松井久子監督「不思議なクニの憲法2018」のデモ版(サンプルムービー)が完成した。私もインタビューされている。
それを見て、とても驚いた。
撮影は大濠公園と自宅で約1時間半くらい。つかうのは1分くらいだろうなあと思っていた。宮崎美子は黒沢明監督の「乱」で「拘束三日、出演3分」とか言っていたし、実際にはもしかしたらあれが宮崎美子?というくらいの印象しかない。私は憲法学者でもないし、特に活動(運動)をしているわけでもない。
なのに、けっこう長いのだ。
さらに額のはげ上がり、顔のシミという「加齢」がとてもめだつ。
ということよりも。
「要約」(編集)がとても簡潔にまとまっている。
「天皇の悲鳴」「憲法9条改正、これでいいのか」「詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント」に書いたようなことを語ったのだが、言いたいことが全部網羅されている。そうか、私はこういうことが言いたかったのだと、改めて思った次第。
私はもっぱら一人で書いて(書きっぱなし)で、他人の手で「編集」されるという経験をしたことがない。「ひとりよがり」でことばを書いているだけだ。他人の意識を通り抜け、整理されることで「余分」がなくなった。
その結果、言い漏らしていること、私がほんとうに言いたいことも明確に自覚できた。
いまとりざたされている憲法改正(改悪)では、9条と自衛隊との関係が一番の焦点である。そしてもっぱら、「自衛隊」を憲法に書き加えるかどうかが重要視されている。しかし、私は、それと同時に問題にしなければならないことがあると思う。
憲法改正には
(1)何を変えるか(何をつけくわえるか)
(2)どう変えるか(文言をどうするか)
という2点から点検していかないといけない。
(1)が重要視されるために、(2)は見落としがちになる。
実際に改憲案が発議されたら、(2)はあまり議論の対象にはならないだろうと思う。(1)に意識が集中すると思う。
でも(2)の方に、重大なものが含まれていることがある。
9条に関して言えば、2017年7月の「自民党憲法改正推進本部」がまとめたたたき台では「9条」はそのままにしておいて、「9条の2」を追加するという案だった。
その内容は
9条の2 前条の規定は、我が国を防衛するための最小限度の実力組織としての自衛隊を設けることを妨げるものと解釈してはならない。
2 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有し、自衛隊は、その行動について国会の承認その他の民主的統制に服する。
すでに書いてきたことなので簡略化して書くと。
私が問題視するのは、「(国民は)解釈してはならない」「内閣総理大臣は、(略)自衛隊の最高の指揮監督権を有し」というような部分である。
国民が「主語(主役)」の憲法に、突然「内閣総理大臣」が割り込んできて「解釈してはならない」「私が最高指揮官である」と主張している。
これは「自衛隊」を「書き加える」かどうか以上に重要だ。
総理大臣が、国民に対して「こう解釈してはならない」(こう考えてはいけない)というのは思想の自由、表現の自由を侵すことである。「独裁」である。
この「文言」は「戦争時」だけではなく、あらゆるときに適用される危険がある。「戦争」にならなくても、「独裁」をできる、ということにつながる。
文言にこそ、ことばの細部にこそ「思想」の本質がある。
安倍は国を守るためではなく、独裁を推し進めるために「戦争」を利用しようとしている。国民の平和や安全はどうでもよくて、ただ独裁者になりたいだけなのだ。
「天皇の悲鳴」で書いたのも、そういうことだった。
高齢になった天皇が、皇太子に天皇という「地位」を継いでもらい、「象徴としての務め」を果たしてもらいたいと願うことを、「譲位」ではなく「生前退位」と言うのはなぜなのか。だれが「生前退位」と言い始めたのか。(天皇ではないだろう。)
さらに天皇が国民に語りかけるとき、どういうことばをつかったか。そのことばのなかに、天皇の「思想」が見える。さらに政府の「動き」が見える。
天皇退位→皇太子の天皇即位という目に見える変化以上に重要なものがある。
ことばには、もっともっとこだわらないといけないのだ。
そういうことを、もっと書いていこうと思った。
「不思議なクニの憲法2018」の公式サイトは
http://fushigina.jp/
上映会情報ものっています。
名古屋市東区桜坂の「名演小劇場」(052・931・1701)では、2月3日-2月16日まで公開です。
「天皇の悲鳴」はオンデマンド出版。一般書店では手に入りません。
下記のサイトから発注してください。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
「憲法9条改正、これでいいのか」「詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント」(ポエムピース)はアマゾンから購入できます。
