今週の週刊文春から一つ紹介する。「岸信介はアメリカのエイジェントだった!」
今年6月アメリカで出版された下記の書物を紹介した記事である。週刊誌の記事というと電車のナカ刷りであっと驚くような大見出しで明日にも世界がひっくり返る印象を与える記事でも、買ってみるとせいぜい二ページ、なかには一ページなんてのがある。この記事はフル六ページだ。内容もある。
本の名前:LEGACY OF ASHES。HISTORY OF THE CIA
作者:ティム・ウィナー
岸は大方A級戦犯で巣鴨拘置所に放り込まれていたときにCIAに見込まれて交換条件で釈放されたのだろう。戦後のエイジェントにはこのパターンが多い。コダマヨシオもこの口だ。
戦争中の高級軍事官僚、それに協力した「革新官僚(岸もその一人)」、翼賛政治家などからCIAが使えると踏んだ連中を選ぶ。これがアメリカのエイジェントになった日本人たちだ。第一世代だな。
第二世代は初期のフルブライト留学生に多い。向こうに留学していたときにスカウトされる。向こうでフリーメーソンなどの秘密結社に加入してさまざまのキャリアー上の便宜を一生与えられる。また、そのケのあると見込まれると、新しい趣味を教え込まれて、向こうに滞在中にアメリカの有力者と親密な関係を持ちエイジェントにされる例もある。一種の色仕掛けといえる。
第三世代は留学生とか商社マンとかで同じような経路でリクルートされる。日本のテレビのコメンテータという連中に多数見られる。第二、第三世代になると、とくに第三世代では金銭のストレイトな供与は岸のような第一世代とことなり少なくなる。仕事上、研究上(学者が多い)、メディアへの露出などで便宜を受ける。