昨日同様に東京ホーラムでの「富士通フォーラム2006」の特別講演会を聴講した。
今日は、東京工大大山永昭教授の『「IT新改革戦略」の実現に向けて』と言う~いつでも、どこでも、誰でもITの恩恵を実間できる社会の実現~を目指した政府のIT戦略の講演があった。
ところが、先日、このブログでも触れたダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」で、左脳主導のITC主体の知識情報化社会はもう古い、今や、第4の波・右脳主導の「コンセプトの時代」に入っており、「新しいこと」を考え出す人でなければ生きて行けない、と言う経営哲学が強烈に頭に残っている。
そのために、政府のITC戦略や、IT,ITと言う日本企業の動向、今回の富士通の「経営とITの一体化で勝つ」と言うテーマにも殆ど新鮮みを感じなくなってしまった。
アメリカは、もう一歩先を歩き始めた。日本は、遅れているのではないか、と言う何時もの感覚である。
IT,ITC革命は、大変なイノベーションで、正に第三次産業革命だと思う。
しかし、このITも、先に産業革命を主導した蒸気機関や電気、電話・電信、鉄道、自動車等々も、謂わば結果的にはコモデティのような黒衣であって、生産性を革命的に引き上げて大きく産業社会を変革し物質文明を豊かにしてくれたが、触媒のようなエネルギーと言うか所謂エンジンであった。
そんな意味もあって、ITそのものの発達・発展も、利便性の高い文化生活を満足させてくれるかも知れないが、それが、人間にとって本当に幸せなことなのかどうかと考えざるを得なくなって来た。
まして、生産性のアップには繋がるかも知れないが、魂と哲学の伴わない経営とITとを結び付けても、空回りするだけであろう。
それに、実生活においても、ロボットに出迎えを受けて部屋に案内されたり、ユビキタスIT化で、朝に目を覚ませば、自然に音楽が流れてカーテンが開いてブレックファーストも用意されていて、・・・と言ったナンセンスなIT生活が本当に幸せなのであろうか。
次は、『企業「改革と経営」の要諦』と言う演題の伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長の講演であった。
日頃は、専門であったのか食料の話をするのだが、今日は、日本の科学と技術に対する危機意識のなさを説き、オール日本研究体制を提唱。
あのブッシュでさえ、科学技術重視の国家戦略を推進しているのに、日本はお粗末な限りで、国家の科学技術関連予算を統一し、国立研究所を立ち上げ、知の集積を生み出す環境を整備するなど、早急に抜本的な対策を打たない限り、日本で、イノベーションの爆発は有り得ない。
斜陽のゴルフ場を2つ位10億円程度で買い取れば研究施設は立派に建つ。イノベーションは、T+M+F,即ち、技術とマーケティングとファイナンスで、この開発競争に負ければ明日の日本はないと言う。
日本の企業もやっと過去の精算を終えたが、これからは、如何に新しい収入源を見つけ出すかと言うことである。
その為には、技術開発の促進以外に方策はなく、税制上の恩典と同時に技術大国日本を支えている中小製造業の支援策など抜本的な手を打たなければならないと言う。
いずれにしろ、丹羽会長の指摘は、国家戦略も企業の経営戦略も、如何に科学技術を重視した政策を立ち上げてイノベーションの爆発を誘導・誘発させるかと言うことである。
しかし、真っ先に、互換性の利くスペアパーツばかりを育てている日本の教育を、創造性を養う、そして、ピンクの言う右脳を養い活性化する新しい教育体勢に変革しない限り不可能であろう。
先日の党首討論で小沢代表の教育論争に対して識見のなさを暴露した首相と文部省主導の教育では日本の将来は暗い。
次に聞いたのは、島田晴雄慶應大学教授の「日本経済の展望と構造改革の真の課題」という講演。
御用学者の小泉・竹中経済政策の絶賛と擁護は何時ものとおりで、馬耳東風を決め込んだ。
しかし、隠し遂せないのは日本の惨状で、小泉改革がいくら成功しても、財政赤字、労働力の減少、貯蓄率の低下、地方の疲弊等によって惹起される日本の異常に悪化した慢性的な経済社会問題は殆ど解決不能であることを認めている。
解決の島田で有名だと言いながら、いくらか解決策らしいものを述べていたが、殆ど焼け石に水。
8000万円の借金を抱えた年収400万円の人間が、毎年400万円借金しながら生活している異常さをどう解決するのか。国際競争力がどんどん落ちてしまって、並みの二流国への道を突っ走っている悲しい現状が、わが祖国なのであろうか。
貯金があると思っている国民が国の借金を肩代わりしているだけの花見酒の経済を何時まで続けて行くのか。気がついた時には、終戦当時の借金棒引き徳政令、これ以外にない悲しい現実でもある。
しかし、その時には、今生きている人間は亡くなりこの世にいないので、痛みを感じなくてすむ、丹羽宇一郎会長は、団塊の世代ではなくて「食い逃げ世代」だと言っていたが、こうなればもう正真正銘の「植木等」の世界である。
