治的弾圧を繰り返している。Photo

 更に彼らの住むところが宮殿のように豪華な建物である。北朝鮮もイラクのフセインもチャイウセスクも、巨大な宮殿と称される建物に住んでいた。そして 、もう一つ特徴的なのが女である。北朝鮮の美女軍団や踊り子を、フセインは女を囲い周辺にはべらしていた。カダフィは処女の警備隊員で周辺を固めている。

 つまり権力をほしいままにした独裁者は、とどのつまり欲望の塊になるのである。どんな美事を並べ立てても、欲望のために権力にしがみつくことになるのである。権力者には常にチェックシステムが必要なのである。

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羅臼港

春誓い羅臼港