福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

PD手帳

2005年12月03日 |  〇文化・歴史


△ネット放送で見たドキュメント番組「PD手帳」

遅ればせながら、11月22日にMBCが放送した「PD수첩(PD手帳)」
という調査報道番組をインターネットで見た。

その日、PD手帳が放送したテーマは、

■ 황우석 신화의 난자 의혹
ファン・ウソク神話の卵子疑惑

国益を害するとの「愛国的」世論が沸騰する中、この放送を
きっかけに、10社を超えるすべてのスポンサー企業が広告契約を
取り消したという「いわく」つきの番組だ。

韓国で大きな社会問題になっているし、一応、目を通してみるかと
いう程度の軽い気持ちで見はじめたのだが、いまさらながら内容の
深刻さに驚いてしまった。

と同時に、番組制作者のジャーナリストとしての使命感と良心に
深い感動を覚えざるを得なかった。

久しぶりに硬派で骨太の報道番組を見た。

以下、「オタク」なりにレポートしてみる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2004年の2月、核を除去した新鮮な人間の卵子に別の人間の
体細胞の核を移植するという方法でES細胞(万能細胞)を複製する
ことに成功したソウル大学のファン・ウソク教授チーム。

彼は一躍、世界的な科学者となり、同時に韓国の英雄になった。

しかし、その華々しい成果の影で、研究に使用された大量の卵子の
入手経路について、まず海外から疑惑の目が向けられることになる。

元来、卵巣に直径3ミリの大きな針を突き刺し卵子を吸引する卵子
摘出手術には、様々な後遺症や副作用の危険性があり、アメリカ
でも研究用卵子の「購入」が非常に困難な状況にある。

また、倫理的な問題もあり、現在、アメリカ以外の先進国では卵子の
売買は許されていない。

韓国でも2005年の1月には「生命倫理及び安全に関する法律」が
施行され、卵子の売買が禁止された。

PD手帳は、ファン教授の研究に使われた600個を超える卵子の
入手経路について、独自に入手した研究チームの卵子「寄贈(提供)者」
名簿を元に、「寄贈(提供)者」たちの証言を拾い集めながら、
違法な卵子売買の実態を徐々に明らかにして行った。

研究用に提供された卵子の摘出手術を実施した病院の院長は、
ついに、過去、ファン教授の研究チームに提供された卵子が、
売買によって入手されたものであることを認めた。

これには、病院に女性を紹介していた卵子の密売ブローカーが
摘発され、真実を隠せなくなったという事情も大きく作用した。

この院長は、アメリカのサイエンス誌に掲載されたファン教授の
論文には共同研究員として名前が出ていないにもかかわらず、
関連の特許出願書には特許持分の40%が配分されている人物
である。実は、彼こそがファン教授を中心とする「研究(将来のES
細胞複製ビジネス?)」を事実上、裏で支えてきた人物であった
のだ。

その人物が、卵子ブローカーを通じて紹介された女性たちから
研究用の卵子を摘出した事実を認めたわけだから、「崇高な自発的
行為によって寄贈された卵子のみを使用した」と繰り返し主張して
きたファン教授の証言の信憑性は根底から崩れ去ったのである。

女性に支払われた対価は一人当たり約15万円であったという。

また、PD手帳では、ファン教授の研究を倫理面から保障した
ハンヤン大学倫理委員会の問題性や、ファン教授の倫理問題に
ついて「国益護持」を前面に押し立てながらファン教授擁護の
キャンペーンを繰り広げてきた大手新聞社の姿勢などについても
批判を加えた。

現在、ファン教授をめぐる疑惑は、こうして一部明らかになった卵子の
入手経路の問題のみならず、ES細胞研究の成果自体の信憑性にまで
拡大している。成功したとされる細胞複製自体が「にせもの」であった
可能性まで指摘されているのである。

「オタク」としては、今後の展開から目が離せなくなった。

最後に、「PD手帳」の製作責任者である최승호(チェ・スンホ)
プロデューサーが番組の最後で視聴者に訴えかけた内容を
紹介しておこう。


시청자 여러분 어떻게 보셨습니까?꼭 방송을 해야 되겠느냐는
시청자 여러분의 염려와 분노를 느끼면서 저희들은 많은 고민을
했습니다.
視聴者のみなさんはどうご覧になりましたか?こういう番組をなぜ
放送するのだという、みなさんのご心配や怒りを肌で感じながら、
私たちは深く悩みました。

그러나 만약 저희들이 방송을 하지 않는다면 한국 사회는 이
문제를 검증할 의지도 능력도 없다는 것을 드러내는
것일 뿐입니다.
しかし、もし私たちが放送しなければ、韓国社会にはこの問題を
検証する意志も能力もないことを世界に示すことになるだけです。

지금 방송하지 않는다면 잠시 감출수는 있겠지만
장기적으로는 더 큰 국익을 잃을 수 밖에 없다는 것이 저희
판단이었습니다.
今、放送しなければ、しばらくの間は問題を隠しておけるでしょうが、
長期的にはもっと大きな「国益」を失うことになる、というのが
私たちの下した判断でした。

