熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

佐倉城址公園の黄菖蒲

2007年05月22日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   佐倉城址公園は、むんむんする新緑で爽やかだが、咲いている花は池畔の黄菖蒲と睡蓮だけ、随分静かである。
   面白いのは、菖蒲湯に使う本当の菖蒲はさといも科の植物で全く違うし、花菖蒲は日本で改良された純日本のアヤメ科の植物であるが、この口絵の黄菖蒲は明治時代に渡来したヨーロッパ原産の花で野生化したものだと言う。
   いずれアヤメかかきつばた?と言われるように、何度聞いても、アヤメと花菖蒲とかきつばたの区別がつかなくて困っている。
   花菖蒲については、夫々お殿様が力を入れて開発したので、江戸系、肥後系、伊勢系と、実に華やかで美しい。
   これから、各地で菖蒲祭りが催されて賑わうことであろう。

   黄菖蒲に混じって青紫の野花菖蒲が咲いている。
   関西に居た子供の頃に見た花はアヤメで、この野花菖蒲に良く似ていて何となく懐かしい。
   豪華だが、花びらがひらひら弱弱しくて、その上、大きすぎて垂れ下がっている花菖蒲よりも、この黄菖蒲や野花菖蒲のように野性に近くピンと花びらが張って凛としている花の方が好きである。
   無理に人間好みに作り上げられたようで、丁度、ランチュウを見ている感じがして気の毒になってしまう。
   同じ様な感じで、色はパステルカラー調で多少優しいが、ジャーマンアイリスの花もそんな派手な雰囲気で、過ぎたるは及ばざるが如しということである。

   沢山の黄菖蒲が菖蒲園の湿地帯にも咲いているが、池畔の岸辺から乗り出して咲いている黄菖蒲や野花菖蒲の方が風情があって良い。

   池畔びっしり敷き詰められた睡蓮の上に、15センチほどの小さな白い睡蓮が沢山花を咲かせている。
   睡蓮の葉っぱの隙間から亀が顔を覗かせて伸びをしており、大きな蛙が葉の上に飛び乗って憩っている。
   緑陰のトンネルを通り抜けて流れてくる冷気に揺れながら木漏れ日が水面を舞う。
   ウグイスが木陰から綺麗な声で囀り続けている。
   如何にも長閑な午後のひと時で、城跡も、廃墟になって植物や小鳥達の天下になってしまうと、全く装いを変えてしまうのが面白い。

   
コメント
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