詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

ライアン・ジョンソン監督「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」

2017-12-18 09:28:22 | 映画
監督 ライアン・ジョンソン 出演 デイジー・リドリー、ジョン・ボヤーガ、アダム・ドライバー、マーク・ハミル、ベニチオ・デル・トロ

 話題のシリーズなので見に行ったが、話題についていくだけのために見た、という感じだなあ。次はどうなるんだろうというはらはらわくわくがない。
 新登場(?)は、連れ合い(?)を焼き鳥にして食べられてしまった鳥と中国系の少女(おとな?)とベニチオ・デル・トロ。
 連れ合いを食べられてしまったのに、食べてしまったチューバ(だったっけ)についていく鳥がキャラクターとして矛盾(?)しているのがおかしい。飛行船のなかで「観客」をやっているところが、ディズニーのアニメだなあ。
 中国系の少女の登場は、中国市場をにらんでの起用か。しかし、ジョン・ボヤーガと恋に落ちるなんていうのは、なんだか「見え透いている」。どうせなら、オスカー・アイザックの恋人になり、ジョン・ボヤーガはデイジー・リドリーと恋人になるというくらいにしないと。
 この中国系の少女の登場で、デイジー・リドリーはジョン・ボヤーガと恋人になるという未来のストーリーはなくなり、かわりにオスカー・アイザックと恋人になるという伏線ができた。これではハン・ソロ(パイロット)とレイヤ姫(ヒロイン)の恋物語のトレースになってしまう。そこからまた「ダス・ベイダー」が生まれてくるというのではエンドレス。(両親がわからないままのデイジー・リドリーの後継者は、ラスベガス惑星で競馬馬の世話をしていた少年か。ラストに登場する。)
 ベニチオ・デル・トロは「エピソード3」のハリソン・フォードのように、うさんくさく登場してきて人気者になるタイプだね。「エピソード9」で期待できるのは、このベニチオ・デル・トロくらいか。
 新しい映像は、クライマックスの塩の浜辺での戦闘か。中古の戦闘機の車輪(?)をおろしてバランスをとりながら走る(飛ぶ)シーン。赤い砂煙が新鮮だった。(これに★1個追加。)
 宇宙での戦いは「絵」がきれいになりすぎていて、もの足りない。
 炭坑(?)を利用した秘密基地からの脱出の最後、デイジー・リドリーがフォースで浮かべる巨岩はいかにも発泡スチロールという「軽さ」が気になった。巨岩が空中から落ちるシーンと地面の揺れと舞い上がる土埃が必要。映像としてどうしようもない「手抜き」を感じた。
 映像の新しさ(これ、見たことがないという驚き)では「クボ」の「折り紙」に完全に負けてしまっている。
 フォースと禅、人間の暗黒面と善良な面の対決というのは、40年前はそれなりに「メッセージ」を持っていたと思うが、こんなに何度も繰り返されると、単なる「ストーリー」(流通概念)になってしまうなあ。「人間味」がなくなる。ここに人間味を持たせるには、どうしても「ダス・ベイダー」の暗闇の恐怖と魅力が必要なんだけれど、繰り返しによって最後はジェダイ(善)が勝つんだとわかってしまう。変な言い方だが、「人間味」というのは、「もしかしたら自分は悪人になれる」という昂奮かもしれない。「悪いことをしたい、でもいけないんだ」という葛藤を味わうことかもしれない。
 あ、まねしてみたいと思う「ダス・ベイダー」を登場させないと、だめだな。
(ソラリアシネマ1、2017年12月17日)




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