정부도 언론도 조사하거나 취재하지 않고 황우석교수가 무슨
결론을 내리는가만 보고 있는 상황에서는 어떤 결론이 나더라도
의혹이 커질 것이며 한국 과학계의 국제적인 신뢰도는 추락할수
밖에 없습니다.우리는 황우석교수가 지금이라도 진실을
밝히기를 바랍니다.
政府やマスコミが調査も取材も一切行わず、ファン・ウソク教授の下す
結論のみを待っているような状況では、たとえどういう結論が下され
ようとも、疑惑は拡大し韓国の科学界の国際的な信頼度は地に
落ちるしかありません。私たちは、ファン・ウソク教授が一刻も早く
真実を明らかにすることを望んでいます。

그리고 정부 또한 난자를 기증하는 시스템을 정비하고 연구 진행
과정의 윤리문제를 확고하게 담보할수 있도록 노력하기를
기대합니다.
そして政府もまた、研究過程における倫理確保のため卵子寄贈に
関わるシステム整備に努力するよう期待してやみません。

(終わり)


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紅白歌合戦

2005年12月03日 |   〇日韓関係

보아 4년 연속 NHK '홍백가합전' 출연
BoA、4年連続 NHK 「紅白歌合戦」 出演

連合通信が12月2日付けで伝えたニュースだ。

ところで、この「紅白歌合戦」。

僕は今まで、これを「가요 홍백전(歌謡紅白戦)」と訳すのが、
韓国語的表現だと固く信じていた。韓国では旧正月に「가요 
청백전
(歌謡青白戦)」というMBCの歌番組があるし、その表現に
ならって訳して来たのだ。

しかし、最近、目にする韓国の紅白関連の外信報道では、直訳調の
홍백가합전(紅白歌合戦)」が使われていることが多い、という
ことに気がついた。

気になったので、例によってYahoo! Koreaでウェブ文書検索に
かけてみた。すると意外にも、「紅白歌合戦」については直訳調が、
むしろ一般的であることがわかった。

また、韓国の「歌謡青白戦」という番組が、そんなに人気のある
番組ではないことも立証(?)された。

以下、ヒット数を紹介しておく。


홍백가합전(紅白歌合戦)  6,280
가요 홍백전(歌謡紅白戦)    642 
NHK 홍백전(NHK 紅白戦) 1,970

가요 청백전(歌謡青白戦)    534  

 

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強気なコメント

2005年12月03日 |  〇語彙と表現

今日の日韓翻訳練習の課題には「流行語大賞」関連の記事を選んだ。

その記事の中で出てきた「強気なコメント」という表現で少し悩んだ。
僕がよく使っているネイバーの日韓辞典で「強気」を確認すると
강경(強硬)」という漢字語を当てていた。

辞典の説明が、実際と微妙にずれていて頼りにならない、という
ことはよくある。

今回も自分で考えて結論を出すしかなかった。

「強気」という表現は、文脈によっては「強硬」よりも「攻撃的」「積極的」
あるいは「自信満々」などの漢字表現に近いニュアンスを持つ言葉だと思う。

今日の記事の中では、文脈から考えて「자신만만(自信満々)」という
表現を使って訳してみた。

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今年の流行語大賞、「小泉劇場」と「想定内(外)」
(読売新聞)
올해 유행어 대상 "고이즈미극장"과 "예상한 범위내(외)"

世相を反映した「新語・流行語大賞」(自由国民社主催)の今年の
年間大賞に1日、「小泉劇場」と「想定内(外)」が選ばれた。
2005년 한해 동안의 세태를 반영한 "신어,유행어 대상"(자유국민사
주최)에 "고이즈미 극장"과 "예상한 범위내(외)"가 선정됐다.

自民党が大勝した衆院選がらみでは、「刺客」もランクイン。
「小泉劇場」を演出した自民党の武部勤幹事長(64)が都内での
表彰式に出席し、「今後は小泉劇場を小泉オペラまで高めていきたい」と、
得意顔だった。
자민당이 대승을 거둔 중의원선거와 관련해서 "자객"도 랭킹에
진입했다."고이즈미극장"을 연출한 자민당 다케베 쓰토무 간사장(64)은
도쿄 시내에서 열린 시상식에 참석해서 "앞으로는 고이즈미극장을
고이즈미오페라로 끌어올리고 싶다"며 만족스러운 표정이었다.

ニッポン放送株を巡るフジテレビとの攻防で、「想定の範囲内」と強気の
コメント
を繰り返したライブドアの堀江貴文社長(33)は、「上半期に
はやった言葉が思いの外、生き延びた。ぼくにとってはそれが想定外です」と、
会場の笑いを誘った。
닛폰방송 주식 매입을 둘러싸고 후지텔레비와 공방을 벌이면서 "예상한
범위내"라는 자신만만한 발언을 되풀이한 라이브도어 호리에 다카후미
사장(33)은 "상반기에 유행한 말이 아직도 유행중이라니 그것은 내가
예상한 범위외"라면서 참가자들의 웃음을 자아냈다.

(終わり)


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