問い合わせ先 yachisyuso@gmail.com
それを見て、とても驚いた。
撮影は大濠公園と自宅で約1時間半くらい。つかうのは1分くらいだろうなあと思っていた。宮崎美子は黒沢明監督の「乱」で「拘束三日、出演3分」とか言っていたし、実際にはもしかしたらあれが宮崎美子?というくらいの印象しかない。私は憲法学者でもないし、特に活動(運動)をしているわけでもない。
なのに、けっこう長いのだ。
さらに額のはげ上がり、顔のシミという「加齢」がとてもめだつ。
ということよりも。
「要約」(編集)がとても簡潔にまとまっている。
「天皇の悲鳴」「憲法9条改正、これでいいのか」「詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント」に書いたようなことを語ったのだが、言いたいことが全部網羅されている。そうか、私はこういうことが言いたかったのだと、改めて思った次第。
私はもっぱら一人で書いて(書きっぱなし)で、他人の手で「編集」されるという経験をしたことがない。「ひとりよがり」でことばを書いているだけだ。他人の意識を通り抜け、整理されることで「余分」がなくなった。
その結果、言い漏らしていること、私がほんとうに言いたいことも明確に自覚できた。
いまとりざたされている憲法改正(改悪)では、9条と自衛隊との関係が一番の焦点である。そしてもっぱら、「自衛隊」を憲法に書き加えるかどうかが重要視されている。しかし、私は、それと同時に問題にしなければならないことがあると思う。
憲法改正には
(1)何を変えるか(何をつけくわえるか)
(2)どう変えるか(文言をどうするか)
という2点から点検していかないといけない。
(1)が重要視されるために、(2)は見落としがちになる。
実際に改憲案が発議されたら、(2)はあまり議論の対象にはならないだろうと思う。(1)に意識が集中すると思う。
でも(2)の方に、重大なものが含まれていることがある。
9条に関して言えば、2017年7月の「自民党憲法改正推進本部」がまとめたたたき台では「9条」はそのままにしておいて、「9条の2」を追加するという案だった。
その内容は
9条の2 前条の規定は、我が国を防衛するための最小限度の実力組織としての自衛隊を設けることを妨げるものと解釈してはならない。
2 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有し、自衛隊は、その行動について国会の承認その他の民主的統制に服する。
すでに書いてきたことなので簡略化して書くと。
私が問題視するのは、「(国民は)解釈してはならない」「内閣総理大臣は、(略)自衛隊の最高の指揮監督権を有し」というような部分である。
国民が「主語(主役)」の憲法に、突然「内閣総理大臣」が割り込んできて「解釈してはならない」「私が最高指揮官である」と主張している。
これは「自衛隊」を「書き加える」かどうか以上に重要だ。
総理大臣が、国民に対して「こう解釈してはならない」(こう考えてはいけない)というのは思想の自由、表現の自由を侵すことである。「独裁」である。
この「文言」は「戦争時」だけではなく、あらゆるときに適用される危険がある。「戦争」にならなくても、「独裁」をできる、ということにつながる。
文言にこそ、ことばの細部にこそ「思想」の本質がある。
安倍は国を守るためではなく、独裁を推し進めるために「戦争」を利用しようとしている。国民の平和や安全はどうでもよくて、ただ独裁者になりたいだけなのだ。
「天皇の悲鳴」で書いたのも、そういうことだった。
高齢になった天皇が、皇太子に天皇という「地位」を継いでもらい、「象徴としての務め」を果たしてもらいたいと願うことを、「譲位」ではなく「生前退位」と言うのはなぜなのか。だれが「生前退位」と言い始めたのか。(天皇ではないだろう。)
さらに天皇が国民に語りかけるとき、どういうことばをつかったか。そのことばのなかに、天皇の「思想」が見える。さらに政府の「動き」が見える。
天皇退位→皇太子の天皇即位という目に見える変化以上に重要なものがある。
ことばには、もっともっとこだわらないといけないのだ。
そういうことを、もっと書いていこうと思った。
「不思議なクニの憲法2018」の公式サイトは
http://fushigina.jp/
上映会情報ものっています。
名古屋市東区桜坂の「名演小劇場」(052・931・1701)では、2月3日-2月16日まで公開です。
「天皇の悲鳴」はオンデマンド出版。一般書店では手に入りません。
下記のサイトから発注してください。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
「憲法9条改正、これでいいのか」「詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント」(ポエムピース)はアマゾンから購入できます。
問い合わせ先 yachisyuso@gmail.com