東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

石油恐怖症4

2007-09-19 08:42:52 | 社会・経済

ゼロ戦というアメリカに対して絶対的優位に立つ戦略兵器を使ってホップ・ステップ・ジャンプ作戦を行ったらよいのだ。最初に連合艦隊はサンディエゴを急襲してアメリカ海軍の残存艦船を殲滅する。続いてカリフォルニアに強襲上陸し重爆撃機により西部諸州を制圧する。カリフォルニアの油田とシアトルの航空機工場を無傷で獲得できれば上出来である。

アメリカは多分油田に火を放って退却するだろう。当時の日本の重爆撃機の航続距離は三千キロ弱か。ゼロ戦は十分護衛の任をはたせる。開戦当時はアメリカの爆撃機の性能も日本と似たようなものだから(開発中のB15は実戦配備されず)、ロッキー山脈のはるかかなたからアメリカの爆撃編隊がカリフォルニアの日本軍基地上空に現れる恐れは無い。

ゼロ戦の航続距離が長いということの利点は偵察機としてより敵軍の近くで、しかも長時間哨戒活動が行えるということである。アメリカ軍の逆襲をよりはやく探知できる。当時はレーダーなどなかった。

ゼロ戦のもう一つの特徴は空中での格闘能力が格段に優れていたことである。ゼロ戦の迎撃にあえば戦闘機に護衛されていてもアメリカの爆撃機は日本軍基地には近づくことはできない。

予断だが、昭和17年6月、アリューシャン列島に不時着したゼロ戦をほとんど無傷でアメリカ軍は獲得した。ゼロ戦の戦闘性能が徹底的に検証されゼロ戦に対する戦法が作られた。それがパイロットに教育されて運用されたのは昭和18年以降だったろう。その戦法というものはゼロ戦1機にたいしてアメリカの戦闘機が3機以上の割合を保つ場合にのみゼロ戦との戦闘を許している。

戦法もきわめて限られたもので、上空からの「一撃離脱戦法」といわれるものである。要するに、気づかれないうちに上空背後から急降下して一回射撃を与えてすばやく逃げ込むというものだ。それも三機以上が束になって一機のゼロ戦に襲いかかれる場合に限られる。

そこでだ、ホップ・ステップ・ジャンプ戦略だ。千ないし千五百キロの半径で第一次キャンプ、第二次キャンプ、第三次キャンプを張っていくわけだ。北米大陸の横幅はどのくらいあるのかな、3500キロくらい?、4000キロ弱だろう(歓迎訂正、ほか爆撃性能など詳しい人からの訂正歓迎)。

そこで目出度くワシントン落城となる。

次回以降の予定:

秀吉の中国大返し、信長の桶狭間、兵站輜重問題など