風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

かえったら

2005年12月07日 | 日本から
昨夜、娘から電話があり、後ろで鼓太郎がここにいるよとの鳴き声を聞きました。
いつもだったら、少しフィルターを通して聞いている声も、帰国の予定が決まったとたんに、フィルターが溶けて、現実味を帯びて聞こえてきます。
ともだちのHPを訪れても、にわかに自分の身に引き寄せて感じるようになります。

あれしたい、これしたい、あれ食べたい、あそこに行きたい、あの人に会いたい。。。あれこれ、あれこれ。

いざ日本に帰ると、家にいるということで満足してしまって、またこちらに帰る日が近づくとばたばたと優先順位の高いものから、スケジュールをこなすのです。

そういうことだから、「○○したいなぁ~」と言うのはねばなら無いことに押しのけられて、「○○しなかったなぁ~」と思いつつ帰路に着くのでした。

今度の1ヶ月あまりの帰国は、何ができるかなぁ。
すしは、友だちがすし屋さんだから食べ無いわけは無いなぁ。
娘とせめて一泊で温泉に行きたいなぁ。
お墓参りは、予算の関係で、どうだろう?と言うことは、大原美術館はいけないなぁ。
会いたい人、みんな遠いなぁ。
冬の海、見たいなぁ。
義母は、娘が会いに行くから、不肖の嫁を決め込んでしまおう。
花ちゃんに会いたいなぁ。
それから、それから。

お気楽お気楽。ごめんなさい。
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12月のチンゲル亭

2005年12月07日 | チンゲル亭
 午前10時半まもなく右肩から日がのぞきます。


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ザザプロジェクト III

2005年12月07日 | チンゲル亭裏日記

明け方、ザザの夢を見ました。
グロテスクな夢でここにはとても書けません。
それで気持ちがささくれ立ったままの目覚めだったせいでしょうか、ザザのいつもの朝のご挨拶は無くて、遠巻きにして、足に触れてきません。

肉も食べません。
ドライフードしか食べません。
その代わり、珍しく遅くまで眠っていた夫の目覚めたばかりの足に擦り寄っていました。

あの夢の意味は何だろう?

よく似た姿かたちの鼓太郎とザザのあまりの環境の違い、生活の違い、性格の違いをつい比べてしまいます。

生涯飼育、去勢、室内飼いを約束した上でわが家に来ることが許された子です。
鼓太郎も良くそれに応えて、家族となじみ狭い環境で小さいときから落ち着いて、静かにすごしていました。
困らせることも無く、必要なときにぴったりとくっついてきて、みんなが元気なときは、一人離れて、一番心地の良い場所を選んで、寝転がっていました。
娘たちも大人になっていましたから、みんなに可愛がられ、鼓太郎も驚くようなことも無く、しかし、ふっと笑いを誘い出してくれました。

ザザも、彼女の持ち味で、私たちをお客様まで楽しませてくれました。
あの時期に預かったのは、日本から帰ってきたばかりの寂しいときでしたから、ザザが居たおかげでかなりの寂しさを紛らわせてくれました。
けれど、いずれは帰っていく子だからと、自由に世話をしました。
鼓太郎は何の問題も無かったと言いましたが、自然に私たちの都合の良いほうに誘導したのでしょう。
ザザは、そっくりそのままお返ししようと思っていました。思いっきり元気に跳ね回っています。

「そっくりそのまま、何も加えない、何も引き去らないで、小学校に送り出します。」の言葉は、娘たちの通った幼稚園の園長の方針でした。
変なときに、思い出すものです(笑)。

さて、ザザは私のイメージした生活とは違ったところへ帰っていくことになりました。きっと、彼女の持ち前を発揮して、元気に育ってくれるだろう。

しっかり肉をお食べよ。牛肉や豚肉は牧民さんは食べないんだよ。
野鼠は、何の肉の味に近いのだろうか。
草原が緑になるまで、しっかりがんばるのよ。
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ツァガンサル情報

2005年12月06日 | モンゴルについて
来年のツァガンサル(旧正月)は1月30日からです。

伝統的には、極寒の冬、死と背中合わせの冬が過ぎて、間もなく春を迎える喜びを家族みんなで、祝う日でした。
牧民さんたちが、ゲルの中に持っている、羊と乳製品とで誰もがどこでも喜びを分かち合う日でした。