今日は、東京工大大山永昭教授の『「IT新改革戦略」の実現に向けて』と言う~いつでも、どこでも、誰でもITの恩恵を実間できる社会の実現~を目指した政府のIT戦略の講演があった。
ところが、先日、このブログでも触れたダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」で、左脳主導のITC主体の知識情報化社会はもう古い、今や、第4の波・右脳主導の「コンセプトの時代」に入っており、「新しいこと」を考え出す人でなければ生きて行けない、と言う経営哲学が強烈に頭に残っている。
そのために、政府のITC戦略や、IT,ITと言う日本企業の動向、今回の富士通の「経営とITの一体化で勝つ」と言うテーマにも殆ど新鮮みを感じなくなってしまった。
アメリカは、もう一歩先を歩き始めた。日本は、遅れているのではないか、と言う何時もの感覚である。
IT,ITC革命は、大変なイノベーションで、正に第三次産業革命だと思う。
しかし、このITも、先に産業革命を主導した蒸気機関や電気、電話・電信、鉄道、自動車等々も、謂わば結果的にはコモデティのような黒衣であって、生産性を革命的に引き上げて大きく産業社会を変革し物質文明を豊かにしてくれたが、触媒のようなエネルギーと言うか所謂エンジンであった。
そんな意味もあって、ITそのものの発達・発展も、利便性の高い文化生活を満足させてくれるかも知れないが、それが、人間にとって本当に幸せなことなのかどうかと考えざるを得なくなって来た。
まして、生産性のアップには繋がるかも知れないが、魂と哲学の伴わない経営とITとを結び付けても、空回りするだけであろう。
それに、実生活においても、ロボットに出迎えを受けて部屋に案内されたり、ユビキタスIT化で、朝に目を覚ませば、自然に音楽が流れてカーテンが開いてブレックファーストも用意されていて、・・・と言ったナンセンスなIT生活が本当に幸せなのであろうか。
次は、『企業「改革と経営」の要諦』と言う演題の伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長の講演であった。
日頃は、専門であったのか食料の話をするのだが、今日は、日本の科学と技術に対する危機意識のなさを説き、オール日本研究体制を提唱。
あのブッシュでさえ、科学技術重視の国家戦略を推進しているのに、日本はお粗末な限りで、国家の科学技術関連予算を統一し、国立研究所を立ち上げ、知の集積を生み出す環境を整備するなど、早急に抜本的な対策を打たない限り、日本で、イノベーションの爆発は有り得ない。
斜陽のゴルフ場を2つ位10億円程度で買い取れば研究施設は立派に建つ。イノベーションは、T+M+F,即ち、技術とマーケティングとファイナンスで、この開発競争に負ければ明日の日本はないと言う。
日本の企業もやっと過去の精算を終えたが、これからは、如何に新しい収入源を見つけ出すかと言うことである。
その為には、技術開発の促進以外に方策はなく、税制上の恩典と同時に技術大国日本を支えている中小製造業の支援策など抜本的な手を打たなければならないと言う。
いずれにしろ、丹羽会長の指摘は、国家戦略も企業の経営戦略も、如何に科学技術を重視した政策を立ち上げてイノベーションの爆発を誘導・誘発させるかと言うことである。
しかし、真っ先に、互換性の利くスペアパーツばかりを育てている日本の教育を、創造性を養う、そして、ピンクの言う右脳を養い活性化する新しい教育体勢に変革しない限り不可能であろう。
先日の党首討論で小沢代表の教育論争に対して識見のなさを暴露した首相と文部省主導の教育では日本の将来は暗い。
次に聞いたのは、島田晴雄慶應大学教授の「日本経済の展望と構造改革の真の課題」という講演。
御用学者の小泉・竹中経済政策の絶賛と擁護は何時ものとおりで、馬耳東風を決め込んだ。
しかし、隠し遂せないのは日本の惨状で、小泉改革がいくら成功しても、財政赤字、労働力の減少、貯蓄率の低下、地方の疲弊等によって惹起される日本の異常に悪化した慢性的な経済社会問題は殆ど解決不能であることを認めている。
解決の島田で有名だと言いながら、いくらか解決策らしいものを述べていたが、殆ど焼け石に水。
8000万円の借金を抱えた年収400万円の人間が、毎年400万円借金しながら生活している異常さをどう解決するのか。国際競争力がどんどん落ちてしまって、並みの二流国への道を突っ走っている悲しい現状が、わが祖国なのであろうか。
貯金があると思っている国民が国の借金を肩代わりしているだけの花見酒の経済を何時まで続けて行くのか。気がついた時には、終戦当時の借金棒引き徳政令、これ以外にない悲しい現実でもある。
しかし、その時には、今生きている人間は亡くなりこの世にいないので、痛みを感じなくてすむ、丹羽宇一郎会長は、団塊の世代ではなくて「食い逃げ世代」だと言っていたが、こうなればもう正真正銘の「植木等」の世界である。