風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

ボディーブロー

2006年11月18日 | チンゲル亭裏日記

「終わりよければすべてよし」昨夜は安全に帰宅できましたから、いつもなら、そう言って「よかったねぇ。あはは。」終わるところです。

事件以来、平常心を保つために、いつもと同じ生活を心がけ、事件にかかわる事柄を避け、会話をすることになる事務所には近寄らないで、一見何事も無い生活をしていました。

いつもと同じ生活に固執し過ぎたのかもしれません。昨夜はオペラにも行きました。
その帰り、約束の車が来ませんでした。

車の故障というアクシデントですから仕方が無いのですが、いつも約束を守ってくれていた運転手が来てくれなかった。
暗くなって、帰る足が無い、次の手段を考えるので一生懸命で、浮ウを感じなかったのですが、無事で帰ってきた今朝になって感じる、倦怠感、焦燥感、起き上がれません。

約束を守ると信頼していたモンゴル人が、約束を守らなかった。
夫の苦い顔を押し切って暗くなっての帰宅をしてしまった。
そこから起こりうること。。。
焦って、白タクに乗り、事件に遭遇したかもしれない。
友達が、アパートの階段で事件に有ったかもしれない。
悪いことが次々と浮かび上がってきた。
事件以来避けて閉じ込めていた、負の想念がむくむくとわきあがってきた。

じわじわと、押し寄せてくるものがあって、それが、何かよく分からない。
いつも気持ちを落ち付かせるときにやっている呪文を唱えようにも、まず頭を空っぽにできない。
集中できない。

この1週間、いつもと同じに普通に過ごすことに、ものすごいエネルギーを使っていたことに気がつく。
いつもなら、今頃元気一杯に週末の乗馬をたのしんでいるころなのに。
普通に過ごすことに、こんなに疲れるなんて、どうかしている。
平常心で居たはずなのに。

わけの分からない枯れ尾花の正体を観たくなくて、押し込めていた。
出るものは出してしまえばよい。
あきらめずに頭を空っぽにして、「落ち着く」と暗示をかけましょう。
妹の助言に従って、神経質になっている自分を見つめなおそう。
負の思いは、そこにあるのではなくて、身の内にあるのだから。

強いつもりだったのに、ほんとは弱虫の私発見。
身の内にあるものの正体を、見つけたら、対処法はあるのだから。

思わぬボディーブローに、おたおたしたけれど、おかげで、歩いているつもりが座り込んでいるのが分かった。
じゃぁ、立ち上がればいい。
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オペラ鑑賞顛末

2006年11月18日 | チンゲル亭裏日記

ナツァグドルジ作の有名なオペラ2作のうちの一つは、先月25日に観ました。
その時、一昨年から見損なっているもう一つの「僧侶の涙」が舞台にかかったら必ず観に来ようねと約束したのでした。

夜間の外出を自粛しているこのごろに出かけるのはどうかと夫は、賛成しなかったのですが、5時に始まって7時前には終わるのだからと、約束した友人とでかけました。
同じ時間に、夫は、事務所で会議がありましたから、同行はできません。
もとより、親しい友人と二人で行くつもりでしたから、そして、広場を挟んだ向かい側のビルに居るわけで、心配はないと思ったのでした。
帰りは、いつもの運転手さんに迎えを頼みましたから、心配はないはずです。

チケットは、いつもの最前列は高校生の観賞会のため売り切れ、悪い予感とともに入場すると、生徒たちで満席。

このオペラは、僧侶の悲惨な恋を描いたもので、生徒の鑑賞に堪えるものではないと日本人の私には思えます。
どちらかと言うと、先月観た「悲しみの三つの丘」の方が、勧善懲悪のハッピーエンドの物語ですから、教材としては適当と思うのですが。。。
彼らは、これを鑑賞して、何を感じたことでしょう。
口笛を吹いたり、ガムの音をさせたり、おとなしく鑑賞している生徒は、その子供たちの陰に隠れて、見えません。
終わったら、せいせいした感じで帰っていきました。

表は、彼らを迎える車の列。
さて、悪い予感は、この生徒のことではありませんでした。
思ったより早い時間にオペラが終わったので、運転手さんに今から来られますかの電話をしたら、車の故障でこられないとの返事。
幸い、夫が、目と鼻の先にいて、終わったら何はともあれ電話をするように言われていましたから、電話をしました。

ちょうど、車に分乗して帰るところだから、事務所に来るようにとのことで、ほっとして二人で駆け足。

暗くなって出かけるのは浮「けれど、この作品は観たい、そして約束していたから、風邪気味さんと家族にいい顔されてないのと、どちらかが次回にと言い出せばできたかもしれないのに、後戻りのできない私たち二人は、お互いに律儀だなぁと思う。

何事も無く、オペラ鑑賞を終え、無事帰りの車に乗ったときは、もろもろの思いがあって少々ハイな気分でした。
無論、夫に釘を刺されましたが。
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