日本でもそうですが、年毎に豪華に派手に人の目を惹くものに成り代わっているのを嘆く人がいました。

毎年ツァガンサルの前には、大統領がボーズを作り過ぎないように。
贈り物は慎むようにと呼びかけるそうです。

去年、知人に教えてもらった、銀行で新しい札に取り替えてもらって、アルヒと一緒に手土産にするというのも、近年になって始まった習慣だそうです。
貴方たちは外国人だから、ハダク(青、白、金色の細長い絹の布)は必要ないよといわれましたが、それこそが意味があると教えられました。

青は永遠、白は美しさ、金は知恵を表すものだそうです。

ハダクは、贈り物をささげ持つための三宝のようなものと思っていたのですが、その布自体に意味があったと言うこと初めて知りました。

本当の意味を知る人に出会って、モンゴルのこと少しずつ知ってきたこのごろです。

私も、日本人でありながら、日本のことを正しく伝えられるかと言うと、思った以上に難しく当たり前に分かっていることを、優しい言葉で外国の人に伝えるのはほんとうに難しいのです。

去年の10ヶ月は、教えられることをそうかそうかと聞いているだけでしたが、二度目ともなるとほんの少し増えた情報から、質問が出来るようになり、去年知ったこととは違う内容も入ってくるようになりました。

「それだけが日本じゃないよ」と言っていたことが、モンゴルにもたくさんあるものなのです。






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ザザプロジェクト II

2005年12月06日 | チンゲル亭裏日記

なるべく寒さに慣れさせようとして、ベランダのドアを開けようとしたら、凍り付いて開かなくなっていました。
古い木製のドアなので、無理に力が加わるとどうなるか分からないので、あきらめました。

羊の肉は、最初の夜だけ食べました。
豚肉の生は良く食べます。
しかし、一番良く食べるのは、キャットフードです。

日本人の飼い主さんに最初お目にかかったときは、人間用の魚の缶詰を与えていたと聞いていましたから、そのつもりで、キャットフードを買い求めて食べさせていたのですが。

おなかがすけば、与えられてなんでも食べるようになるでしょうか。

玉とりのチャンスは可能な限り作って、興味を持ったものを視線の先に投げ込んでいます。
飽かず、長い時間獲物のおっかけっこをしています。
室内のこんな方法で、遊んでいては、ほんとの獲物は捕らえられないかもしれません。
気休めだなぁ。
いやいや、ちっとばかしでも、訓練さ!

昨日、夫が、何にでも興味を示すザザの様子を見て、「好奇心のあるうちは新しい環境になれるだろう」と言っていたことを、私も頼みの綱にしています。
目新しいものに興味を失う前に、新しい環境に入るなら、体も本能も若くてしなやかなうちであれば、大丈夫でしょう。

そう思いながら、何度も抱き上げてしまうのは、いけないと思いつつ、抱き上げずに入られません。
しっかりと抱いてあげることが良いのは、人間の赤ちゃんも動物の子どもも同じなのか、いけないのか分かりません。

ソファーで、くつろぐ夫のそばにぴたりと身を寄せているのですが、、、
今度のお父さんは、どうなんだろうねぇ。

小さい子どものいる家なんだろうか。
馬は、何頭ぐらい飼われているのだろうか。
ツーリストゲルだとしたら、羊はいなくて、馬だけだろうね。

お母さんは、優しい人かしら。猫の好きな人だろうか。

暖かいアパートの住人だったら、本当は良いのだけれど。
言ってもせん無いことだよね。
飼い主さんの決めたことだからね。

ここまで、体力がついて大きく育ったのだから、あと少しの間でもたっぷり食べて、太るのよ。
寒さに耐えてね。しっかりがんばるのよ。
夏、遊びに行くから、元気でね。
その頃は、忘れてるだろうけど。。。
寒さに負けないで、がんばるのよ。
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パール …命の綱

2005年12月05日 | チンゲル亭裏日記

熱湯が鉄管を通って家に届き、ラジエーターで部屋が温められる設備をパールと言っています。

去年と違って、室温が24度を保たれるようになって、快適に過ごしていました。
外出から帰ったときちょっと温度が低いかなと感じたのですが、夕食の支度をしてレンジをつけましたから、気になりませんでした。

そして、まだ、何もかも途中で停電!
イヤーだぁーと思いつつ、まだ、薄明かりなので、落ち着いてろうそくをつけました。
ふと、気が付いてパールにさわると冷たい!

