詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

カポーティ

2006-01-22 12:19:42 | 映画
フィリップ・シーモア・ホフマン主演の「カポーティ」はカポーティが「冷血」を執筆中の様子が再現されている。
カポーティは、殺人者へのインタビューを通じて、彼自身の内なる「冷血」の部分を探り当て、共有するかのように殺人者と一種の恋愛感情に陥る。
しかし殺人者が最後に作家に浴びせた血はあたたかかった。
殺人者が被害者から浴びた血と同様、熱い刻印となって作家の肉体に刻印された。
血はいつでも熱い、という復讐に、カポーティは打ちのめされる。

フィリップ・シーモア・ホフマンは、カポーティの物まねを超え、人間の苦悩まで再現している。大変な熱演である。秘書を演じたカサリン・キーナーもとてもいいし、殺人者の役者(名前不詳)もよかった。
コメント
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