一般に韓国の大学入試をめぐる「受験戦争」は、日本以上に
激烈である。
しかし、高校進学段階までは、それほど激烈な競争はない。
「ヲタク」の韓国体験&観察の基点となっている釜山にも、
いわゆる「特殊目的高」(90年代以降)や「自律型私立高校」
(2000年代以降)などといった新しいタイプの「名門」
進学校が3、4校、存在しているのは事実だ。
しかし、そうした高校でも、生徒の選抜は、中学の内申成績と
面接、あるいは実習などを通じて行い、いわゆる入試
(ペーパーテスト)は、基本的に課さない。
市内の一般の普通高校では、志願者が定員を上回った場合、
一定レベル(市内普通高校共通のカットライン)以上の
内申成績の志願者を対象に抽選で入学者を決定し、
結果的に、市内の普通高校の間に極端な学力格差や序列が
生じないようにしている。
そして、そうした入学者の抽選・振り分け作業の一切は、
市の教育庁が行い、各高校が直接、タッチすることはない。
また、この制度には、原則的に公立・私立の全ての高校が
組み込まれており、いわゆる実業系高校でも、入学者の
抽選・振り分け方式は、カットラインが低めに設定される
以外は、上に述べた普通高校と同じで、結果的に実業系
高校の間に極端な序列が生じないようになっている。
この制度は、韓国語で、いわゆる「고교평준화(高校平準化)」
政策と呼ばれているもので、釜山ではソウルとともに全国で
最も早く、1970年代から実施されている。
この制度の目的は、ひとえに高校入試をめぐる受験競争の
激烈化を抑える点にある。
現在までのところ、この制度は一定、目的を達しており、
国民や教育現場で、大方の支持を受けているが、全く問題が
ないわけではない。
ここでは、釜山日報の「読者の声」欄から、「高校平準化」の
一部手直しを求める、一人の保護者の意見を紹介してみたい。
なお、翻訳練習では、「高校平準化」を「学校群制度」と
訳してみた。
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■[독자마당] 고교평준화 보완을
[読者の声] 高校進学、学校群制度の補完を
(釜山日報 2月7日)
최근 고등학교 배정 작업이 끝났다. 하지만 딸은 자신이
가고 싶어했던 고교를 선택받지 못해 기분이 상했다.
희망 고교는 집에서 가깝고 그 학교에서 실시한 학력경시
대회에서 딸이 우수한 성적으로 3년간의 수업료까지
장학금으로 지급받게 돼 있었기 때문이다. 그러니 본인
의사와 상관 없이 다른 학교로 배정받은 딸의 마음이
어찌 편할까.
最近、釜山では高校振り分け作業が終わった。しかし、私の
娘は、自分が行きたかった高校には入れず、落胆している。
希望する高校は家からも近く、その高校が実施した中学生
対象の学力コンクールで娘は優秀な成績を上げ、3年間の
授業料も奨学金受給の形で免除されることになっていた
からだ。そういう事情もあったので、本人の希望とは関係なく
他の高校に振り分けられた娘の気持ちを思うと不憫で
ならない。
현재 고교평준화 제도에서는 추첨에 의한 학교 배정으로
학생 본인의 학교 선택권이 제한돼 있다. 광역 학군과
지역 학군에서 2개교 씩 지원하게 돼 있으나 지원
희망자가 많은 학교는 결국 추첨으로 배정하기 때문에
지원 학교에 추첨되지 않은 학생은 본인 선택과 관계없이
학교를 배정받는다. 고교평준화 취지에는 공감하지만
성적이 좋은 학생이 원하는 학교에 진학할 수 있도록
일정비율은 성적에 따라 학생을 선발했으면 한다.
現行の学校群制度では、抽選による学校決定により
生徒本人の学校選択権が制限されている。広域学校群と
地域学校群からそれぞれ第1志望、第2志望の2校ずつ
記入できるようになってはいるが、志願者が多い高校は、
結局、(中学校の内申成績でカットライン以上の層の志願者を)
抽選で選ぶので、抽選にもれた志願者は、本人の選択とは
関係なく、第1志望以外の学校に振り分けられてしまう。
学校群制度の趣旨には賛成しているが、成績優秀な生徒が
希望する高校に進学できるように、定員の一定割合は、
内申成績の上位から順に生徒を選抜してはどうかと思う。
그렇게 하면 일반 인문계 고교에도 자극 요인이 되어
고교평준화에 따른 학력 하향을 어느 정도 보완할 수
있고 중학생들도 자신이 원하는 학교의 지원율이
높으면 더 열심히 공부하지 않을까 싶다.
そうすれば、一般の普通高校にも刺激になり、学校群制度に
よる学力低下問題も、ある程度、補完できるし、中学生も
自分が行きたい高校の志願率が高ければ、もっと一生懸命、
勉強するようになるのではないだろうか。
곽규현·부산 금정구
カク・○○/プサン市金井区
△「この4月から上の子2人が
高校生になったから、韓国の
高校に関心を持ち始めたわけだな」
「わかりやすい中年男よのう・・・」
△「ヲタクさんに、そんな
大きな子どもがいるなんて
信じられない・・・」
「そう言えば、この前、ある若い女性から、
まだ独身みたいだって言われて、
喜んでましたね。うふふふ。ばかみたい」
(終わり)