2重窓のせいで、結構保温されますが、一箇所窓ガラスに隙間のあるところがあります。
そのガラスは氷が張っていて、外が見えません。
数時間前にパールが止まっていたのです。

急に恐浮ェ襲ってきました。そして、だんだん外が暗くなってきました。
管理人のバイガルさんは、こんなときに限って電話が通じません。

停電は我慢できるが、暖房停止は、恐浮ナす。
夫は、会議中と知っていましたが、この際携帯メールを送るしかありません。
パールが切れたと言う内容に、さすがに折返し電話をくれました。

門番兼大工さんに夫からモンゴル語で、たずねてもらったら、間もなく点くよとのこと。
モンゴル人の間もなくは。。。と思ったとたん電気が点きました。
はぁー、良かった。と言うことは、パールも間もなくなのね。と当ても無いことなのだけれど、自分に言い聞かせます。

待つことしばし、何度かパールにさわり温度が上がっていることを確認しました。まだ、安心できない。

もうしばらく、やっと、さわると熱いくらいになりました。
よかったー。

マイナス20度を振り切っているこの時期に、パールが止まるのが一番浮「、浮「、こわーい。

多分、1階の部屋の工事をしていたので、そのため、に一事ストップしたのでしょう。落ち着くとそれが分かるのですが、それにしても、人騒がせな。
一言が無いのは去年から分かっていたけど、それは、廊下のペンキ塗りであったり、停電であったりだったから、しょうがないなぁ・・・で済んだのだけれど。
バイガルさーん、こんなときちょっと知らせてよね。
と言っても、彼女も知らなかったのだろうと思う。
工事をする人の勝手なのだから。。。この国は。

こんなときでも、ザザの体温があるということは、ちょっと救われた。
まさに、猫の手だった。
ザザや、ありがとう。
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ザザ プロジェクト

2005年12月04日 | チンゲル亭裏日記

ザザを返すプロジェクトが、眠れないままスタート。
とりあえず、預かりの仲介をしてくださった方に、報告のメール。
何度となく抱き上げでは、ゲルに住むことになると耳元でささやく。
今までは、あまり太らせないように気をつけてきました。
今日からは、寒いところで住むようになるのですから、太らせて脂肪のコートを一枚着せてあげることにしました。

手始めに、羊肉をゆでてあげました。
脂身が多かったのか、先にドライフードを食べていたせいか、においが初めてのせいか、恐る恐る近づいて、食べませんでした。

肉は、あげても牛肉や豚肉だったからねぇ。
明日からは、おなかをすかせてから、羊肉をあげることにしましょう。
ゲルではゆでた羊肉が多いだろうから。

夏になったら、ねずみをとって食べるのよ。
牧民さんのお父さんが喜ぶからね。
家でいっぱいサッカーをしたでしょう? あの要領でね。
ザザは、日本の鼓太郎とちがってきかん坊だから大自然の中で、直ぐになじんで元気に生きていけると思うよ。

日本だったら、お前の器量だったらインターネットで直ぐにでも里親さんが見つかるのにねぇ。
一生面唐ゥて上げられない我が家に、はじめから来なくても良かったんだけどね。
ここは、ウランバートルだからね。
私の思う最高の条件と、ザザの思う最高の条件とはちがうかもしれないし。
青空の下、自然の風を感じて自由に生きるのが、きっと良いはずよね。
幼いときに、カラスと対面しているから、きっとあの経験が生きてくると思うよ。
可愛がってくれる牧民さんのお父さんとお母さんだといいね。

がんばってね。
明日から、羊肉を食べようね。
ねずみを獲るときのために、生肉が良いのかな。
それとも、今からではねずみは獲れないのかなぁ。
まさか、夏の季節になる前にゲルに住むことになるとは思わなかったものね。
新しい環境に逞しく順応して頂戴ね。

今になって、気持ちがふらついている夫は優しくて、きっちり決めたらその方に向かっている私は冷たいのか。。。

ねぇ、ザザ。あと何日かねぇ。一緒にいられるのは。
かなり脱力するだろうね。
夫のほうが元気をなくすかもしれないなぁ。。。
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ザザ

2005年12月04日 | チンゲル亭裏日記

今朝のベランダの気温はマイナス20度を振り切っていました。
うっかり口で息をすると、寒さで咳き込みました。

例年に無く乾燥しているので、この温度になっても雪が降らないのです。
川の水は底まで凍っていました。
ザザのトイレ用の砂を河原に取りに行きましたが、5センチも砂をすくうとその下は砂も凍っていたそうです。

私は車の中から高みの見物をしていました。
鼻水をたらしながら「冷たい」の一言も言わないで車に帰ってきた夫は、私以上にザザのことが可愛いのだと言うことがよくわかります。

