安倍の天皇政策(沈黙押し付け作戦)
自民党憲法改正草案を読む・番外篇(情報の読み方164)
2018年1月9日読売新聞夕刊(西部版・4版)の一面見出し。
退位儀式 3月に方針/政府 準備委が初会合
2019年4月30日の天皇退位、5月1日の皇太子即位の式典をどう進めるか、その準備委が開かれたという内容。
この記事で注目したのは、次の部分。
後半の、「憲法上問題がある」に私は違和感を覚える。発言内容は、ごく当たり前のこと(当然のこと)だが、発言者が「首相官邸関係者」となっている。
憲法学者をはじめとする識者の発言なら、憲法に配慮する必要があると指摘しているととらえることができるが、「首相官邸関係者」では事情が違う。
安倍は、あくまで「譲位」を否定したい。天皇の意思を否定したい。天皇から「意思」というものを剥奪し、天皇を「沈黙」させようとしている。
これは「生前退位」報道が籾井NHKによって報道された時から一貫している。
天皇(宮内庁)関係者の間では、「生前退位」ということばが使われていなかった。これは皇后が誕生日の談話で「証言(告発)」している。天皇が目指していたのは、あくまで「譲位」であり、「象徴としての務め」を皇太子に継承させることだ。年末に九州豪雨の被災地や鹿児島の離島を訪問し、国民に声をかけたのも、その「実践」である。こうしたことを皇太子に引き継いでもらいたい、という意思表示であり、また国民にその実践を印象づけるためでもあったと思う。
安倍は、こういう実践が大嫌いである。天皇と国民が触れ合い、天皇の「人柄(思想)」が国民に支持されては、憲法を改正し、戦争を引き起こし、「最高責任者(最高監督官)」として軍隊を指揮できない。国民を「御霊」にすることができない。
天皇は国政に関する権能を有しない。政治的行為をしてはならない。これは当然だが、憲法を逆に読み返してみる必要がある。天皇が国政に関する権能を有しないなら、天皇を国政に利用してはならないのではないのか。天皇は何もできないが、権力は天皇を利用できるというのでは、あまりにも理不尽である。
安倍はいつでも天皇を利用している。天皇が「譲位」の意向を語ったのは、参院選後が初めてではない。それ以前に、意向を政府側に伝えていたが、政府は選挙作戦(選挙を有利に進めるため)に封印していた。参院選で大勝したから、今なら公表してもいいと判断して公表させたのである。19年の退位、即位も、「統一地方選」が不利にならないようにするために日程が調整された。
なお、読売新聞にある「首相官邸関係者」の声は朝日新聞(西部版・4版)にはない。現行憲法ではなじめてのことなので、
とのみ書いている。
読売新聞の方が、「首相官邸関係者」の思いを直接的に伝えている、安倍の本音を伝えていると読むべきだろう。
新聞は「細部」にこだわって読むとおもしろいねえ。
ぜひ「天皇の悲鳴」を読み、そうした経緯を確認してみてください。
http://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
オンデマンド出版なので、注文してからお手元に届くまでに約1週間かかります。
自民党憲法改正草案を読む・番外篇(情報の読み方164)
2018年1月9日読売新聞夕刊(西部版・4版)の一面見出し。
退位儀式 3月に方針/政府 準備委が初会合
2019年4月30日の天皇退位、5月1日の皇太子即位の式典をどう進めるか、その準備委が開かれたという内容。
この記事で注目したのは、次の部分。
最大の焦点は、象徴天皇制の下で初となる退位の儀式の形式だ。政府は憲法に基づく国事行為とする方向で、天皇の政治的関与を禁じた憲法4条との兼ね合いが課題となる。1817年の光格天皇以前の退位の儀式は、天皇と新天皇が同席して皇室に由緒ある品々を譲り渡す形式が多いが、政府内では「自らの意思で皇位を譲ると受け止められる形式は憲法上問題がある」(首相官邸関係者)との見方が強い。
後半の、「憲法上問題がある」に私は違和感を覚える。発言内容は、ごく当たり前のこと(当然のこと)だが、発言者が「首相官邸関係者」となっている。
憲法学者をはじめとする識者の発言なら、憲法に配慮する必要があると指摘しているととらえることができるが、「首相官邸関係者」では事情が違う。
安倍は、あくまで「譲位」を否定したい。天皇の意思を否定したい。天皇から「意思」というものを剥奪し、天皇を「沈黙」させようとしている。
これは「生前退位」報道が籾井NHKによって報道された時から一貫している。
天皇(宮内庁)関係者の間では、「生前退位」ということばが使われていなかった。これは皇后が誕生日の談話で「証言(告発)」している。天皇が目指していたのは、あくまで「譲位」であり、「象徴としての務め」を皇太子に継承させることだ。年末に九州豪雨の被災地や鹿児島の離島を訪問し、国民に声をかけたのも、その「実践」である。こうしたことを皇太子に引き継いでもらいたい、という意思表示であり、また国民にその実践を印象づけるためでもあったと思う。
安倍は、こういう実践が大嫌いである。天皇と国民が触れ合い、天皇の「人柄(思想)」が国民に支持されては、憲法を改正し、戦争を引き起こし、「最高責任者(最高監督官)」として軍隊を指揮できない。国民を「御霊」にすることができない。
天皇は国政に関する権能を有しない。政治的行為をしてはならない。これは当然だが、憲法を逆に読み返してみる必要がある。天皇が国政に関する権能を有しないなら、天皇を国政に利用してはならないのではないのか。天皇は何もできないが、権力は天皇を利用できるというのでは、あまりにも理不尽である。
安倍はいつでも天皇を利用している。天皇が「譲位」の意向を語ったのは、参院選後が初めてではない。それ以前に、意向を政府側に伝えていたが、政府は選挙作戦(選挙を有利に進めるため)に封印していた。参院選で大勝したから、今なら公表してもいいと判断して公表させたのである。19年の退位、即位も、「統一地方選」が不利にならないようにするために日程が調整された。
なお、読売新聞にある「首相官邸関係者」の声は朝日新聞(西部版・4版)にはない。現行憲法ではなじめてのことなので、
退位の儀式を国事行為と位置づけるかなど憲法との整合性について慎重に検討する。
とのみ書いている。
読売新聞の方が、「首相官邸関係者」の思いを直接的に伝えている、安倍の本音を伝えていると読むべきだろう。
新聞は「細部」にこだわって読むとおもしろいねえ。
ぜひ「天皇の悲鳴」を読み、そうした経緯を確認してみてください。
http://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
オンデマンド出版なので、注文してからお手元に届くまでに約1週間かかります。
憲法9条改正、これでいいのか 詩人が解明ー言葉の奥の危ない思想ー | |
クリエーター情報なし | |
ポエムピース |