TIMEの最新号の世界の100人に小泉首相が選ばれた。
INVENTING JAPANの著者ブルマ教授のコメントは冒頭から、小泉純一郎の最も面白いことは、彼は面白いと言うことであると意味深なことを言う。
これまでの首相は背後で政治工作ばかりに明け暮れて何の面白みもなかったが、小泉首相は、マスメディア、特にTVを最大限に活用して、見栄えの良さと単刀直入にものを言う一匹狼を前面に押し出して大衆にアピールしたと言うのである。
小泉首相は、政治をセレブの時代にしていまったのであるから、その後継者は、派閥間の裏取引で選ばれるような色の付かない雇われ政治家では最早あり得ないし、良かれ悪しかれ、真に国民の人気者でなければならない、とブルマは言う。
政治については、元々祖父が大臣であったし、生まれた時から政治の世界で羽ばたけるよう訓練されていて、政治のエスタブリッシュメントの部外者ではなかったと言っているが、主流派ではなかったことには触れていない。
郵政民営化には成功したが、公約の改革については殆ど手付かずで、主導した主たる外交は、平和憲法を差し置いたイラク派兵のみ。
自説を押し通して、靖国神社の戦犯を含めて日本の戦争行為を賛美し続けることによって他のアジア人を離反させている、とも言う。
大方の欧米人の小泉首相に対する感想の最大公約数は、こんなものであろうか。
さて、靖国問題であるが、今度の来日で、ジョセフ・ナイ教授が、「日本の首相は、靖国神社への参拝の権利は保留するが、参拝はしない」とするのが現実的な解決策だと言った。
聴講者の「たとえ靖国参拝を止めても中国は又別な問題を持ち出してくるのでは」と言う質問に対して、中国のカードを一枚でも減らすことだと苦笑交じりに応えていた。
このシンポジュームで、アメリカの極めて影響力の強い識者と当事者達の大方の見解は、中国等のアジア諸国に、この靖国問題が日本攻撃の為の恰好の外交カードとして利用されていると言うことであった。
簡単に言えば、民主主義の国、文明国である日本としては、大人の対応ではないと言うことであろう。
私は、小泉首相の政策や政治に対しては、色々意見は持っているが、古い自民党の派閥体質を叩き潰すなど、日本の新しい政治経済および社会環境を大きく変えた、いわば、一種の創造的破壊者としての功績は認めている。
しかし、後になって、小泉治世が評価される時に、この靖国問題と良好とは言い難い現実のアジア外交については禍根を残すことになるのではないかと思っている。
今、アフリカ外遊中の小泉首相は、各地で日本の国連安保常任理事国入りをアピールしているが、それだけに余計にそう思う。
心の問題だと首相は言うが、心があれば尚更である。
INVENTING JAPANの著者ブルマ教授のコメントは冒頭から、小泉純一郎の最も面白いことは、彼は面白いと言うことであると意味深なことを言う。
これまでの首相は背後で政治工作ばかりに明け暮れて何の面白みもなかったが、小泉首相は、マスメディア、特にTVを最大限に活用して、見栄えの良さと単刀直入にものを言う一匹狼を前面に押し出して大衆にアピールしたと言うのである。
小泉首相は、政治をセレブの時代にしていまったのであるから、その後継者は、派閥間の裏取引で選ばれるような色の付かない雇われ政治家では最早あり得ないし、良かれ悪しかれ、真に国民の人気者でなければならない、とブルマは言う。
政治については、元々祖父が大臣であったし、生まれた時から政治の世界で羽ばたけるよう訓練されていて、政治のエスタブリッシュメントの部外者ではなかったと言っているが、主流派ではなかったことには触れていない。
郵政民営化には成功したが、公約の改革については殆ど手付かずで、主導した主たる外交は、平和憲法を差し置いたイラク派兵のみ。
自説を押し通して、靖国神社の戦犯を含めて日本の戦争行為を賛美し続けることによって他のアジア人を離反させている、とも言う。
大方の欧米人の小泉首相に対する感想の最大公約数は、こんなものであろうか。
さて、靖国問題であるが、今度の来日で、ジョセフ・ナイ教授が、「日本の首相は、靖国神社への参拝の権利は保留するが、参拝はしない」とするのが現実的な解決策だと言った。
聴講者の「たとえ靖国参拝を止めても中国は又別な問題を持ち出してくるのでは」と言う質問に対して、中国のカードを一枚でも減らすことだと苦笑交じりに応えていた。
このシンポジュームで、アメリカの極めて影響力の強い識者と当事者達の大方の見解は、中国等のアジア諸国に、この靖国問題が日本攻撃の為の恰好の外交カードとして利用されていると言うことであった。
簡単に言えば、民主主義の国、文明国である日本としては、大人の対応ではないと言うことであろう。
私は、小泉首相の政策や政治に対しては、色々意見は持っているが、古い自民党の派閥体質を叩き潰すなど、日本の新しい政治経済および社会環境を大きく変えた、いわば、一種の創造的破壊者としての功績は認めている。
しかし、後になって、小泉治世が評価される時に、この靖国問題と良好とは言い難い現実のアジア外交については禍根を残すことになるのではないかと思っている。
今、アフリカ外遊中の小泉首相は、各地で日本の国連安保常任理事国入りをアピールしているが、それだけに余計にそう思う。
心の問題だと首相は言うが、心があれば尚更である。