人づてに、ネコは私たちがお返しに行ったら、拾ってきたテレルジのキャンプに返されることになったと聞きました。
飼い主さんの職場では飼いきれないということになったようです。
そして、その彼にすみませんねぇ。と詫びられました。
ほんとの飼い主で無い人に詫びられるなんて。。。。。
私が悪人になったみたいな気がした。

夫の目が、「ほんとは、かえしたくない」と言っているように見えます。
私の膝の上にのびのびと座っているザザが、時折、どうしたの?とでも言うように、手で私のほっぺをちょいちょいとをつっつきます。

ザザは顔に手を伸ばしてくるときは、爪をしっかり隠して肉球が心地よい冷たさでやわらかくあたります。
そんなお利巧なしぐさは、うちに来たときに既に身につけていました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

あとは、お返しに行く日を決めるだけです。
心なしか、夫の目が潤んでいるような。
言葉では、「一番それが良い」としか言いません。

日付が変わっても、目が冴えて。。。
そばで、ザザがシャガーでサッカーを無心にやっています。
骨で出来たシャガーがこつんこつんと音を立て、時折ザザの飛び上がる音、しばしの沈黙、またこつん。。。
 
キャンプに行ったら、こんなに滑らかな良くすべる床はなくなるよ。
今度は、何を追いかけて遊ぶのかな。
ちゃんとねずみを獲ることが出来る?

馬飼いの小父さんに可愛がってもらえるようにね。
今度は、トイレの砂を取り替えるまでウンチを待っていなくても、どこでも新しい土の上で出来るからね。
土が白く氷や雪で覆われる前に、返したほうが良いね。

24度の部屋の中ですごしていた子が、ゲルの寒さに耐えられるだろうか。

フニー、ニャぁー、ニィー、と鳴く声はまだ子ども。
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ユス

2005年12月04日 | チンゲル亭
今日は、特別に寒くなりました。

冬になると、9日ごとに寒くなり、9日かける9回の81日間が寒い冬なのだそうです。
その9回のうちの真ん中の3回が一番寒い時期で、旧正月のツァガンサルの前後ということになります。

それを「ユス(九)が始まった。」と言うそうです。

昨日今日のあまりの寒さに「ユスがはじまった」と言う人がいたとか。

夕方、バイガルさんと窓つくりの職人さんが家に来たときに、「ユスが始まったんですってね。」と訳知り顔に言ったら、ユスは12月22日からですと教えてくれました。

昨日今日の寒さは、手持ちのダウンではちょっと心細い。
膝が隠れる丈で、暖かいのがほしいなぁ。



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きれい好き II

2005年12月03日 | チンゲル亭裏日記

去年の私の感覚は、モンゴルの人たちは、「きれい好き」とは決して思っていませんでした。

街のどこへでもごみは捨てるし、ガムははき捨てる、つばを吐く、氷が解けると吹き溜まりからどっさりごみが出てくる。
厳冬はゲルの中に子羊を入れて飼っているし、ツァータンの見学に行ったら、座れといわれたシートには、動物のウンチが付いていたし。
馬方さんのデールは、汚れっぱなし。食器は拭くだけ。爪は真っ黒。

遊牧の生活は、その広大な平原と乾燥した気候によって成り立っているのだと思います。
今のように、石油製品が生活に入ってこないときは、ごみほとんどでないのですが、たまさか出来たとしてもすべて土に帰ります。
汚れはふき取れば十分、乾燥しているため細菌が繁殖しないし、悪臭が発生することも無い。

日本の湿度は細菌の発生を促し、ちょっとでも汚れが残っていると悪臭やカビが出ていました。
そのために、せっせと大量の水のあるおかげで洗い流すことが出来ますし、そうして、細菌を限りなくゼロに近づけるのです。

乾燥しているということがどんなものなのか、湿度40%の世界に住んでみないと経験の無い人には、わからりにくいでしょうね。
去年の10ヶ月の滞在では、分かりませんでしたから。

子どもたちに体を寄せて、息がかかるくらいに近づいて話していくうちに突然のように、そのことに気が付いたのです。
子どもたちの真っ白い目の玉と、真っ白い歯を見ていると、そんな気がしてきたのです。

外からいろんなものが入ってくる中で、特別乾燥や超低温に強い菌が入ってきたとしたら、モンゴルに無い病気の感染をしたら恐ろしい。

特にUBは人口が密集しているので、今までとちがった清潔観と正しい知識が必要になってきているのは確かです。

ただし、今の日本のような過剰な清潔観は問題ですが。
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